タクシー運転手 約束は海を越えてのレビュー・感想・評価
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感動のエンタメ作品と劇場の心意気にどちらも心が震えました♪
4月の初旬からコロナによる緊急事態宣言が出て、全国の映画館は軒並み休館に追い込まれ、映画館で映画を観る事が出来ない日々が続きました。
4月は休館前にギリギリ1本観賞しましたが、5月はゼロ。
今年は映画館での観賞100本を目標にしていたので目標達成はかなり難しくなりましたが、まさかこんな事になろうとは誰も思っていなかった訳で、もっと映画に携わっている方々は切実な思いをされていたと思います。
とりあえず6月に入って、都内もステップ2から映画館が順次再開され、久し振りの映画館での映画観賞を楽しみにしていた中で何を観ようかいろいろ調べていましたが、とりあえず新作の公開はいろいろと上映のタイミングを見計らっている感じで新作上映が少ない中で過去の名作上映を行っている映画館が多いので、実はまだ観たことの無かったこの作品がシネマート新宿で限定公開されると知り、足を運んだ訳ですが、なんと!無料上映をやっているとの事でタダで観賞する事が出来ました。
映画館が再開された記念と今までお待たせしたお詫び的な事も含めての限定の無料上映との事だそうですが、この約2ヶ月は誰も辛かったけど、映画館関係の方々はいつ閉館になるかどうかのギリギリの瀬戸際だったと思うだけに、頭が下がると言うか、もう申し訳ない思いで一杯です。
どうやってお返ししたら良いか分かりませんが、目一杯劇場に足を運んで映画を観賞する事が映画館へのせめてもの恩返しなら、目一杯劇場に足を運んで映画を観まくりたいと思います。
改めて、有難うございます。シネマート新宿さま♪
さて、この「タクシー運転手 約束は海を越えて」は前から観たかった作品で何故かリアルタイムでの公開時に琴線に引っ掛からなかったのが不思議な感じで作品の感想も軒並み高評価なだけに期待には上がっていたんですが、どうしても映画館での観賞をしたかっただけにまさかのこのタイミングで観れるのはもの凄く嬉しくてラッキーで幸せ♪
とにかくポスターのソン・ガンホの笑顔にやられますよね。
で、感想はと言うと、素晴らしい作品です。
とても重い事件を緩急硬軟織り混ぜながら魅せてくれます。
ヒューマンドラマであり、異文化交流のロードムービーで80年代のソウルや光州の風景が何処か懐かしい感じでノスタルジックにも感じさせてくれる。
マンソプのタクシーも「いすゞクーペ」みたいなオールドタイプな感じも良い。
※実際には「キア・ブリザ」と言う車種らしく、「マツダ・ファミリア」のノックダウン生産モデルとの事だそうです。
BGMも心地好くて、オープニングから"これは良い映画が始まる"と言うワクワクする気持ちにさせてくれます。
この辺りは「グリーンブック」に似てる感じですね。
前半はソン・ガンホ演じるマンソプのC調的な弛い感じで進んでいきますが、光州に入って辺りからの中盤からは軍と民衆デモとの争いからエンジンが掛かり、後半は畳み掛ける様に展開していく。
もう軍の鎮圧がこれでもかと言わんばかりに武力で制圧していく様が圧倒的な暴力の恐ろしさを見せつけてくる。
韓国では大きな事件となる光州事件もいろんな政治的な動きから現在に至るまで解明には至ってないとの事ですが、現在の日本では考えられないくらいの悲惨さに眼を背けたくなります。
現在アメリカで発生している警察の黒人男性への死亡事件に伴う抗議デモの事などを思うと、決して他人事としても考えなれない気持ちになりますし、何処か平和ボケをしているかと思うと、現場で軍隊の行為を目にする迄のマンソプの気持ちは我々の代弁でもあるかと思います。
そう言った悲惨なシーンと対比するかの様に光州の同じタクシー仲間のファンの家でのつかの間の交流に心がほっこりし、大学生のジェシクの身体を張った行動に胸が痛くなります。
終盤からは畳み掛ける様にこれでもかと怒涛の逃亡劇を繰り広げますが空港のピーターの国外脱出もハラハラしっぱなし。
