ファースト・マンのレビュー・感想・評価
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良い映画だと思う
犠牲
歴史的な第1歩。
その足跡を残す為に払われた多くの犠牲を克明に描いたかのような映画だった。
国家規模の宇宙開発競争という背景はあるものの、人類の可能性を知らしめた計画であったのだと思う。
その礎となっていった命に敬意を払う。
物語の中盤以降、ロケットはあまりに巨大な棺桶にも見え、それに自ら乗り込むパイロット達が特攻隊員のようにも思える。
残される家族たちもしっかりと描きだしていて、その色が強くなり、主役の人物像や、その周囲を語る事で、英雄ではない僕らの隣人としての側面が印象づけられる。
人命を賭してまで推し進める必要があったのだろうか?
だが、しかし、アームストロングが残した足跡が全てに報いたと思いたい。
先人の行動なくしては、あの1歩も刻まれてはいないのだから。
作品的には、過去から連なる技術の進化が面白かったりする。
コクピットなどは最たるもので、時間が経つ程洗練されていく。
そう思うと、立ち上げ時の手探り感が伺えたりする。試行錯誤の跡と言おうか、技術革新の経緯と言おうか。
飽くなき挑戦である事には間違いない。
この作品を見ながら「ドリーム」を思い出してた。技術革新の裏側の物語だ。
帰還した後の夫婦の対面が、とても、とても静かで…周りの喧騒とは裏腹で面白かったんだけど、あまりに静かすぎて少し違和感。
月面にて弔う娘の遺品には、ちょっと劇的すぎてそれまでの物語との距離を感じた。
本当なのだとしたらどこから出したりしたのだろうか?
月面に名前くらいなら書いたかもなと思ったり…ドラマチックなシーンだった。
究極の疑似体験
人類初の月面着陸に至るまでを描いた実録映画。
寡黙なニール・アームストロングを演じるのはライアン・ゴズリング。
彼の演技、特に繊細な表情芝居がとにかく素晴らしい。
人前では決して感情的にならないニールの、誰も知らない辛さや恐怖、葛藤が痛いほど伝わってきて、ドラマにグッと引き込まれた。
彼を英雄として描くのではなく、等身大の男として最後まで描ききっているのも好感が持てた。
ロケット発射シーンはもはや恐怖映画。
これは一種のVR体験に近く、大気圏離脱までの緊張感がとにかくリアル。
60年代アナログシャトルの頼りなさ、風防から見る死と隣り合わせの宇宙の冷たさ。
これらは間違いなくスクリーンでしか味わえまい。
過酷な訓練の日々、家族との別れ、友の死。全てを乗り越えた先にたどり着いた月の大地。東西冷戦の代償を個人が背負うにはあまりに重すぎる。
これがノンフィクションだというから改めてその偉業に驚かされる。
ぜひスクリーンで体感してほしい。
偉大な偉業を改めて学ぶことができる貴重な映画
一体、何のために…
なんとも閉所恐怖症になりそうな、余りにも過酷で、息苦しくて怖い映画だった
人類が始めて月に行く映画なのに、解放されるどころか息苦しいなんて
夢と希望にあふれているはずの人類初の月旅行の現実は、恐怖に満ち溢れたものだった
この映画を観る前の私はワクワクしていた
アームストロング船長が「人類の偉大な一歩」を踏み出すまでに、どんな冒険をしたんだろうかと、「感動待ち」の状態だったからだった
しかし、現実は、私の思いとは180度違うものだった
人類で初めて月に降り立ったアームストロング船長は、感情を押し殺し、実験のような任務をひたすら遂行することを求められていた
常に、死の危険と隣り合わせで、いつしか笑うことさえも忘れてしまう
任務の後、無事に家に帰れるかさえもわからない毎日
そんなアームストロング船長の姿を観て、まるで、戦地に向かう兵士のようだなと思った
ただソ連に勝つために、危険な訓練を重ね「月面着陸」というゴールだけを目指す
そのために、平気で人命を犠牲にしていた当時の冷戦は、確かに「戦争状態」だったのだろう
そして、最後まで見終わった後「この月面着陸ミッションは本当に必要だったのか」と考えてしまった
現在では、月の利用価値がないことが分かり、人間が月へ行くことをやめてしまったけれど、本当はこの当時から、利用価値がないと分かっていたのではないだろうか
ただソ連に、共産主義に勝ちたかっただけではないのか
みんなが、ただJFKの夢を叶えるためだけに、彼の演説は正しかったと証明するために、命を犠牲にしても必死になって、ソ連と競っていただけではないのか
