「ただのLGBT作品と思うことなかれ 285-19」君の名前で僕を呼んで もやしさんの映画レビュー(感想・評価)
ただのLGBT作品と思うことなかれ 285-19
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イタリアの美しい風景と共に17歳と24歳の青年のひと夏の恋の行方を描いた作品。よくあるラブストーリーのような運命的でキラキラした出来事はないし、二人の会話は核心を避けた漠然とした会話。だからこそのリアリティ。愛を伝えるセリフは無く、お互いに友情を超えた何かを確かめ合うように自分の名前で相手を呼ぶ。
LGBTの映画だと思って観るのはその時点で勿体ない。もっと普遍的な恋の美しさを描いた作品。美しいものを見た時、美味しいものを食べた時、それを伝えて共有したくなる気持ちに性別は関係ないでしょう?同じことで、 確かな気持ちを共有するのに性別も宗教も年齢も関係ない。 エリオとオリバーはそれを分かっていたから惹かれあい、重なりあい、その事に葛藤がなかったのだろう。葛藤がないからこそ、後悔もせず、「何一つ忘れない」というセリフが出てきたのだろう。
常に流れている透き通った、どこか悲しげなピアノ、鮮やかな色合い、イタリアの夏のみずみずしさ、美しい気持ち。この映画観る事でこれらを体験したなら、2人と同じような純粋な、しがらみのない気持ちを感じられるのでは。
桃のシーンは語り継がれるであろうシーン。父のシーン、エンドロールの3分は個人的な映画ベストシーンに入る。
(映像 5 脚本 5 演出 5 音楽 5 配役 5)×4+見返したい度 5 = 100+5 = 105
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