ピーターが日本行きの便を早めた事で上手く脱出出来ましたが、もし出来てなかったとしたら…考えるだけで怖いですね。
そこがちょっとあっさりと流されてるのは勿体ないかな。
史実を元に構成された物語との事で多少の盛り上がりを踏まえた演出的な物があるにしても、1級のエンターテイメント作品として成立しています。
素晴らしいのはマンソプ役のソン・ガンホとピーター役のトーマス・クレッチマン。
ソン・ガンホの緩急な演技で必要以上に固苦しくならず、それでいて胸にキリキリと迫ります。
1人の娘の父親であり、1人の人間としての葛藤と勇気がグッと来ます。
トーマス・クレッチマン演じるピーターも良いんですよね。
ラスト辺りからのマンソプとの友情には胸熱になります。
ラストで互いに歳を取った2人。
偽名を使っての連絡先からマンソプと連絡が取れないが、マンソプとの再会を熱望するピーター。
タクシー運転手としてピーターの行為に感謝しつつもピーターと会わなくても心が通じている事に感謝するマンソプ。
個人的には2人の出会いを期待してたりしてましたが、このラストの方が切なくて、夜のソウルの街をマンソプのタクシーが俯瞰で走っていく様を撮す映像に涙がグッと来ます。
良い終わり方ですよね。
日本では報道の倫理について度々討論される事が多く、行き過ぎた報道にうんざりし、その都度かざされる報道と表現の自由と言う言葉がもの凄く安っぽく感じる事があります。
もちろん大事な物で大事な事と認識してますが、本来の報道の在り方が見えなくなると言うか、見えない感じなんですよね。
ピーターの勇気ある行動で明るみになった事件ですが、それを支えたマンソプ達の尊い犠牲と勇気も忘れてはいけないし、そこに心打たれます。
韓国と言う国と日本の関わり方は文化の違い等もあり、いろんな部分で難しい所がありますが、それでも韓国映画はどれも非常にレベルの高い作品が多いですよね。
予告編を観ていても"うわっ!面白そう♪"と思う作品がてんこ盛りです。
とにかく、待望の作品を映画館で観れた事に大満足です。
ここ数年で約2ヶ月近く映画館で映画観賞をしないのは結構マレで改めて思ったのは自分にとって映画館での映画観賞はただ映画を観るだけでなく、映画を観る前後と映画館で映画を観る行為自体が映画を体感すると言う事なんですよね。
体感する訳ですから、映画観賞ならぬ「映画感賞」と言う感じですかね。
自宅でDVDやネットで映画を観るのとは一味も二味も違った映画を映画館で観ると言う特別な行為。
これからも映画館で映画を観れる事がとても幸せで平和の恩恵と言う事を忘れずにいきたいと思います。
今更ながらではありますが、文句無しの作品です。
時折、いろんな劇場でアンコール上映をしているみたいなので、タイミングが合えば是非映画館で♪
現在の香港の苦しみに重なって見えた。
国民を守るべき軍隊が、容赦無く若い学生達や
一般市民に銃口を向け、次々と血に染まり倒れていく。
統制下に置かれる不安と恐怖。香港の若者達の
ニュース映像と重なって見えた。
ソン・ガンホによるおかしみのある演技や、
互いに助け合う韓国の人々の優しい姿に救われた。
色々な事を感じ、考えさせられる作品。
NHK BSを鑑賞
完成度が高すぎて勝負にならない
歴史は繰り返す
としたら
今アメリカで黒人に対する警察官の対応問題で
起きている暴動は
まさにこれに似ていると思う
このクオリティを見せつけられたら
手も足も出ない
時代背景すらこんなに器用に使われては何にも言えなくなる
料理人がどんな食材でも
靴を履かせるシーンで写真を撮れとドイツ人に言ったシーンは自分の中でもマスターピースになる
これは今映画館で再映されたとしたら社会現象にすらなり得る
今リアルで観ていられる
銃弾が恐いのではない
銃弾を撃つ悪魔が恐い
この銃殺されていくシーンは
負の歴史的財産にすらなる
一発の弾が恐いのではない
人の価値に一発も撃つから恐いのだ
40年前の韓国を我々は笑えない。