この当時の人たちの苦労や犠牲があって、今では宇宙旅行に行けるようになったのかもしれないが、人命を犠牲にしてまで、宇宙旅行というのは、必要なことなのだろうか
私はそこまでして、宇宙旅行が必要だとは思わない
なんだかやりきれない気分になってしまった作品だった
重苦しい一作
圧倒的臨場感
冒頭から、強烈なGを感じさせる臨場感。
打ち上げ等のシーンでは、同様に手に汗を握った。
閉所恐怖症に私にとっては、少々気分が悪くなるほどだった。
私は、アポロ世代。
ドッキングのシーンや月面着陸はテレビに噛り付いて観ていた。
リアルな映像に心躍ると同時に、成功の陰には数々の犠牲があったことを認識させられた。
勿論当時は子供だったが、大人目線で観ると疑問も感じざるを得ない。
あの頃は私が大人になる頃には火星に行けるのでは?と思ったが、
火星どころか月にさえ行けなくなった現状はそういうことなのだろう。
ストーリーとしては、ファーストマンの足取りを丹念に描いている。
そこに家族、特に幼くして亡くなった娘への想いを絡めている。
娘の遺品と共に月に行き、月面に葬るシーンは心に沁みた。
娘を持つ親としてそこには感情移入して涙してしまったが、
いささか盛りだくさん、欲張り過ぎで冗長、散漫になった観は否めない。
また、娘への思いに比して他の家族、特に妻への配慮は置き去りになっていて心が痛んだ。
個人的には、もっと家族にフォーカスを当ててほしかった。
アポロ11号打ち上げ以降はほとんど家族は描かれず、残念だった。
やや冗長だったところを除けば、おおむね満足。堪能した。
事前学習が必要かと
ドキュメンタリーぽくするために、ほとんどのカットをハンディカメラで撮影しているので、画面が常に手振れ状態!これは正直疲れた。船酔いする人は見ないほうが良いかも。また、登場人物が皆、ファーストネームで呼ばれるので、そこも分りずらい。ガス=グリソム、エド=ホワイトなど。歴代の宇宙飛行士の活躍を描いたライトスタッフや、ドリーム、さらにはアポロ13のようなワクワクするような高揚感がまったく無い映画。私が小5の時に体験した人類の月着陸!アームストロング船長はウルトラマンと同じくらいのヒーローでした。当時は、小学生の自分でも何冊もの本や雑誌、さらにはTVでもう専門家のような知識を詰め込んだものです。マーキュリー計画、ジェミニ計画、そしてアポロ計画と、ソ連との冷戦の最中の宇宙開発競争。先に上げた3つの作品のうちどれかをご覧になられて本編を鑑賞された方が良いと思います。期待が大きかっただけに少々がっかりした作品でした。
宇宙に慣れすぎていた
今まで数々の映画やドラマ、アニメなどで宇宙というテーマが用いられていたので、私の中で宇宙に行くことは簡単に考えられていた。
という事に気付く、人類が宇宙に行くということ、いちばんはじめの1歩というのは本当に偉業なんだ。
科学だなんだという前にこの時代は人間力と運だけでド根性で月に行ったのか…と、思った。
終始アップの手持ちカメラの映像が続くのでしんどくなるが、宇宙パートでの映像との対比が素晴らしく、また音に関しても細かい息づかいや爆発、轟音アラームと、全くの無音で地球と月がいかに違うか(ホイホイ行けるような場所じゃない)ということを表現していると思った。
当時の宇宙飛行士をリアル体験出来るのだが「絶対宇宙飛行士は無理」と痛感するので宇宙開発に携わる人々を改めて尊敬した。
アームストロング船長は日本では誰もが知っている有名人だと思っていたが、やはり人間であって。幼くして亡くなった娘の悲しみはずっと残り、死ぬかもしれない任務の前には動揺する。
「ハッハッハ!アメリカは偉大だー!」みたいなこちらが考えるザ・アメリカ人じゃないよね、そらそうだ。
そういった心理描写、人間模様もリアル。自伝なのか演出なのか、これはもうドキュメンタリー映画。
ただ、画面酔いをしてしまったので星を1つ減らしております…
ネタなし
この映画を見終えたとき感じたのは
「はぁ?終わったの?何が言いたかったの?」
ってことでした。
当時のテレビ中継が全国の学校などでも放送され大阪万博でも月の石を見に行った世代としては
<娘への愛情>
だけでストーリーが終わってしまうことが納得できません。
深読みすると・・・
中国の宇宙開発の意義を薄めることだと思いました
中国が騒がれる時期に合わせてアメリカは50年前に実現したんだという政治的な意味を持たせているんじゃないでしょうか?
