カメラを止めるな!のレビュー・感想・評価
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みんなで作る楽しい映画
映画を止めるな!
僅か2館で始った本作。新宿では初日以来連日満席が続いたという。僅か84席のミニシアターでとはいえこれはすごい。かくいう筆者も知らずに行って一度締め出し食ったのだったが、その後拡大公開が広がり、遂に大メジャー日比谷のシネコンまでもが上映することになった。
まったくのマイナー作品である。監督も出演者もまったく無名。高校の映画サークルの文化祭制作といえばだいたいゾンビ映画と相場が決まっているのと同じ程度の自主映画、よく言えばインディーズ。そんな小品が何でこんな騒ぎになっているのか。これはこの目で確かめねばなるまい。
なるほどこれは面白い。いきなり始まる37分ノーカット。廃墟となった山奥の工場跡、ゾンビ映画の撮影現場。そこに本物のゾンビが出現して修羅場と化すその一部始終がものすごい勢いで展開するわけだが、映画の規模こそ違え、昨年の韓国製ゾンビ映画の大傑作『新感染』にも迫る勢いなのである。これだけでも結構面白いのだが、このあと映画は思いもよらない方向へと進んでいく。 『ワンカット・オブ・ザ・デッド』なるタイトルのその映画のメーキングを、そっくりそのまま映画にしてしまうという前代未聞のアイデアである。そこにあるのは、ワンカットでやらなければならないからこそのてんやわんやの撮影風景。うっかり落としたカメラの映像まで止まらない。それこそ修羅場。もう腹を抱えて笑い転げるほど面白い。
これを「映画の発明」とまで言った人もいる。その着想がツボに嵌まりに嵌まって、あれよあれよの96分。観終わっての感想は、今見ていたのはいったい何だったのかとキツネにつままれたような心地よさが残る。メジャーでは絶対にできない、破れかぶれの映画作り。映画の革命だとも言いたい。
劇中映画のラストシーンは、手持ちカメラのクレーンアップによる俯瞰撮影である。こんな小規模作品でいったいどうやって撮ったのかとやや違和感を覚えるが、最後のその種明かしには感動さえしてしまう。映画マニアによる映画大好き人間の映画。カメラを絶対に止めないというその覚悟。ここには「映画を止めない」という映画人間の映画への愛と熱気が溢れている。だから映画は面白い。
じんわり来るところがあって、あと味の良い映画
冒頭からのB級ホラーは、長い伏線になっていて、後半のメーキングのパートに人間ドラマがあるという構成がとても面白い。よくできた構成で、リメイク版が作られるのも納得する。
主人公の監督が中間管理職のつらさの中で奮闘するのに共感してしまう。特に、撮影準備のつらい状況の中で古い娘の写真を見て涙ぐむ場面がグッとくる。この場面を最後で回収する脚本もうまいと思った。
監督やいろいろな人がそれぞれ頑張って、目的を達成するのであと味が良い。ホラーのラストシーンを撮影するための機材がダメになって、みんなでなんとかする場面はベタな感じが気持ち良い。
演技や映像は洗練されてはいないし、カッコ良いシーンはないけど、低予算でもアイデアで面白い映画になるという好例で、良い映画でした。
ユーモアセンスに感服
数年おきに観たくなる。
前半、アマチュアが作ったようなホラー作品を温かい目で視聴する必要があり、それは『涼宮ハルヒの憂鬱』の中の『朝比奈ミクルの冒険』等、アマチュアが作った映画を思い出すのだが、その作品のラストがB級のわりに凄いので鳥肌が立った。
その後メイキングシーンを見せられるのだが、完成までの過程が断然面白い。
視聴中は、役者たちが演技しているということを忘れ、ドキュメンタリーでも見ているかのように引き込まれていた。
ワンカット撮影の大変さや、どうやって撮ったのか氣になっていた部分のネタばらしが一種の伏線回収となって、感心したり尊敬したりと前半の温かい目で観ていた自分が恥ずかしく思えてくるほどである。
そして最も今作の魅力といえるのは、映画を制作している真剣な人たちを愉快な氣持ちで見ることが出来ることだと思う。
笑いを誘うテクニック、ユーモアのセンスが卓越しており、人の心理に関する研究材料としての価値も感じる。
2017年。映画界の話題を独占した映画
製作費は300万円以内。
それで興行収入が日本だけで、31億円以上。
公開されたと国は12カ国。
DVDやその後の配信で更に収益は上がっただろう。
2022年にはフランスで「キャメラを止めるな!」の題名で
リメイクされている。
観てはいないが、とても忠実なリメイクだと聞いた。
「アーティスト」のロマン・デュラスが監督7したと言うから
驚きである。
映画は前半37分が、
『One Cut of the Dead』で、37分でエンドロールになる。
ここで終わったか?と思うが間違い。
その後は37分ワンカットのゾンビ短編映画を頼まれる
日暮(濱津隆之)が引き受ける経緯や
日暮の個性的な妻(しゅはまはるみ))と娘の真央(真魚)との
ホームドラマ形式になる。
意を決して監督を引き受けた日暮はいよいよ撮影に入る。
そして最初の短編のシーンの裏話やネタ話や、妻が急遽メイク係の
代役になり、護身術を披露したり大活躍して笑いをとる。
ワンカットの長回しなんて言うけれど、カメラを抱えて
撮影している監督を、撮影しているカメラマンが別にいるのだから、
違うと思う。
それにしても300万円で完成したのはすごい。
信じられない。
監督一家の妻と娘の父親思いの優しさと、映画への情熱が妻と
娘にも乗り移っているのが微笑ましい。
もう一つ付け加えたいのは、ロケ地となった建物」
ロケの主役は水戸市公認廃墟【旧芦山浄水場】だそうです。
なんともハイカラでしかも近代的。
ここで撮影出来たのは大きい。
ラストも出演者の組体操で締めるあたり暖かくて後味が
最高でした。
世間がざわつき始めて社会現象になる前に劇場で鑑賞!