1980年、韓国南西部の光州市で起こった光州事件。学生や市民のデモ隊と、デモの鎮圧に向かった韓国軍部隊が衝突して150人以上が亡くなったという。
映画で描かれるのは軍による市民、学生への一方的な暴力である。
警棒、銃、催涙弾。軍と丸腰の市民が向き合えばどちらが勝つかは言うまでもない。現場の兵隊たちは自らの正義を疑わず、一人の市民に複数の兵隊が暴行を加える。戦いではなく虐待である。
しかし、兵隊たちが直接の加害者であったとしても、真の加害者は、正確な情報を公表しない軍事政府と、政府の発表を鵜呑みにして垂れ流すマスコミであろう。
国民に正直な政府と正確な報道をするマスコミが、健全な民主主義には必須である。40年前の韓国を我々は笑えない。
素晴らしい映画だと思う。ガンホさんのファンになりました
シネマコレクション
【タクシー運転手 約束は海を越えて】
1980年の光州事件。韓国の民主化デモを軍が力で鎮圧したこの悲惨な事件、恥ずかしながら知りませんでした。丸腰の市民を撃ち殺し、私服軍人が怪しいとみた人物は拷問にかける。
実はこの春に娘が卒論で韓国の民主化運動をテーマにしていたので読ませてもらい、それでこの事件について初めて知りました。
そしてこのタイミングでこの映画にめぐり合ったのですが、素晴らしい作品ですね。
ソン・ガンホさんは韓国の名優らしいですが、さすがの演技と魅力と存在感。ファンになりました。
実はあまり韓国映画は好きではないのですが、これだけは特別。
目を背けたくなるシーンもあるけど、実話ものはまずまっすぐに受けとめなれけばと…
中国の天安門事件しかり、この前の香港の事件もしかり。そして昔の日本だってありました。
人々の熱い思いが人を突き動かし、時には大きな歴史のうねりとなる。
そして、悲しい犠牲も・・・
命がけで取材に来たドイツ人記者をたまたま成り行きで光州まで乗せた貧乏なタクシー運転手。
これはこの2人のバディムービーでもあります。
いったんソウルに戻れたのに、わざわざ光州に戻る気持ち、痛いほどわかるけど、なかなかできることではない。
主人公の屈託のない笑顔と人柄、そして光州の田舎の人たちのたくましさとあたたかさ。心に沁みました。
年いってから2人が平和な韓国で再会できたら良かったのにと思いますが、シャイな主人公らしいですよね。
ソン・ガンホ
何やらしても上手いですね
重たい話やのにエンターテインメントしてる。
(最後の見逃した兵士が気になった)
自分が運転手やったら…て考えた。
(命の危険がある時 行動起こす勇気が)
知らない事 勉強なりました。
皆さんのレビュー読んで更に勉強なりました。
二人で伝えた真実と、友情
光州事件を世界に伝えたドイツ人記者と、彼を現場に送り届けた韓国人タクシー運転手。
実話がベース。
本国韓国で大ヒットしたのも納得、これは良かった!
今年の韓国映画BEST作!
まず、光州事件について知っておかないといけない。
1980年5月、韓国・光州市。
クーデターにより軍が実権を掌握。(粛軍クーデター)
それに対し、市民が抵抗した民主化デモ。
死傷者は多数。
韓国では歴史的事件で、度々映画の題材にもなっている。
これまで見た光州事件を扱った作品は歴史/政治的視点で、正直ほとんどちんぷんかんぷんだったが、本作は一庶民の視点で描かれ、非常に見易い。初めてと言っていいくらい光州事件について分かったほど。
主人公は、ソウルのタクシー運転手、マンソプ。
まだ幼い娘と二人暮らしの男やもめ。家賃は滞納。
典型的な貧しい一庶民。
最近ソウルでも多いデモにも無関心。
「全く近頃の若者ときたら、デモする為に大学に入ったのか?」
ましてや、光州で何が起きてるかなんてまるで知らない。
日本で言えば、身近で学生運動が起きていながらも、それについて全く知らないようなもの(…かな?)。
しかし、それも無理はない。何故なら…。
ある時マンソプは、外国人を光州まで送り届ければ大金を貰えるという話を耳にし、ちゃっかりその客を横取り。
その外国人ピーターを乗せ、いざ光州へ。
こんな楽な仕事で大金貰え、何て美味しい!
