「映画の力」タクシー運転手 約束は海を越えて nobさんの映画レビュー(感想・評価)
映画の力
映画館を出ると、2018年の日本に簡単に帰る事ができた。たった今迄、1980年の韓国に居たのに…。
恥ずかしながら、私は自分が生きていた時代に最も近い国で起こった、"光州事件"を名前程度しか知らなかった。
この映画は登場人物と供に事件を体感できる。体感型映画なら何もこの作品に限ったものではないが、この映画の優れた点は主人公が巻き込まれ型である為に、感情移入が自然にできる処にある。導入部の山田洋二監督っぽい(?)"間"のユーモアも含め、全体の構成に無駄がない。
そして…ラスト近くの俯瞰ショットは見事としか言いようがない。
人とはとても愚かで、そして、いとおしい。このストレートなメッセージの、何と強烈なことか❗
この映画が今、日本で観られること自体が、"映画の力"であると思う。
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