ファースト・マンのレビュー・感想・評価
全370件中、321~340件目を表示
宇宙飛行士の緊迫感が伝わってきた
月に最初に降り立ったアームストロング船長のノンフィクションもの。なかなか重々しい雰囲気な映画でした。一見華やかな宇宙飛行士の世界の影の部分がよく描かれていたと思う。特に発射〜大気圏〜宇宙空間のコックピット内の緊張感や、どんなトラブルが起こるか分からない不安感などヒシヒシと伝わってきた。
宇宙空間を写すときに、映像そのものもだけど、全く無音になるシーンは結構鳥肌ものだった。
魂を震わす本物の作品
恐らく賛否分かれる作品であろう。
すでにレビューであるように、人類の挑戦に心打たれる人あり。
または、あまりの単調な流れの作品に退屈してしまう人あり。
様々であろう。
しかし、この作品は私にとって、魂を打ち震わす最高の内容であった。
結論は当然知らぬものがいないのに、誰だって分かりきっている答えがあるのに、でも、こんなにも心を奪われてしまうとは思わなかった。
内容は本当にシンプルだし、SF映画の様な派手さも、ひねりも、劇的な逆転劇だってありはしない。
ただ、人類の進歩のために、命をかけて夢を追い続けた人たちがいたんだ。
そのただ真剣な生き様に、ただただ心が震えてしまっていた。
私は、アクションだって好きだし、SFももちろん、宇宙映画ではスターウォーズにスタートレック、宇宙戦艦ヤマト、アルマゲドン、そうした作品だって大好きだ。
単調に流れていく映画だけを愛しているという訳ではない、いやむしろ私は内容よりも、派手さやひねり、ストーリー展開のエキサイティングさに心踊るタイプだ。
けれども今回は違った。
命をかけるとか、夢を追うとか、努力するとか、そんな言葉の重みをこの映画を観るまで分かってなかったかもしれない。
人類史に奇跡を起こしてくれた、命をかけたアメリカ人に敬意を払いたい。
人類は、明日も未来に向けて永遠の挑戦を続けてゆくのだろう。
静かぁ〜に淡々と
新たなデイミアンチャゼル節
暗い
冒頭で愛娘を失くしたニール、その悲しみが映画全体を覆い尽くす。とにかく笑顔のシーンもどこか陰鬱なのだ。音楽もあまり流れず、粛々と時系列に流れていく、沈黙とロケットの爆音しかないかの様。ラストシーンで夫婦の絆を感じさせるような終わり方をしているが、この夫婦後々離婚し、ニールは再婚する。悲劇のうえに歴史ありだが、この映画はまさにそれである。最後に・・ニールで月面に降り立ち、娘のブレスレットを月面のクレーターに落とすシーンが心に残りました。エンターテイメント制はこの映画、ないと思います。馬鹿真面目な映画です。
アポロ計画とは
花粉が飛び始める前に見たほうがいいと思います
『月面の再現』から始まった〝リアル〟の追求が、映画製作の途上で半ば目的化していったのではないだろうか?