…でも、何かおかしい。
光州へ入る道至る所に軍人が立ち、入る事が出来ない。
ピーターとひと芝居打ち、やっと光州市内へ。
そこで、見たものは…
軍による市民への圧政。
ソウルなどに知れ渡っている報道とはまるで違う。
暴徒と化した反社会的の市民たちを軍が抑え、軍に死傷者が出ているのではなかったのか…?
実際は、その逆。
圧政を強いる軍に対し市民が立ち向かい、抵抗し、市民の方にこそ多くの死傷者が出ている。
一体ここで、何が起きているんだ…?
軍による市民への暴虐が戦慄。
立ち向かってくる市民に対し、容赦ない暴力。
銃をも向け、射殺。
本来軍人というのは、市民を守るもの。
そんな軍人が、市民を殺戮している。
報道も規制され、その真実が知れ渡らない所か、歪曲されている。
こんなゾッとする光景が、ほんの30数年前、お隣の国で起きていた…。
作品はただ重苦しい社会派ドラマではなく、ユーモアとペーソスもたっぷり。
マンソプとピーターが光州で出会った学生とタクシー運転手。そのタクシー運転手の家で過ごした一夜は、人情劇。
突然、銃声が。表へ出ると、軍の暴虐が続いている。
平凡な日常のすぐ隣に、非日常的な戦慄の光景が。
その現場へ。軍人に学生が捕まり、絶体絶命の状況に。
ほんの数時間前までは、こんな生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされるとは思わなかった。
ユーモアとペーソス、シリアスな人間ドラマとサスペンスの織り交ぜが絶妙。
何の抵抗も無く作品の中に引き込まれ、見入ってしまう。
ソン・ガンホが言うまでもなく、名演!
この人間味たっぷりの役柄は、彼の真骨頂!
光州事件の真実は世界に知れ渡る事になったが、ソン・ガンホという名優ももっと世界に知れ渡って欲しい。(日本じゃ映画ファンの間では知らない人は居ないが、果たしてハリウッドでは何人がこの名優を知っている…?)
彼が演じたマンソプの役回りがまたいい!
最初はただの金目当て。
こんな危険な仕事だと知ってたら、引き受けてなかった。(いや、正確に言えば、横取りしてなかった、か…)
さっさと金を貰って、こんな危険な所とはおさらば。娘も待っている。
が…
ひと度この惨状を目の当たりにし、命懸けで抗う人々と知り合い、自分だけ逃げる…?
自分は光州市民じゃない。
娘にも早く会いたい。
でも…
畜生、自分だけ逃げるなんて出来やしない!
今ここで何が起きているか。
その為に犠牲になった人々…。
この事を、伝えなければいけない。ソウルに、韓国中に、世界中に。
そしてタクシー運転手としても、お客さんを送り届けなければならない。
無関心だった主人公に使命感が目覚めていく様は、胸熱くさせる。
ピーターとの国籍を越えた友情も感動的。
ピーターは英語しか話せず、マンソプは英語は片言。
だから最初は、どうもぎこちない。
しかし、一緒にこの惨状を行動する内に…、いちいち言う必要も無いだろう。
それは是非、見て欲しい。
ちょいと最後に触れるが、エンディングの2015年のピーター本人の映像と、二人が再会出来たか否かは、目頭熱くならない訳がないではないか!
