日日是好日のレビュー・感想・評価
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傑作
事実上樹木希林の遺作、
お茶の話でつまらない 思ったが、
なぜか次のシーンが気になる傑作、 黒木華の横顔も うなじも美しい、
樹木希林と黒木華、 多部未華子、 名女優が 次世代ヒロインたちへ送るメッセージ、 涙。
とても丁寧な映画(おてまえ)でした。
茶室の凛とした静寂さ、茶道の作法の美しさが、何気ないようで計算しつくされた構図や効果音で実感できる作品です。もちろん、樹木希林の佇まいも茶室の構図の中にピタリとはまっています。原作のメッセージを丁寧に映像化しているけど、逆に原作にない主人公の一人芝居のシーンや他のお弟子さんが茶室でひっくり返るシーンは、全体の調和を若干乱しているように感じました。
映画の神さまが舞い降りた奇跡の作品
アグレッシブかつインパクトのある作品を撮り続けてきた大森立嗣が「何故お茶の映画?」と危惧したが、成熟した彼の新たな高みを示す最高傑作となった。
1993年、二十歳の典子(黒木華)は同じ歳の従姉妹(多部未華子)とともに近所の武田のおばさん(樹木希林)の茶道教室で「お茶」を習い始める。
まずはタイトルバックでの「にちにちこれこうじつ」と読むのだという樹木の声のトーンに落涙。これが予兆となった。
序盤の所作を習う場面での三人のやり取りが絶妙で何度も吹き出した。覚えることだらけの所作を体が覚えるにつれ感性が研ぎ澄まされいく。「お茶」の心が我々の心にも染み込んでくる。
従姉妹の就職・結婚・出産、そして父親の死…2018年となった今もなお茶道教室に通う典子。
無常の世で今日という一日がどれほど愛おしく大切なものかを教えてくれる珠玉の名作。どれだけ涙が流れただろう。
心温まる映画
樹木希林さんの映画という事で観に行く。典子(黒木華)の大学時代にふとしたきっかけから通い始めた毎週土曜日のお茶教室 、24年間の生活の中でお茶の先生(樹木希林)との交わりが心温まる。世界を垣間見えじっくり楽しめた。
喪失感
こんな心にぽっかり穴が開いた気持ちになるとは思わなかった。
登場するたびに心が躍り、一挙手一投足を胸に刻んだ。
観ているだけで涙がにじみ、画面が霞んだ。
日本のわびさびをその身に凝縮したような抜群の存在感、
樹木希林さんのご冥福を心からお祈りしたい。
今回の映画もまた素晴らしかった。
黒木華も若手では抜群の演技力だと思うが、今回はさすがに見劣りした。
仕方あるまいとは思う。
来し方のバックグラウンドが違い過ぎる。
ストーリー自体は比較的平坦ながら、笑いあり涙あり。
茶の湯の世界を通して、日本人らしい生き方を問いかけてくれる。
個人的には、父娘のやり取りがじんわりと心に沁みた。
口数の少ない父の娘を想う気持ちがあふれ出ていて、涙せずにはいられなかった。
樹木さんの死という衝撃もあって、観客は中高年が圧倒的に多かった。
だが、もっと先の長い方々に観てもらいたい内容と感じた。
黒木華さんが可愛い
初めて黒木華さんのお芝居を見たのですがとても素敵でした。とにかく可愛らしい。樹木希林さんや茶道の世界に魅かれて鑑賞しに置きましたがとても良かったです。茶道って奥が深いんだなと思いました。とても素敵な作品でした。
とても静かな映画なのに私が行った回ではご老人のお客さんが多くてお喋りや持ち込み菓子の咀嚼音でけっこううるさかったので静かに見たい人は気を付けた方がいいと思います。
映画自体は良かったのですが環境が悪かったので改めて家でゆっくり観ようと思います。
母がいた
この映画の予告編を見た時、着物を着た希林さんの姿が余りにも母と似ていて驚いた。外観といい、その凛とした佇まいといい、まさに瓜二つだった。
私の母は和裁師をしていて、着物の着付けの先生で、お茶の師範だ。昔から洋画と、洋楽かぶれの私は、和が中心の母とは話が合わなかった。しかし歳を経て、ようやくその世界が少し分かった気がした。
本物を見なさいという、先生の台詞は、母がいつも語っていた言葉と同じで、とても重みがあった。
映画を観ている間、画面と現実が交差し、この作品を思い出すとき、母を想い出すだろう。
私にとっては特別な作品になった。
余韻に浸りたくなる。
静かに、考えさせられる映画。観終わった後しばらくじっとして余韻に浸りたくなります。一人で観に行ったのでそれが可能でした。シアターを出た後しばらくロビーでぼーっとして余韻を楽しみました。
