「風雲たけし城」移動都市 モータル・エンジン kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
風雲たけし城
ユニバーサルのロゴが60分戦争を表現していたため、その荒廃した世界にどっぷり浸る準備をしていたのに、古代アメリカの神々がミニオンズだというシーンで思わず吹き出しそうになった。ハウルやラピュタなどジブリの世界観というレビューが多い中、ターミネーターのようなシュライクから逃れるシークエンスは「SASUKE」とか「風雲たけし城」を思い出してしまったよ!
旧世界の負の産物である量子兵器を復活させようと躍起になっている、移動都市“ロンドン”を牛耳っているヴァレンタイン。巨大なキャタピラー付き都市は弱小都市を侵略して資源や労働力を捕食していく。ヒューゴ・ウィービング演ずるこのヴァレンタインが帝国主義そのものの思想であり、資源が尽きそうになるも、反移動主義の同盟国を攻めることによって活路を見出そうとしているのだ。
このアジアに似た反移動主義国は巨大な壁によって防御していて、いくつもの移動都市が攻略を試みていたのだが、すべて敗れ去っていた。量子兵器の部品を考古学士であるヴァレンタインが自ら集め、その強力な兵器で壁を攻撃しようと画策していた。しかも、彼は市民に対しては嘘をつきとおし、平和主義者として確固たる地位を築いているという、どこかの国をも思わせる支配者(とは言え、市長は別にいる)。
顔に傷を持ったヒロイン、ヘスター・ショウ。母親をヴァレンタインに殺され、復讐の機会をうかがっていたのだが、ロンドンに潜入するも失敗。そこで知り合ったトム・ナッツワーシーと行動を共にし、やがて反移動主義でお尋ね者のアナ・ファンに助けられ、ロンドンとの対決へと突き進む冒険活劇だ。
こういう作品は大好物。ビジュアル面が先行しがちでストーリーは薄味かと思いきや、最終戦争という同じ過ちを繰り返そうとする人間の愚かさをしっかり描いている。しかも、何も知らなかった市民が量子兵器を撃つ度に歓喜する様子は、支配者のみならず、戦争に巻き込まれる市民までもが狂気と化すえげつなさを見事に表現していた。兵器などの科学技術は進んでいるのに、食べ物だけは気持ち悪い描き方だったり、人間性のグロさを徹底して表現するなんてのはピーター・ジャクソンらしい(監督は違いますが)。
メデューサという名の量子兵器。U・S・Aって何のことかな?などと思っていたら、しっかり解決してくれました。ギリシャ神話に出てくる蛇髪メデューサをかたどった石板とかも出てきましたが、睨まれても石になるわけじゃなく、ブラックホールを作り出す!みたいな兵器でした。強い核兵器を持った国が強い国という驕りを皮肉たっぷりに描いた作品ではありましたが、この原作者がイギリス人であることも自虐的で興味深い。また、アナ、ヘスター、シュライクという個性的なキャラがなんとも魅力的だった。
⬆済みません(汗)
途中で送ってしまいました(泣)。
流石だなぁと思いながらレヴューを読ませて貰ってました。
はい、もう11月12月は馬鹿みたいに忙しくて疲れて余り観られなかった分、正月は観まくってました(笑)
出掛ける気分でもなかったので完全に引きこもりです(笑)。
全然関係ないですけど…イラクとアメリカ…ヤバそうですね…。
今年も楽しいレヴューを楽しみにしてますね☆