光州市内での学生やタクシー運転手との出会いも。
ピーターとの通訳をしてくれた学生。彼はデモに参加しており、最後は…。
マンソプとピーターを逃がす為に、カー・アクションまで繰り広げてくれたタクシー運転手たち。彼らもまた…。
悪政や真実のねじ曲げがずっと続く訳がない。
真実は、必ず伝えられる。そう信じている。
その為に戦った人々、犠牲になった人々。彼らの為にも。
そして真実を伝え、協力してくれた人。
ひょっとしたら、もう二度と会えない事は薄々感じていたかもしれない。
でも、あなたが居たからこそ、この真実を伝える事が出来た。
あなたに会いたい。
それは二人共、同じ気持ちだろう。
再会する事は叶わなかった。
しかし、二人の出会い、二人で伝えた真実、友情は、国も時を越えてーーー。
追記
Wikipediaによると、マンソプは劇中の最後で彼が偽名として使ったキム・サボクというタクシー運転手がモデル。
サボクは光州事件の4年後にガンで死去。
その事は、本作が韓国で公開されてから、息子が名乗り出て明かしたという。
それを知ると、エンディングのピーター本人の映像がまた…(ToT)
色々教えてくれる映画
タクシー運転手の主人公は男手一つで娘を育てているとは言え、それほど誠実なタイプでもなく、滞納した家賃を払うために他人の仕事を取る。それが実はドイツ人ジャーナリストをソウルから光州へ送る仕事で、ジャーナリストにも彼のデタラメな性格をすぐに見抜かれてしまう。
目的地の光州は学生を中心にクーデターか起こり軍や警察が市民を弾圧していて、ジャーナリストはそれを取材するために危険を知りながら来たのだった。
「デモなどせずに勉強に励め」と学生をたしなめていた主人公も、普通の大学生や市民が軍部に次々と銃を向けられるのを黙って見てはいられなくなる。
ジャーナリストから任務をとかれ、主人公が光州を離れて入った食堂で事実と全く違う軍部寄りの報道を耳と目にし、このままには出来ないと光州に舞い戻る。そんな主人公を見て、最初は彼を信用できなかったジャーナリストも、徐々に信頼するようになり、共に光州の人達を助けなければ、という気持ちになる。
光州の人達がジャーナリストに、この状況を世界に伝えてくれ、と託す気持ちに観客も共感、ジャーナリストの有り難みと、その重要な意義を感じる。
途中、某シリーズ映画を連想させる(観てないけど)ようなカーチェイスがあったり、韓国映画らしいエンターテイメント性も忘れず、ソン・ガンホが生むコミカルな要素もある。
ラスト、ジャーナリストがこんなにも一生懸命にタクシー運転手を探しているのに終に名乗り出なかったのは何故か、と考えてしまう。
ジャーナリストが危険地帯に行って起こったことは自己責任だと言い放つ人達に、是非一度観て頂きたい。
心が震えた
めちゃくちゃ良かったです。心が震えました。光州事件を初めて知りました。社会派メッセージを中心に描きながらエンターテイメントに優れていて笑いあり、泣けました。軍が市民たちにひどい暴行を加えているシーンはまるでドキュメンタリーを見ているかのようです。
韓国って、、、
韓国に旅行したときに、見知らぬ人々から受けた親切が甦る。韓国の人ってほんとに損得なしに親切で、よくも悪くも感情の吐露が激しくて、同じような顔をした我々日本人とはずいぶん違うなと、知れば知るほど不思議な気持ちになる。
この国は大国に挟まれだいたいいつの歴史を見ても戦っている。だからなのか、市井の人々は耐えることも知っているし、時には無謀な戦いにもあえてでる。そんなことがたった一本の映画からはわかるはずもないのだが、俳優の演技が自然で、この映画での出来事すべてが事実に思える。いい映画だった。
でも色々思い出すにつれて、この国で女性として生きていくのは本当に心根がよくて、堪え性があって、主義主張にいきる男性を支えなくてはいけないなーと暗澹たる気持ちになったことも甦る。だからといって他の国、ましてや我が国がそうではないわけではないのだけど、、、、
タクシー仲間達が良い奴過ぎる‼︎
特にファンが‼︎
ソンガンホがご機嫌で歌いながら運転してる
平和なシーンから始まり
お金目当てに記者を乗せてから
あれ?何かおかしい?
何が起こってる⁇
それからラストまで
緊迫感半端ない
迫力ありました。
検問所で見逃してもらえたり
仲間の命がけの助け(里見八犬伝ばり)があったにしても
よく無事に帰れたなと...
世界に真実が報じられて
沢山過ぎる犠牲が
少しは救われたのかな...