家族との最後になるかもしれない時間を意味のない荷造りで逃避してしまう人としての弱さ、国威発揚を負わされる責任と様々な立場からの否定的な意見(ただのやっかみだってある)の狭間で抱く複雑な心情、パイオニアとしての自負と純粋な夢追い人としての情熱、不運な先達や同僚への思い。
そんなこんなを全て脚本に落とそうとするのは無理があるし、セリフにしたら陳腐になる場合もある。
だから、リアルな再現が月面に留まらず、ロケットに乗り込む時のエレベーター視点、観客が自ら体験しているような燃料噴射の轟音と月面での静寂、まるで自分が詰められているかのような妻のアップ顔……等々全編にわたり細部にまでリアルが行き届いたのだと思う。
結果として、感情を揺さぶるようなドラマ性が削ぎ落とされ、人によってはやや退屈な印象の作品となったといえる。
では監督の意図が空回りしたのか、と言えばそんなことはなく、かなりのレベルで成功したと思う。
終盤の月面に降り立つシーンでは、IMAXの劇場内から音を伝える空気を抜いたのではないか、と息苦しさを覚えるほど観客全員がまるで示し合わせたかのように息を潜めて、物音ひとつ立ててはいけないほどの緊張感を強いられながら(膝上に置いたダウンジャケットの衣擦れの音すら気になる程の静けさでした)画面に見入っていたのですから。
※2/9 東宝シネマズ日比谷 12:00の回で鑑賞された皆様、ありがとうございました。息を潜める共同作業の一員になれて、とても嬉しかったです。感謝申し上げます。
鼻水をすすったり、くしゃみをするのが憚られる映画ですので、花粉症の方は早目に鑑賞することをお勧めします^_^
静かな作品でした
船長、面白くないです
演出、音響、映像全て最高の映画。特に月面の表現は息を飲む美しさ。
ただし以下の欠点を除けば…。
実在の国家的英雄を描く以上、下手な脚色が出来ないのはそりゃ仕方ないですけどね。
ハッキリ言ってつまらない。特に、アームストロング船長のキャラがつまらないのが最高にイタい。
アポロが旅立ってからは流石に面白いけど、少なくとも旅立つまでの1時間半は、とにかく 退 屈 だ。
そもそも実際のアームストロングも、クソ真面目であんまり面白い人じゃなかったらしいですね。
結局、アームストロングが無条件で尊敬される国あるいは世代でのみ有効なドキュメンタリーなんですよ。事実って退屈だよね。
ところで船長、アポロの25年後に離婚したらしいですね。事実って面白いよね。
宇宙…それは人類に残された最後のフロンティア
地味。でもそれが「人」というもの。
宇宙空間で起こる様々なトラブルを乗り越えて偉業を果たし、奇跡の生還…といった、いわゆるSFモノとは違う。
キャラクターの体温さえ感じる距離感で、人間の姿を上品に、穏やかに、そして切なく描いたヒューマンドラマだった。
派手な演出は少ない。
「ゼロ・グラヴィティ」とか「アポロ13」みたいなモノを期待すると物足りなく感じるかも。
宇宙でのシーンについても、『神の視点』とも言える「引き」の画はほとんどなく、観客に与えられる「画面の揺れ」と「計器に現れる数字の動き」「小さな窓からわずかに見える外の景色」といった情報から何が起きているかを感じる、つまり搭乗員と同じ『人間の目線』で事態を乗り越える、というのがこの映画のスタンス。
そして「音」。
音楽の良さはデイミアン・チャゼル監督作品である以上もちろん言うまでもないが、今回も、小さな音、その距離や方向に至るまでこだわり抜いた感じは否めない。
鑑賞中、音の発生元を求めて振り向きたくなったのは私だけではないのでは?
主人公のニール・アームストロングは決してスーパーヒーローではない。過酷な訓練に耐え、社会の批判の矢面に立たされながら、それでも口数は少なく、感情的になることもない。だからこそ観客は「変人」にさえ見えてしまう彼の内面を覗きたくなる。彼の見ているモノを、彼の視点で、彼と同じコクピットに搭乗することで感じ…たい。
ラスト、(月面着陸は史実だからネタバレではないよね)大切な人を失いながらついに月面に辿り着いた彼が何を思い、何をしたのか。
世界の歴史に名を残した偉人の物語ではなく、一人の職業人であり、一人の夫、一人の父親としての彼の姿を描いている。
極端に言うと、ある男性に焦点を当ててドラマを作ったら、たまたまそれが人類で初めて月に降り立った人物だった…と言ってもいい。
『人間を描く』
鑑賞直後よりも、家に帰って思い出し、噛み締めるほどにその作り手の想いが伝わってくる気がしている。
観た方なら分かるはず。
あのラストシーンの二人が、何と可愛らしく、優しく、何と美しく、愛おしいことか。
奥さんのクレア・フォイの演技も素晴らしい。この人、ホントに役によって別人に見える。
とっても大人な映画。
今までの監督作品は皆好きだが、中でも本作が一番好きかも…というか、時間が経ってどんどん好きになっていく自分がいる。
ぜひ、あの「月」を大きなスクリーンで感じて頂きたい。
不覚にも泣けてしまいました。
全370件中、321~340件目を表示