「【”ここは、とても良いホテルです”】」マスカレード・ホテル ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【”ここは、とても良いホテルです”】
エンディング直前のシーンは、最新作への伏線だったんですね。
ここで描かれるホテルの出来事のあれやこれやは、本当なのだろうかと興味がわく。
大学の同級生が、とある大手ホテル・グループに就職して、確か、その後、転職する時だったと思うんだけど、同じ名前でも、ロケーションによって、あそこは高級、あそこはビジネス、あそこはラブホとランク付けして話してくれたことを思い出す。
ホテルには色々思い出がある。
高熱が出てしまった時に、医者を呼んで手厚くサービスしてくれたロンドンのホテル。翌日の会議には出席することが出来た。
ニューヨークのホテルは総じて高級だけれども、国連本部近くのUNは、多様性を大事にしていることがよく分かる、あたたかいサービスのホテルだった。
観光で泊まったムンバイのホテルは、のちにテロ被害にあって驚いた。この事件は、映画にもなっている。
バックパッカーしてた時に泊まったカギのかからないマルセイユの裏通りの危ない感じのホテル。シャワーからは茶色の水しか出なかった。ベッドでドアをロックして寝た。
国内はというと…、必ず友達に話すのは、だいぶ前に、地方都市に出張で行った時に泊まった本来は観光目的のホテル。
大きなホテルだったが、なんか部屋の気が良くなくて、何か…誰かが見てるというか…、いるというか…、怖いというか落ち着けたもんじゃなくて、乾いた音がするまで柏手を何度も打って、お経も唱えて(僕はお経が暗唱できる)、灯りもテレビもつけっぱなしで寝たのだけれど、あれは、”この部屋、怖いからかえてください”とお願いした方が良かったのかと今でも考えてしまう。
(一応…以下ネタバレ)
だいぶ横道にそれてしまったが、レビュー・タイトルは、犯人がホテルについて話した言葉。
大多数の人に正しくても、こぼれ落ちてしまうことだってあるということを、この映画は、実は言いたいのではないのかと思った。
一番これを言いたかったんじゃないかと思うくらい。
あとは、サスペンス仕立てにするために、やや無理矢理感が残る設定でした。
東野さんの映画化された作品の中では、好きな方でした。