「4.0」さよなら、僕のマンハッタン 山本将太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
4.0
開始のナレーションからサマー色を感じ、濃厚かつ万人ウケはしないであろう絶妙な恋愛模様を描くのがマークウェブの強みであると再確認した作品
あのギフテッドでさえも大人ラブストーリーを組み込んでいたな
パンフレットにもある通りマークウェブはサマー以前にこの作品に惚れ込んでいたという
このような作品に出会う運が長けているのだろうか
誰しもが感情移入できる人物が少ない
しかしそこに大人の色気を私は感じる
かつ、カメラのカット割りが実にうまい
トーマスに注目させておいてジョハンナが唐突に登場したパーティでのそれはかなり痺れた
セリフの選択がかなり秀逸でアメリカ特有の含みを持たせた駆け引きも痺れた
全体的に色気を感じる作品だ
演技について、ピアースの演技がかなり光っていた
''お前には分からない"
そのときは私も分からなかったが、よくよく考えるとあの一言がこの作品ではかなり重き部分であると感じる
ハッピーエンドではないのに心が満たされる感覚はジョンカーニー作品によく似ている
残念点もいくつかある
途中ミミとの喧嘩シーンは全てワンカットで撮った方がよかったのでは
雰囲気の良い場面でカットが変わってしまったため一瞬心が作品から離れてしまった
また、ミミの立ち位置はかなりサマーと酷似していたと思うのだが、最終的にもミミには触れられずにポカン
もう少し作品に絡ませてあげてほしかった
ジョハンナがなぜ親子と関係を持ったのか、その理由も今ひとつだ
とはいえ全体的にはかなり好印象
最終的に伏線が一気に回収され、心を持っていかれた人も少なくはないはずだ
付き合う前の微妙な関係でこの作品を見ることは禁物
気まずくなるでしょう
ご家族との鑑賞も気まずくなるでしょう
1人、もしくはお互いに気の許した方と見てみてください