世の中急激に変化してしまうけど、それに流されて大事なものを失ってはいけないと改めて思わされます。そして、日本人で良かったとしみじみ思う。茶道はやったことはないけど、和菓子を食べて抹茶を飲みたい。着物着て出かけたい。この素晴らしいしきたりが悠久に続きますように。
いつものように飲み物と食べ物を買って入ったけど、飲み食いしながら食べるのは気が引けた。(静かに食べるように気を遣わねばならなかった。)
樹木希林さん、さすがです
ガンによるかなりの痛みと闘いながらの撮影だっただろう。この映画を観る直前には「あん」をDVDで観たが、演技幅の広さに改めて驚いた。日本映画界は本当に惜しい人を亡くしたと思う。
光の移ろい
茶室の見学などをしてみても、よくわからない、お茶の世界を垣間見れました。
様々な道具の取り合わせや、相手・状況などでどういう選択をするか、奥の深い世界なんだろうなぁと想像できて楽しめました。
特に感心したのは光の表現で、季節や時刻、天気によって様々な空間が茶室に現れる様が、とても良かったです。
終わりよければ
とても気持ちのいい味わい深い作品だった。何を言えばこの作品から得られた物を言葉に出来るのか考えながら帰宅したが未だに纏まらないほどに満たされている感覚がありますが、端的に言えば「心健やかにあるための指南書」ではないかと感じました。
節句すらも忙しさからわからなくなる昨今、二十四節気と言われてもピンと来ない方は多いと思いますが、自然に寄り添ってきた日本人の知恵は時を重ね忘れ去られようとしても、すんなり腑に落ちる感覚があるのが、自分も日本人なんだなと思えた瞬間でした。霜降となり朝晩の寒さを感じますが、寒さにまけず二度とない今日を良き日で終われる事に感謝し、明日も良き日で終われる様に努力する。そういう事を思い出させて貰えた、そんな作品だったのでは無いかと思います。
最後に、和菓子素敵でした。
静かな映画
とても静かな映画でした。
こんな映画を観たのは初めてかもしれません。
物語では時が淡々と流れひとりの女性が成長してゆく。そこには茶道がありました。
茶室の中で耳にするのはお茶を点てるときの音、時が移ろってゆくなかで、日本の自然が季節ごとにつくる雨や風の音、そんな音たちが茶室で奏でられます。そしてひとのこころにやすらぎと、心地よさ与えてくれる。茶道には日常で体験できないとても安らかな時間があるんだなと感じました。
すこし映画から離れてしまいますが、千利休から始るお茶の歴史その中であの荒々しかった戦国武将達も同じ体験をしていたのだろうか?ふと思いをはせました。戦(いくさ)の荒々しさの中茶道の静寂は彼らにとってきっと、精神を休める心のよりどころだったのかも知れないと思いました。
さて映画に戻りましょう樹木希林さんの遺作となったこの作品。
彼女が与えてくれた静かな感動は、彼女が死と向かい合った一人の人間だったことと無縁ではないと思うのです。老いは人間にとってさけられないそんな中「一期一会」そして「日日是好日」を実践されていたと思うのは私だけではないと思います。
そんな茶道の先生役の希林さんに茶道を習うのが黒木華さんと多部未華子さん。(お二人とも私の好きな女優さんです)ふたりはこの物語で対照的な役どころ。彼女たちにはそれぞれの歩んでゆく道があり、それぞれの茶道への関わりがありました。そして時は淡々と二人の人生をすすめてゆき二人とも、それぞれの「一期一会」と「日日是好日」を実感する事になります。物語を観ている方にはそんな日常が伝わるのはないでしょうか?そして自分にもあるのでは・・・
華さんをやさしく見守るのはお父さん役の鶴見慎吾さん。
彼は亡くなる前に、一人暮らしを始めた華さんに会おうと彼女に電話をかけるのですが大事な用事が入っていると断られてしまいます。これも「一期一会」、華さんに大きな悲しみをつくってしまいます。
どうすることもできない別れ、これも私達の周りに必ず起こることです。自分に縁のある親しい人たちには合える時に会おうと思いました。
最後にこの映画の本当の主役は人間というよりもむしろ、茶道に関わるお茶室といろいろな茶道具そして「茶道」そのものではと思いました。そこには日本(日本人)の凛とした至誠や自然を感じ取る感性あるんだと感じました。
本当に優しい映画でした。観て良かったです。
「一期一会」「日日是好日」を大切に。
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