「22年目の新境地」名探偵コナン ゼロの執行人 gmさんの映画レビュー(感想・評価)
22年目の新境地
原作はサンデー本誌を毎週購入し、コミックスも欠かさず購入しているファンです。
今回は原作でもまだ全貌が掴めない警察庁警備企画課の降谷零をピックアップした作品、また、脚本が相棒や科捜研の女など警察組織の作品を多く手がける櫻井氏ということで大変楽しみに鑑賞しました。
ミスリードを誘う演出や、派手なアクション、伏線の張り方などが丁寧で、大人向けかと思いきやとてもコナンらしい作品だったと感じました。人間ドラマもとても面白く、各組織のあり方やその説明、特に協力者と公安の関係など上手く活かした脚本は流石です。
それだけでなく、コナン、小五郎、安室たち男キャラそれぞれかっこいいポイントがあり、キャラクターの魅力がより引き出せていたと思います。
また、夜明けや雨など天候を強調したシーンは新しく感じ、キャラクターの心情や物語の流れがよくわかり、良い演出だったのではと思います。
また、RX-7の固いシートや車体の軽い感じなど車へのこだわりを感じました。
レビューに書いてる人をあまりお見かけしませんでしたが、ファンサービスが厚かった。アニメのプレゼント企画電話でのJK炎上ネタなど小ネタが個人的には嬉しいポイントでした。
また、ガンダムファンの私としてはゲーム会社の名前に笑いましたが、最後のシーンで安室さんが炎の中コナンくんを助けるシーンはRX-78-2を彷彿とさせ熱くなりました。
しかし安室がどういう人間なのかますます掴めなくなりました。これも映画の狙いでしょうが。
コナン映画22年目にして新境地を開拓したなと感じます。お子さんのコナンファン、原作は久しく読んでないけど映画は毎年見るファンより、連載時より追ってる熱心なファン向けの印象でした。
最近原作も複雑になってきたことから、映画だけいつまでも子供向けだと興ざめかと思います。ファンと作品が一緒に成長していけるようで嬉しいです。
金曜日から日曜日まで8回鑑賞しましたが、新しい発見や解釈があり、見れば見る程面白い作品でした。
来年も期待しています。