「原作よりいい」恋は雨上がりのように tkyさんの映画レビュー(感想・評価)
原作よりいい
上映期間は明日(7/19)まで。駆け込みで鑑賞しました。
最近、知人に勧められて原作の漫画を読み、興味を持ったのでネットで調べてみたら、映画化されてる、まだ上映している映画館がある、とのことで。
なので、原作を読んだ上での鑑賞です。
まず、キャスティングが良かった。原作の漫画は画力が乏しく、絵があまり好みではありませんでした…。
正直、映画の方が演者の表情が豊かで、感情移入できました。
はるかとユイはちょっと違うかな?
単行本10巻分の話を2時間の映画にまとめる場合、はしょらないといけない部分が沢山出てくると思うのですが、
それが逆によかったと感じました。
原作は読者の期待を裏切るような結末になったことでネットで炎上し、作者のブログが閉鎖される事態になったようです。
私見ですが、その他の伏線(的なもの?)も回収されず終了し、何のために登場したエピソードなのかも不明なままなのはなんだかモヤモヤしました。まぁ炎上するかな、と。
なので、
あきらの父親、父方の実家
はるかの弟、妹
加瀬の血の繋がっていない姉
手編みのマフラーのくだり(元妻と偶然出会ってしまう)
ユイが吉澤の前髪を切る~結局フラれるくだり
九条とすい(翠:あきら)のくだり
植物園
温泉旅行
京都旅行
こういった原作の中で「これ必要?」という要素がなかったことが逆にスッキリと観ることができてよかったです。
あと、「整骨院は病院じゃないよな?」と思っていたところが「整形外科」になってて、感心しました。
むしろ原作より説明的になったセリフ等もありましたが、
変に登場人物を増やしてエピソードを追加するよりも物語がスッと入ってくる印象です。
原作ではあまり出てこないあきらと母親とのやり取り。吉田羊さんの存在感が光ってました。
一方、
息子君とあきらが店長の家に行く(ジューブンガクが好き)というシーン
羅生門の一説をなぞらえるシーン
店長が「俺は橘さんが好きだ」と気付くシーン(これが無いと、結局あきらの一方的な片思いで終わったと感じる人も居るのでは?)
徹夜して小節を書くところ(夢を追いかけることを思い出させてくれた、的な?)
店長がプレゼントした傘
「雨宿りだった」というセリフ(これがないと劇中に何度も出てくる雨や、作品のタイトルを効果的に活かせない…)
これらのシーンは物語を構成する重要なピースだと思っていたので、省略されていたのが意外でした。
女流作家(少女漫画)のラストって
結末を描き切らない(未来を予感させるような)ものになっていることが多いような気がします。女性読者はそういうのが好きなんでしょうか?
ビッグコミックスピリッツという青年誌に連載された作品ということで、男性読者にとっては釈然としないラストが炎上してしまったのかなぁ?という気がします。
この映画のラストはやはり「未来を予感させる系の」ラストですが、なんだかちょっとほっこりするようなじんわり来るような感じです。
原作よりも「いい」と感じました。
鑑賞した京成ローザですが、
カビくさい
空調は効いてない
音量だけはバカみたいにでかい
ということで
やや不快でした
二度と行きません
作品はよかった。
ソフト化されたら買うかも。
はじめまして。あまりに読みの深いコメントだったんでおじゃまさせていただきました。
...「カットしてよかったのかも...」と「まずかったんじゃないの?」のところは俺も非常に感じたところでした。正直、俺は複数回みて感じたところを初見で導き出すあたり...よく考えてみてるんだなぁって驚きました。
でも...「つじつま」があわなくなってくるけど原作の大事なところは大事に創った映画でしたよね。ラストシーンは完全オリジナルらしいんですがすばらしいしめくくりだったと思います。
...まとまりの無い文章になってしまいました。
すばらしいコメントありがとうございました。
乱筆乱文失礼しました。