劇場公開日 2019年6月28日

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「あと少し磨けば傑作になれた」ハッピー・デス・デイ つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0あと少し磨けば傑作になれた

2024年5月3日
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鑑賞方法:DVD/BD

自分が死んでしまう誕生日を繰り返すホラーとなっているけど、どちらかといえばサスペンスかスリラーに近い。
そして、お察しのように「恋はデジャブ」に非常に近い。というか、スリラー版「恋はデジャブ」と言っていいくらいに同じだ。これは作品内でも言及されているので、まるごとオマージュみたいなものだね。

それで、細かい部分は抜きにして、主人公の変化とか、終盤に展開が加速することとか、ただ繰り返すだけではないなるほどなと思えるような追加要素もあり、本当に良くできているし、面白かった以外に評しようもないわけだが、突き抜けた面白さが得られなかったのは残念な気がする。

犯人探しが始まってから本格的に面白くなっていくが、それと同時に自分の死に対する抵抗が欲しかったかなと思う。
人間は何事にも慣れていくものだが、死に対しても慣れてくるようで、あ、はい、死ぬのねって感じにあっさり死んでしまうのはもったいないし、繰り返すことで仮面の人物を徐々に追い詰めていく成長の要素が少なかった。
閃きました!みたいな急な展開では繰り返しの意味があまりないよね。
まあ、最悪のビッチが普通のビッチに成長するって要素があるにはあるが、「恋はデジャブ」のようになめらかに変化していく成長ではなくて、本作では割りと突然だよね。急に良い子になるみたいな。

一応ホラーとして作っているだろうから、仮面の人物が迫りくる恐怖を描きたいのかもしれないが、本作で面白いところはそこではないと思うし、はっきり言ってホラー作品には成れていないのだから、仮面の人物と対峙してしまったらその後は描写せずタイムリープでよかった気がする。
どうせ抗ったり戦ったりほとんどしないのだから、代わりに主人公の成長の過程が見たかったな。

ああしたら、こうしたらみたいな批判的なレビューになってしまったけれど、もう一押しという残念感があるだけで、駄目なわけではなく、充分面白い。
それと、ラブコメ+スリラー+SFって感じのごちゃ混ぜで、血がドバドバ出たりしないし、こちらを驚かせるようなショックシーンもないし、トム・クルーズのアクション映画が観られるなら大丈夫なくらい全然ホラーじゃないから、ホラーが苦手な人でも大丈夫。
自分も怖いホラーは観られないから、ついつい具体的な怖さレベルを書きたくなる。ゴメンね。

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つとみ