「たいへんよろしゅうございました」日日是好日 CBさんの映画レビュー(感想・評価)
たいへんよろしゅうございました
自分は、飲む方だけですが、お茶に関心を持っています。NHKで学ぶ程度ですが、飲む時の作法も知るように努め、扇子と懐紙と黒文字は常時持っていられるようにする程度に好きです。
この映画に関する評価は そんな自分がしたものなので、万人に通用するとは思いません。
とはいえ、たいへんよかったと思います。
少なくとも、自分が道端でのお茶会で感じる楽しさや喜びが散りばめられています。
さらに 梅雨と秋雨の音が違うこと、お湯と水の音が違うこと、自分が気づかずにいたそれらのことも教えてもらった。これは、映画にした最大の価値だったのでは。
とは言え、何も起こらない毎日の繰り返しなので、ゆったりした気持ちで観ることをお勧めします。
落ち着いた撮影、自然の映し方、映画の本筋を損ねない最低限度のストーリー性とエンタメ性に抑えきった脚本、ありがとうございましたという感謝の気持ちです。
配役は、最高だと思う。黒木さんの凄さは知っているつもりでいたがまだまだ侮っていた。多部さんは、黒木さんとの対比になるため 必然的に活発な役となり、自分はとても楽しく観られた。こういう多部さんが見たかった!
初めてお茶会へ行った時には、そのあまりの「何をやったらよいかわからん」感じに途方に暮れ、戦国時代の荒くれ武士が、褒賞の一部としてお茶会に招かれたらこんな感じになるのだろうなあ」と思ったのが、つい昨日のことのようです。
お茶を知りたくなり、そこから二十四節気を、陶器を、禅の言葉を知りたくなっていくという道は、この四季の国に生まれた価値を知る手取り早い道だなあと思う次第です。そういう自分は二十四節気くらいしかまだわかってないのですが。
いや、映画の中で先生が言っていました。「考えるんじゃなくて、やってみるの。繰り返しやれば、身体が動いてくれるから。」
さっきのようにダラダラ語る自分は、やっぱりお茶の道から遠くにいるのでしょう。でも、好きだから、これからも飲む方だけ、やり続けます。
私も子供の頃お茶を頂いた事があるのですが、恥ずかしながら"お菓子が美味しかった"という記憶で止まってしまっていました。なので、お茶を続けられ、二十四節気や禅等を学ばれようとするCBさんに大変敬服いたします。
あっ、そうそう、
祖母がお茶をやっていました。茶筅でシャカシャカ 涼しげな渓流のような音を茶室に満たし、一瞬の間。無音のあとに「コトン・・」と茶筅の柄を茶碗の縁にそっと落とす。
これを二回やるのですよ。
「ししおどし」の音ですね。
あれはオリジナルなのか、何かの流儀なのか、僕は確かめることもせず祖母は亡くなりましたが。
今もあの静かな茶筅とお湯の音は僕の心を浄めてくれます。
こんにちはCBさん
「ルームロンダリング」関係ではコメントありがとうございました、嬉しかったです。
映画を観たあと、密かにファンになっているレビュアーさんの感想を読む。これがとっても楽しい今日この頃なんです♪
また素敵なレビューよろしくお願いします。