劇場公開日 2019年3月23日

  • 予告編を見る

「☆☆☆★ 黒木和雄監督晩年の〝戦争三部作〟は歴史に残る名作で、まさ...」こどもしょくどう 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0☆☆☆★ 黒木和雄監督晩年の〝戦争三部作〟は歴史に残る名作で、まさ...

2019年5月5日
iPhoneアプリから投稿

☆☆☆★

黒木和雄監督晩年の〝戦争三部作〟は歴史に残る名作で、まさに《入魂》と呼ぶに相応しい作品だった。
しかし急逝されてしまい、いわゆる「黒木組」と言われた人達は(おそらく)散り散りになったのではなかろうか。
日向寺監督自体は、既に監督としてデビューしていたが。黒木監督に支持していた関係から、(人数は分からないが)そんなスタッフ達を次作の『火垂るの墓』にて起用している様だ。

かの黒澤明は言った。

「作品にはその人自身が色濃く出るんです!」…と。

実写版の『火垂るの墓』を観た時に、「本当にこの監督らしいなあ〜」と、思ったものでした。
黒木監督の『とべない沈黙』の追悼上映がフィルムセンターで催され、トークショーのゲストとして登壇した日向寺監督を見た時に。「本当にこの人が監督なのか?」と驚いたものです。
それまで抱いていた映画監督のイメージと全く違って居たからです。
何処かで映画監督には、自分自身が持つパワーで周りを巻き込んで行く(例えとして井筒監督の様な)人のイメージが自分の中には在ったから。
トークショーで見た日向寺監督は、その話し振りからとにかく生真面目な人だなあ〜…と。
実写版の『火垂るの墓』は、とかくアニメ版が余りにも名作過ぎてしまい。正直な話として成功作とはならなかった感じですが、今日と同じ岩波ホールでの鑑賞でしたが。トークショーの時に感じた、日向寺監督の生真面目さそのものがスクリーンから滲み出ていて。黒澤明の言葉を噛み締めたものです。

そんな生真面目さは、やはりこの『こどもしょくどう』でも。
最近のニュース番組等で、虐めや虐待の特集と共にこどもしょくどうを扱うケースをたまに見掛ける。そしてその殆どが、ボランティアにより賄われているとゆう事実。
真面目な題材だけに、足立紳による脚本は良く言えばオーソドックス。悪く言えば、極々普通で面白味に欠ける…と言えるかと。
ラストに少しだけファンタジックな要素は在ったものの、もうちょっと遊びの部分が少しでも有り、笑いの要素が在ったならば…と思わずにはいられなかった。

2019年3月27日 岩波ホール

コメントする
松井の天井直撃ホームラン