「面白いけど少し残念。」マスカレード・ホテル かずやさんの映画レビュー(感想・評価)
面白いけど少し残念。
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前職がホテルマンだったので、なんだか懐かしいような、どこか嘘っぽく感じてしまうような、不思議な感覚で観てました。
推理ものは原作を観てから映画を観るようにしていますが、今作は特に原作を読むことをお勧めします。
脚本家さんの力量なのか、時間の限られている映画という媒体ゆえなのか、原作を読んでから映画を観た自分からすると登場人物の心理描写が薄過ぎて、行動の裏付けが出来ていないように感じました。
特に、新田と山岸がお互いの仕事にリスペクトを持つ経緯が薄いので、最後まで新田がとても失礼な人間に見えてしまっているし、山岸は唐突に心を開くよく分からない人になってしまってます。
その他にも、新田が機密情報を山岸に話すことに葛藤するシーン、その話を聞いて悩みながらも1人で抱えこむ覚悟を決める山岸の心理描写、この辺の説明が薄いので2人がとても軽薄な人間に見えているのも残念です。
原作は2人とももっとちゃんとした、理屈に合った行動をする人間なので、読んでない人は是非読んでみてください。
ただ、映画という映像媒体ならではの良さもありました。特にペーパーウェイトの描写は映画オリジナルでとても良かったです。あれは文章にすると興醒めしてしまうと思うので。
全体的には面白い映画だったと思います。ただ、やはり原作を読んだ方が「マスカレードホテル」は楽しいです。
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