光州でこんな惨い事が起こってたなんて
この映画を見て初めて知りました。
この🎥映画は本当お薦めです。
自分も先月中旬に渋谷アップリンクで観てきました。
最初はコメディタッチで始まり、段々と阿鼻叫喚の地獄絵、そして最後に出てきたドイツの記者のメッセージ、本当に人として何が出来るのか考えさせられました。
世界中では毎日、格差、高齢化、環境、平和問題が深刻化してかつ、2020年問題等山積しています。
この映画も世界中で起きている上記問題をテーマにしています。
また観に行きます。
「チュンソン!」
『忠誠!』の韓国語発音。軍人が敬礼時に言う掛け声としても使われていて、作品中も何度も台詞がある。
時は1980年5月、日本だと自動車生産台数が世界一になった年代だそうだ。自分は小学生。まだまだ世界で何が起こっていたかなど知る由もなく、毎日のように近くの公園で、ゴムボール野球や、自転車レース、そして、淡い恋心に胸を焦がしつつ、しかしそれとは別に性的衝動に戸惑っていた時代である。海の向こうではそんな時期に、大変な事件が起きていたことを、勿論歴史としては知識にあったのだが、それをこうして作品で鑑賞したことは大変有意義であった。国を守るべき国軍が、その国民をジェノサイドに陥れる。悪夢のような世界を、しかしこれは現実として起こった事実である。その非業を、ジャーナリズムに燃える、しかし幾ばくかの功名心も抱く西洋人が、タクシー運転手と共に克明に記録し、世界へ配信するストーリー展開である。
映像のイメージ、作品の匂いは、きちんと80年代のそれを彷彿とさせる質感で、かなりノスタルジーを感じさせる。その中で、前半オフビート、後半サスペンスとエモーションを施した構成となっている。事実を元に再構成ということだが、演出がかなりの割合で混ざっていると予想されるのだが、しかしその純粋で真面目な作りは、好意を持って鑑賞できる。
ただ、もう少しコンパクトに纏めても良かったと思うのだが、韓流映画らしく、素材のてんこ盛りさはお国柄なのだろう。
幾つも感涙ポイントをまるで罠のように用意してあるあざとさは、しかし実直さ故、それ程不快には思えない。
ご都合主義的なシーンは、あまり強調させず、単純に『バディ』モノだと、再構築して観た方がいいかもしれない。
とてもよかった
軍が別に大して抵抗していない民衆に発砲し殺害するというとんでもない事件をこの映画で初めて知った。恐ろしい歴史があったものだ。
主人公がとても人間らしくて魅力的で、彼を蔑んでいたドイツ人が彼を認めていくところが素晴らしかった。本当に屋上にいればいいのにとか、戻るなよ〜と思った。オレならあんな危険には近づかない。
タクシー軍団がみんなで救出に当たる場面がすごくよかった。
主人公はなぜドイツ人に名前を偽ったのだろう。恥ずかしかったのだろうか。帰宅して娘に靴をあげる場面が見たかった。
あの兵士の物語も観たかった
たいへん観応えのある、骨太な映画でした。
恥ずかしながら、光州事件のことは名前くらいしか知りませんでした。こういう軍隊が一方的に市民を弾圧した事件は語り継がれるべきだなぁと感じます。
そういう意味では映画メデイアはうってつけですね。虐殺シーンは適度な演出を加えて説得力のあるものに仕上げており、まさにこれが映像の力、映画の力だな、と痛感しました。有無を言わせずむごたらしさと怒りを感じさせられますし、未来をこのようにしてはいけないな、と問題意識も想起させられます。
そんな実話ベースの社会派映画ですが、きっちりとエンタメであり、全体的にはポップでキャッチー。終盤には派手なカーチェイスが待っていたりと、かなりベタな展開です。シリアスさとベタさのバランスが良く、それが本作を特別な映画たらしめているのかな、と推察しています。
ただ、個人的にはそのキャッチーさがイマイチでした。なんか深みがないと言うか、直線的なんですよね。いい者と悪者みたいな対立軸で。「シェイプ・オブ・ウォーター」のストリックランドみたいな私服警官?みたいなヤツが悪役として登場するのですが、わかりやすい悪って感じでねぇ。掘り下げもないし。
そして一番気になったポイント。
本作の終盤、光州の州境を守る兵士が、主人公とドイツ人ジャーナリストを見逃します。そのシーンが本作で最も印象に残った一方、最も洗練されず浮いている演出にも思えたのです。
この行為はとても意味ある感動的なもので、弾圧する側においても、人間的な情緒があることを表現しています。自分の役割を超えて人のため、良き世界のために行動できるという勇気を示す素晴らしいものです。
