「思いのほか展開が早い」レディ・バード kkmxさんの映画レビュー(感想・評価)
思いのほか展開が早い
期待していたほどはハマりませんでした。
『ワンダー』と同じく、物語は好きですが、展開が早くて構成が好みではなかった、というのが大きいです。
後半はさほど気になりませんでしたが、前半はかなり駆け足感が強かった印象を受けています。
思春期の一年を描いているので、1時間半程度の長さだと、サブのエピソードが描ききれないのでは、と思います。メインの母娘葛藤とダニーの話は短いながらも見事に描いていたとは思いますが、他のエピソードはやや淡白で物足りない。カイルとか、父親の話がチラっと出てきてもスルーなので気になります。
母娘はかなり似た者同士ですね。故にぶつかり合うのだろうなぁ、と感じています。
父親が、「Strength personality」と言ってましたが、まさにそんな感じですね。特に、母親の突っ張り具合とツンデレ具合はなかなか強烈で、ちょっぴりキュンと来ました。
シアーシャ・ローナン演じるレディバードは、そこまで痛いとは感じませんでした。自分でレディバードと言っちゃうのは痛いですが、他の部分は真っ当な思春期女子だったと思います。彼女はボーイフレンドを作れる社交性があるため、そこまでこじらせてるようには思えなかったです。
また、日米の文化差を感じさせる描写も印象に残ります。スクールカースト上位と思われる女子と新たに友だちになることは、日本ではあまりないのではないでしょうか。
父親とバードの親友・ジュリーが魅力ありました。お父さんはデリカシーがあって優しいタイプなので、経営とかは向いてないよなー、なんて思います。対人援助や教育系の仕事ならばうまくいっていたかも。
兄とそのパートナーがやや空気っぽかったのが残念です。特にパートナーとバードのつながりがもう少し描かれていたら、とも思います。
シアーシャ・ローナン、すごい女優だなぁと感じます。正直、ルックスはシラーっとしていて苦手なので「今回もシアーシャか〜テンション上がらねぇ〜」と毎回思うのですが、いざ作品を観るとグッと惹かれます。
ティモシー・シャラメは偉い美少年で、海外の俳優ではあまり感じたことのないジャニーズ感を覚えました。