「社会派ドラマ?」モリーズ・ゲーム odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
社会派ドラマ?
クリックして本文を読む
学業も優秀で元オリンピック・クラスの花形アスリートが裏カジノの胴元とは興味深い、事実は小説より奇なりということか。主演のジェシカ・チャステインは原作者のモリー自身の要望だったらしいが「女神の見えざる手」同様、個性的な才女をやらせたらぴかいちですね。
顧客情報を漏らさないのは映画の中では綺麗ごとに語られますが、漏らしていたら報復されるリスクが高いことを強盗事件で身に染みていたのかもしれませんね。彼女が裏稼業に走ったのには父親の影響があることは描かれるエピソードで十分伝わるのですが臨床心理学者の父親(ケビン・コスナー)が娘の動機の心理分析をやってみせるくだりは大スターを単なるヒール役で終わらせるわけにいかないというアーロン・ソーキン監督の配慮にも思えます。
回想録の映画化ということもあるのでしょう、逮捕に至るまでをナレーションを交えたエピソードで綴るのですがテンポもあり惹きこまれました。ポーカーゲームは遊びでしか知りませんが大金が飛び交うさまは凄まじい、クスリ同様ギャンブルも依存症、深みにはまってゆく怖さが伝わります。親の過度な期待や圧しつけ教育で壊れてゆく子供の事件は最近も耳にしました、そういう意味では興味本位のタブロイドものではなく説教臭のない社会派ドラマかもしれませんね。
コメントする