「芸達者が出演するものの、ストーリーが絶望的につまらない。」ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書 お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)
芸達者が出演するものの、ストーリーが絶望的につまらない。
最初にニューヨークタイムズが特ダネとして掲載した記事を大統領が差し止めたので、次にワシントンポストが社運を賭けて、二番煎じのネタを掲載しましたよ、というお話です。
もちろん大部分は事実なのだろうと思いますが、われわれ日本人にとっては、それが何、としか言えません。
この映画の最大の欠陥は何か。
実際に、ペンタゴンの極秘書類を数千枚もコピーし、外部に持ち出すことを決意した人間がいたわけです。
当時のコピー機は時間も掛かるし手間も掛かる。セキュリティだって厳しい。
にもかかわらず、莫大な労力を費やし、リスクを冒してまで、そのことをやってのけた人がいたわけです。
なぜ?
どういう人?
どういう気持ちで?
映画なら、そこを描かねば。
ナッシング!
その部分、そのドラマ、その人間像が、ほぼ無視されているのですよ。
もちろん、持ち出すシーンやコピーを取るシーンも部分的に出てくるけど、まったく説得力を欠いています。
この映画は、提供を受けた極秘文書(しかも二番煎じ)を掲載するかどうかという、社主や主幹の苦悩を描いているだけです。
だからこそ、思うのです。
「だから何なんだよ」と。
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