「曲者」ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
曲者
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重厚な作品…のはずなんだが、見事と言っていいほどゲイリー・オールドマンから目が離せない。
戦時下のイギリスで徹底抗戦を打ち出す首相という役所。シリアスな話しのはずなんだが…笑ってしまう箇所がいくつもある。
偏に彼の曲者っぷりと、それを採用した監督の器量なのだと思う。
彼が首相になり、初めて国王に謁見した時、退出の間際の逡巡などにもよく表れていて一目で「面倒な男だな」と思えた。
秘書に裏返しのピースサインの説明をうけ心底面白そうに大笑いする人間的な豊かさや、奥様との愛嬌のある掛け合いも面白い。
またこの奥様が数シーンしか出てないのに、全然埋もれておらず、素晴らしかった。
明らかにNGシーンだろうと思えるカットを使っていたりもする。
緩急とでもいうのだろうか?
戦時下の緊迫感にありながらも、チャーチルのあの風体やフガフガ言う口調がとても良くて…暗く重くなりがちな題材を軽快に見せきってくれた。
ご老体の割には歩く速度が早く、足腰がしっかりしてんなあとも思ったが、そこにも戦時下の緊張感故にと考えれば得心もいく。
特殊メイクといい、オールドマンの芝居といい、時折挟まれる演劇的なアングルといい、色々堪能させてもらえた。
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