「まさかの一見さんお断りアニメ。『バットマン』ってこんなのだった?」ニンジャバットマン たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
まさかの一見さんお断りアニメ。『バットマン』ってこんなのだった?
バットマン&ヴィランズが戦国時代の日本にタイムスリップし大暴れするというトンデモ・スーパーヒーローアニメ映画。
闇の騎士・バットマンの声を演じるのは『魔女の宅急便』『ポケットモンスター』シリーズの山寺宏一。
バットマンのサイドキックの1人、ダミアン・ウェイン/ロビンの声を演じるのは『進撃の巨人』シリーズや『僕のヒーローアカデミア』シリーズの梶裕貴。
そりゃ、アメコミは自由度が高いので何でもありっちゃありなのですが、これはなかなかぶっ飛んでる!
何故戦国時代の日本にテレポーテーション?特に理由がないところが、良くも悪くも中島かずきの脚本という感じ。
あんな訳わからん奴らが大挙して現れたら、それだけで未来は大きく変わると思うのだが、ツッコむだけ野暮か。
非常に気になったのだが、『バットマン』に詳しくない人は本作についていけるのだろうか?
バットマンやジョーカー、ハーレイ・クイン等の実写映画化されたキャラクターは知名度があるだろうが、バットマンの仲間であるディック、ジェイソン、ティム、ダミアンの4人なんて正直知名度めっちゃ低いと思う。「ロビンは知ってるけど、なんで4人も同じような奴らがいるの!?」ってなるんじゃないかな?こいつらが特に説明もなく登場しているが、『バットマン』初心者はかなり混乱するのでは?
他にも知名度的に微妙なヴィランが出て来るのだが、こいつら出す必要あるのか?
これが本国アメリカに向けて作られたアニメとは思えないし、バットマンの認知度が低い日本でデスストロークなんか出してもファンサービスにならんのでは?
ゴリラ・グロッドなんて、そこそこのDC好きな自分でもよく知らんかった。なんか『フラッシュ』の敵にゴリラいたなぁ、程度。
ポップな設定にも拘らず、結構コアなファン狙いの映画。
しかし、コアなバットマンファンほどもっとダークなアニメーションが観たいのでは?
はっきり言って、この映画って誰に向けて作られた作品なのかよくわからない。
神風動画が手がける3Dアニメーションは外連味たっぷりで見応えがある。
ただ、アクションは良いのだがキャラクターのモデルはイマイチ。
女のキャラクターはクオリティが高いのだが、男のキャラクターはかなり微妙…。
中島かずきの取り敢えずロボ出しとけ脚本は本作でも健在。
はっきり言って『バットマン』でロボバトルなんて見たくないのですが…。東映版『スパイダーマン』じゃないんだからさぁ…。
クライマックスの巨大サルとか、ギャグなのかなんなのかもよくわからん。ギャグだとしたら面白くない。
もっと登場するキャラクターを絞って、じっくりと物語を進めて欲しかった。
蝙蝠衆のニンジャなんて完全にモブだったし。
あんなにたくさんヴィランいらない。ジョーカー&ハーレイとゴリラだけでよいと思うし、味方サイドもバットマン&アルフレッドとキャットウーマンだけで十分。
お世辞にも良い映画とは言えないが、ジョーカー登場シーンは軒並み良い。やはりジョーカーは華がある!
ロボを乗っ取り、圧倒的な戦力となった後に「つまらん。」と呟く場面は素晴らしい。これはジョーカーの魅力が解っている人でなければ書けない描写ですなー。
色々と言いたいことがある映画ですが、天守閣でのバットマンvsジョーカーの一騎討ちが素晴らしかったのでちょっとだけ評価甘め。
ダミアンの髪型とんでもないけど、あれは一体…。大五郎か?