「ゲイリー チャーチルの凄味。」ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男 moon-yokoさんの映画レビュー(感想・評価)
ゲイリー チャーチルの凄味。
最初に書いておくが、邦題と、原題に差があり過ぎるが・・・、
これは実話を元に、可能な限り、状況を再現したヒューマン ドラマであり、
派手さもなく、大規模な戦争シーンがあるわけでもなく、
一人の首相が国を背負いながら、大きな決断をするまでのリアルな物語です。
私は世界史に詳しくない。
イギリスの凄い首相でしょ。ぐらいの感覚だった。
ダークナイトの大ファンとして、ゲイリー オールドマンの作品は外せず、
無料で配信されてるから観てみるかぐらいのノリだった。
そして心底、反省。
この作品を映画館で観なかったことに大変、後悔した。
皆さんは「言葉の力」を信じているだろうか。
私は常々、言葉には力があり、呪いであり、相手に影響を及ぼすと思っている。
そして、今回の映画を見て、改めて「言葉の力」を強く信じることが出来た。
想いは「言葉」になり、それが熟慮され、取捨選択され「文章」として組まれる。
話し方、話す時間、間の取り方、視線、ジェスチャー、言語以外の部分も取り込み、
結果として「魂の言霊」となる。
ゲイリー チャーチルが短いもの、長いもの、幾つかスピーチするシーンがあるが、
皆さん、感じてほしい。原稿を台においたその瞬間から、ガラッと変わって見える。
これが彼の演技の凄味だし、本作品の評価を受けるところだと思う。
ラスト 4 分の演説。までの積み重ねも素晴らしい。
戦争の概要を知らない人なら、ここからどうするんだ!?と、ドキドキすることだろう。
自分が戦争に行っているわけではないし、
イギリス人でもないけど、
なぜか、勇気が湧いてくる。
もっと頑張ろうと思えてくる。
Never !! と叫びたくなる。
そんな作品でした。