「前作は越えられなかった佳作」パシフィック・リム アップライジング takaさんの映画レビュー(感想・評価)
前作は越えられなかった佳作
デルトロ監督が「シェイプオブウォーター」を撮るため
今作の企画はスルーしたのが悔やまれるところ。
前作の続編になっているものの、続投してるキャラは
博士二人とマコ(前作のパイロット)のみ。
司令官の息子ジェイク(ジョン・ボイエガ)が主人公となっている。
中国企業にイェーガー開発を独占され
人が乗らなくてもいい無人機を開発。
各地に無人機を配備することに…
と、ここまではいいのだけど怪獣はこの時代では
すでに過去のものとなっており脅威ではなくなっている。
にも関わらず高額な予算をかけイェーガーを作る意味は?
結局、無人機イェーガーの開発が後々の
トラブルへ繋がる訳ですが話の起承転結の
「起」からおかしな設定になってます。
前半は謎のイェーガーとのバトル。
後半の本当の最後にやっと怪獣出現とのバトル。
場所は富士山ふもと。
あれ?地理的におかしくない?って思いますが
名作「キングコング対ゴジラ」での決戦の場を
意識されたのでしょう。
あれも地理的におかしな形でしたから笑
イェーガーも4体出ますが前作の焼き直しで
武器などにも捻りがない。
バトルしてても熱い気持ちになれなかった。
せっかく日中でのバトルが多かったのに。
出撃シーンもいまいちでした。
ロボットは出撃シーンは燃えるものです。
ドックでのシーンもロボアニメなどでは重要。
怪獣も最後の最後にやっと出てきますが、
前作のようにカテゴリー3⇨4⇨5といったように
強さランクがどんどん上がっていく
ヤバさみたいなのが今作はまったくない。
イェーガー操縦のドリフト(脳接続)も
前作では様々な要素をストーリーと
絡めていたけど何となくあっさり。
怪獣登場の伏線が多少あった程度。
それよりも前作のクレジット中に死んだと思われた
あの人が今作には一切出なかった。
う〜む、この監督は前作をちゃんと観たのかな…
なんとなく「ID4」続編の「リサージェンス」に近いものを感じました。
(主人公も死んだ英雄の父の息子で黒人の設定と被る)
今回の消化不良感の解消のため、
怪獣映画は今後「ランペイジ」や「キングコング」などに期待を寄せて待ってます。
ストーリーは本当に笑えないレベルで変でした。特に新しいイエーガー建造。
2013年にグアム沖深海でたった一つの裂け目が開き、1作でそれを破壊したのに、なんで人類は「金が掛かるのに最近良く破壊されるからもう造らなーい」ってなったイエーガーを、何体も造ったのか。普通なら「怪獣はもう来ないんだし、シャッタードーム全部解体しました」ぐらいはやってるべきだと思いました。「10年」も前に終止符を打った戦争なんですから。