映画界にも中国支配を嫌う人がいて急遽作ったけど盛り上がるネタを探すことができなかったということでしょうね。
娘を中心に置くならもっと深堀するかフィクションで話を追加してもよかったのかもしれませんね。
そうすれば違和感なく見れたかもしれません。
淡々と重厚
ドキュメンタリー好きの私としてはとても当たりの作品です。
結論だけは知っているストーリーに対して、観賞者とは言え完全受け身で観るつもりはない。
当時の英雄たちのことを勝手に想像を巡らせて、宇宙に、月に、その壮大だったプロジェクトに、心を踊らせて入り込んでいくのです。
そして良くも悪くも想像と異なる事実や心情を目の当たりにして心をかき乱され「映画」の世界を堪能します。
今回は主人公は多くを語りません。
想像の余地がたっぷりです。
カッコつけて言うなら行間を読む作品です。
役者の一挙一動に引き込まれるとても相性がいい作品になることもあれば、まったくシンクロできずに眠気を耐えるだけのこともあります。
今回は前者でした。
各俳優陣が本当に良い演技をしていたと思います。
ストーリーは数年の出来事が淡々と進みますが、要所での息がつまるような葛藤が重く重くのしかかってきて心地よい疲れを感じました。
ドキュメンタリーがお好きなら観て損はないと思います。
派手さは一切無し
今では当たり前のような宇宙でのミッション。アポロ11は半世紀も前の...
ラストシーンに感動!
地球に帰還したニールが隔離された部屋で硝子越しに奥さんと再開するシーン。
余裕の夫婦愛が上手く表現されていた印象。
作品中、所々に夫婦や家族が接する場面がラストを盛り上げます。
もちろん、宇宙飛行士の訓練やロケット発射時。月面のシーンもとても素晴らしい。
ロケット打ち上げ時の爆音や金属が歪む音などもリアル感ハンパ無し!
アームストロング本人もあんな方だったのか.....知りたいところ。
本作はIMAXレーザーで観賞。音響も映像も素晴らしい。劇場中央部で観賞しましたがスクリーンのデカさに後方で観た方が良かったかと観賞前に感じましたが、月面のシーンを観たら最前列で観れば良かったと後悔しました( ´∀`)
クレア・フォイが凄い!
ドンピシャの世代なのだ。僕は小学4年生でアメリカが国際中継したNHKのテレビを見ていた。アームストロングがタラップから月面に降り立つシーンは誰が撮っているの?とまず疑問に思ったものだ。そして翌年の大阪万博で何時間も並んでアメリカ館で「月の石」を鑑賞したのだ。ケネディは60年代中に必ず月に人類を送るとぶち上げ、タイムリミットの69年にそれを成し遂げたとされている。ソ連への対抗上もう時間が無かったのだ。映画はほぼ全編ハンディカメラで撮影されていてブレ続ける。狭いロケットに閉じ込められ、発射から大気圏を脱するまで視野の狭いコックピットで暗く揺れ続ける映像とニールの上目遣いのクローズアップがガタガタと延々続く。これが月に最初に降り立った英雄を描くアメリカ映画なんだろうか! アポロ計画の最初にいきなり焼死する3人の宇宙飛行士。その後の国内での反アポロ運動。俺たち黒人は飯を食う金も無いのに白人は国の金で月に行きやがると歌う「whity on the moon」が流れ、それでもアポロ11号は発射されるのだ。デイミアン・チャゼル監督は素晴らしい。主演のライアン・ゴズリングも素晴らしいが、何よりニールの奥さんを演じたクレア・フォイの演技に圧倒される。
奥深いのか?
アームストロング中心の話。ファーストマンだものね。
たんたんと話は進む。奥深く読み取るべきなのか?と不安になるほどたんたんと。映像は美しい。仲間が少しずついなくなってしまう悲しみもある。だけれどもたんたんと。
この見えない場所で黒人女性達が差別を受けつつも強力な力になっていると思うと感慨深い(ドリーム)
アームストロングを追体験
父の映画
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