「慌ただしい日々にこそ感じたい静寂の時」日日是好日 とえさんの映画レビュー(感想・評価)
慌ただしい日々にこそ感じたい静寂の時
樹木希林さんをしっかりと目に焼き付けるために行ってきたけれど
とても心が洗われて帰ってきた
素敵な映画だった
主人公の典子(黒木華)が、大学4年生の時、就職先も決まらずにいたところ、母親のススメでいとこの美智子(多部未華子)と一緒に、武田先生(樹木希林)の茶道教室に通い始める
全く知識のない典子が茶道を習い始めるのを観て、茶道経験のない私も武田先生に教えられる気分で観ていた
そして
「茶道ってゆとりだなぁ」と思った
お茶を立てて飲むまでの間に、様々な作法があって、その一つ一つにゆっくりと時間をかけて、お客様にお茶を出し
お客様はそれを最後の一滴まで
じっくりと時間をかけていただく
その間、水の音や、鳥の声を聞き、窓の外の景色を見ながら季節を感じて、今日という良き日に感謝する
それは、ヨガの瞑想にとても似ていて
じっくりとお茶を立てる時間は、心に「ゆとり」をもたらすんじゃないかと思った
ご飯を食べる時間すらも、慌ただしく過ぎていく日々の中で
一週間に一時間でも、こんな風にゆったりとした時間を過ごすことなんてないなぁと反省した
そして、メモしておきたい言葉もたくさんあった
2月に黄色いく花を咲かせるマンサクは「誰よりも早く咲く、まんず咲く」がなまって名付けられた名前だとか
不苦者有智(福は内)は
「苦を知らない者は智を有する」という意味だとか
最も寒い時期に立春があるのは
昔の人が「もうすぐ春だ」と言って
寒い辛さを乗り越えるためだ
とか
昔から、幸せな時も、辛い時も
人々はお茶を立てながら
静寂の時を感じ
お茶を飲んで、
様々な日々を過ごしてきたんだなぁ
と思った
そんな日々こそが
日日是好日
なんだね
毎日が、とても慌ただしく過ぎていくけれど
少し立ち止まって静寂の時を過ごす時間を作って
心にゆとりを作りたいと思った