単館作品でミニシアターが連日満タンでヤバイよってニュースを見て当時全くノーマークだったこの作品を絶対見ようと思い近隣のミニシアターに(車で1時間)念の為に上映開始の40分前に到着するように劇場に行ったのですが初めての現象ってくらい客が居て自分の後ろの人が今回の回はもう満席で次でお願いしますとか言われて実際に劇場に入ったら自分とか臨時のパイプ椅子に座らされて満タンを超える客席での鑑賞になりました!
つうかまだ感想言ってなかった!
最初の本編のシーンで変な間があったり見ていてなんだこれ? 大して面白くないやんけ!って思いながら見てたら30分かからないくらいでエンドクレジットが流れて、アッ!これはやられたわ 誤情報に騙されたって思ってたらその後の制作風景の場面で神が降臨したかのような伏線回収が始まり劇場であそこまでみんなが大爆笑してるのはマジで見た事無いってくらい全員が大笑いしていて本当に劇場でみんなと共有して大笑いするのって最高だなあと思いながら帰りましたよ。
この作品の凄いところは世界中で公開されたのですが
地域差が一切無く監督が狙った場面の笑わすポイントで確実に笑わせるという至難のワザを成功させてるところなんですよね!
その後に劇場を拡大して大手シネコンとかで遅れて公開されたりして凄かったですね。
邦画嫌いもこれは観るべき
舐めてた。
僕は普段邦画を観ない。黒澤明や是枝裕和、濱口竜介など、海外でも名の知れた名監督ならいかん。どう見てもB級映画のポスターに大した金もかけてないはずなのにゾンビ映画をやるなんて、絶対糞映画だと思っていたから舐めていた。
もちろん海外で評価され、リメイクまで作られているのは知っていたが、それは海外の物好きが、余りにも日本映画が面白くなくて逆に面白いと天邪鬼に考えたのだろうと思っていた。
でも、傑作だった。
めっちゃ面白かった。ワンカットでホラーを撮るって言う無茶な企画を最初観た時目が離せなかった。妙な間も演出だと断定して感動した。(多分本当の演出)兎に角胸が熱くなる映画だった。
邦画は適当で面白くないものと思っていたし、実際その通りだが、それをここまで笑いに換えて、逆説的に傑作を産む脚本に感動した。
めちゃくちゃ面白かった。
舞台裏の人間の個性の強さ。偶然の必然で起こる強烈なカタルシス。それらがワンカットゾンビ映画を傑作たらしめていた。これをフィクションとして予定調和で取る技術に脱帽だ。しかも本当にワンカットで撮ってるんだからイカれてる。
傑作です。邦画嫌いもこれは観た方がいい。
やっぱり面白い!
劇場公開当時、映画館にて鑑賞しました。その後、ブルーレイを購入していたのですが、久しぶりに鑑賞しました。
自分が初めて劇場で見たとき、既に複数回見ているであろうお客さんが最初のゾンビドラマ部分でクスクス笑っている人がいました。何を笑っているんだろうと思ったわけですが、その後の展開で納得したことを覚えています。初見の時も、最後のネタバレパートはついつい声を出して笑ってしまった記憶があります。
きれいに3パートに分かれていて、2パート目は3パート目のために各キャラの設定を分からせないといけないわけですが、改めて見ると短い時間でしっかりと分かるように作られていてすごいな、と思いました。
ただただ単純に面白いです。今後も時々見返したいです。
思ったより面白かったよ!
生放送のホラーって…
劇場と金曜ロードショーで
映画愛!!
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