が、それだけパワーのある行為なんだから、洗練された演出が欲しかった。しかも、その後のハリウッド風味のカーチェイスで見逃しが物語的に無意味になっていますし。
もし、弾圧する側であるその兵士の物語も並行して描かれていたら、たいへんな文芸大作になったと思います。物語も二極構造ではなくなり多重的になってよりリアルになりますし、終盤の彼の中で生じた転回が圧倒的な説得力を持って迫るでしょう。それこそ、「スリービルボード」のオレンジジュースのシーンのように。
なので、ガツンとくる佳作ですが、かゆいところには手が届かなかったなぁ、なんて感想です。いや、でも満足度は高いですよ。
韓国映画ははじめてなので、ソン・ガンホさんもはじめて見ましたが、ヤング毒蝮三太夫って感じで味がありますね。光州のタクシー運ちゃんのボスも味があった。韓国のおっちゃん俳優は顔がスゲーですね。汚い。それが、めちゃくちゃいい!K-Popアイドルの完璧すぎるルックスとの比較がスゴい。韓国は両極端なイメージがありましたが、本作を観る限りだと、その仮説は現在のとろこ支持されています。
コミカルさと残虐さの対比
冒頭、軽快な音楽で始まる主人公のタクシー運転手のコミカルな日常描写で、憎めない共感できる人物像が的確に描かれ、そんな主人公の視点で段々と光州事件の惨状を知ってゆく、秀逸な語り口に引き込まれました。
やはり、主人公のソン・ガンホの演技が素晴らしく、その辺にいそうな普通のオッサン感が絶妙です。
残虐な事件に直面しうろたえ苦悩するその姿に感情移入せずにはいられません。
事件を知らないよそ者という主人公の立場も観客と共通しているので、入り込み易くなっていると思います。
事件に直面した庶民の人間ドラマ、戒厳令下の街で軍の監視を逃れ取材してゆくサスペンスと、適度に娯楽性もあり、物語として上手く構成されていると思います。
コミカルでささやかな庶民の日常描写との対比により、弾圧の残虐さも強く伝わります。
軍人に追われるサスペンスフルな場面など娯楽性を意識しているかなと思いますが、主人公達を助けてくれる青年、タクシー運転手仲間の姿には、やはり目頭が熱くなってしまいます。
光州事件については全く知らなかったので一応概要を調べてから観ましたが、知らずとも差し支えはなかったかと思います。
事件についての記事で、タクシー運転手の素性が謎となっており工作員説もあると知りましたが、映画ではそういう繋げ方か、と。
娯楽性を交えながら、深刻な歴史的事件について伝える、優れた社会派作品だと思います。
忠誠!
ひょうきんで単純な主人公に序盤はかなり笑わせられる。
記者をタクシーに乗せるきっかけも要は横取りだし割と自己中的な性格なんだけどなんだか憎めないキャラである。
平和な前置きから光州に入ってからは一気に雰囲気が変わる。
理不尽なんて言葉では温いほどの暴力が飛び交う凄惨な光景の尋常じゃない緊張感と、何も出来ないもどかしさ。
ついさっきまで歌って笑っていたのに突然日常が崩壊し、優しい人間がどんどん傷付けられ死んでいく恐怖。
世界に事実を伝える、というただ一つの希望にかける全員の思いの強さに胸が熱くなり、本気で応援してしまう。
デモなんて、と楽観的だった主人公の「知ってしまった」という表情が印象的。引き戻るシーンは本当に熱かった。
途中急に湧いて出てきたタクシー隊には驚きだったけど、一台一台とフェードアウトしていく毎に涙が止まらなかった。
ハッとさせられたのが、検問の軍人の一人がわざと此方を見逃したこと。
軍隊イコール敵、という目で観ていたけれど、政府の思想・方針に必ずしも全員賛成ではないということをふと思い出した。
事実に基づいた話、ということだったけど、いくつものドラマを組み入れて映画的に作られていたのが良かった。
それでも最後は結局会えないままだったのね…と非常に複雑な気持ちになるけれど。
目で見る事が事実なんだなあ!
1980年って言えば、この作品の学生さんと僕同い年だ!
海の向こうでこんな事件になってるなんて!
軍隊って自国民を守ることが仕事なんじゃないの?
観ていて、背中が恐ろしくなってきた!
言葉が解らない2人と通訳に乗った学生さんのやり取りが笑えたのは前半。
後半になるとこの作品のテーマが出てきて
恐ろしい!
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