劇場公開日 2018年4月6日

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「欲望の底にこそ本質が潜んでいる」娼年 カメさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5欲望の底にこそ本質が潜んでいる

2019年4月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

個人評価:3.8
「愛の渦」や「何者」など人間の内面を描き、登場人物たちの本質を描き続けるこの監督。本作も同じように主人公の内側を描く物語。
人間同士の関わり方の本質を、言葉を用いる必要がないセックスを通し描いている。
人間は欲望の底にこそ、その人物の本質が隠されており、それに触れる事、解放する事こそが、本当のコミュニケーションだと感じる。そこには言葉は必要ではなく、セックスする事、また手を握り合うだけで、お互いの求めている事を交換し合える。
何事にも無気力だった青年が、身体を売る事で、相手の本質に触れ、人間自体に興味を持つ事が出来てくる。
そして自身の欲望の本質が、幼くして死んでしまった母親からの母性への飢えであると気付かされる。
この監督は他作品でもそうであるように、性という鏡から登場人物の内面を描くのが非常に上手い。

カメ