ヴィクトリア女王 最期の秘密のレビュー・感想・評価
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イギリス映画は老人力!
日本で言ったら樹木希林さん?!
ジュディディンチとかマギースミスが主役をはれるイギリス映画界って素晴らしい!
この映画ではジュディの演技で胸がいっぱいに。
インド人の俳優さんの魅力的な笑顔!!
演技者を魅力的に映す監督も素晴らしい。
マギーはダウントンアビーで感動させてもらったばかり。
日本映画で樹木希林さん主役のラブストーリーも作っておくべきだった!
勉強になりました
導入から前半の作りは見事なもの。主人公の宗教や職業を限りなく少ないシーンの映像だけで説明しきり、そしてどんな理由で英国に行くことになったか、何があって女王に寵愛されるようになったか、というところまでのテンポの良さは、監督の才能がほとばしっている。
主人公がどんな考えでいるのかは、全く描くことなく、女王の側からにフォーカスを集中するという割り切り。主人公の考えは、観客が想像してくれなのかな。しかし俺には、ちっともわからなかった。女王を使ってイスラム文化をメジャーにしたかったのか、それとも慕う女王に一生懸命伝える話は、自分が知っているイスラムの話だけだったのか。映画では、後者の純粋な気持ちという立場で描いているような気がしたが、どうなのだろうか。
自分としては、それなりに楽しめた作品でした。
ジュディ・デンチ…
さすがジュディ・デンチ
孤独な晩年にもたらされた輝きの日々
初っ端は唯のお戯れの
おつもりだったのかもしれない。
長身のエキゾチックなハンサムへの
ほんの細やかな興味心は
日々の生活に欠くことのできない
極めて密な存在に膨らんでいく。
本作での女王とムンシの間には
愛情>友情のニュアンスが
あちこちに散りばめられている。
手を取り「わが息子」と声をかける姿には
素顔を迂闊に見せられぬ女王の孤独が
如何ほどのものだったのかが窺われる。
帝国主義における被支配国は
決して被搾取一辺倒ではない
新たな技術や文化が持ち込まれ
地域の発展を後押しする側面も。
アブドゥルが生まれたインドには
既に英国の息がかかっており
彼にとって彼の地はきっと
恵みの国だったかもしれない。
在位六十年記念式典の
女王の佇まいに衝撃。
説得力あるメイクアップが
ワンカットでいきなり
十数年の時を飛ばす。
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2019.1.27 MOVIX亀有にて1回目
冒頭からため息が漏れる。
タージ・マハルの壮麗さ
港にひしめく大型帆船
記念式典の華々しさ
その裏方たちの慌ただしさ
一気に物語に引き込まれていく。
いきなり女王の靴に接吻する
物怖じしないアブドゥルに
女王はどんな魅力を感じたのか?
出世欲や保身にまみれた
忠臣たちには見せることのない
プライベートな表情を
アブドゥルには見せていく。
重責と孤独に苛まれていた女王が
みるみるチャーミングになっていく。
女王の威厳や重厚感
かと思えば軽やかなユーモア
加えて老女独特の可愛らしさ
この役はジュディ・デンチの他に
考えられないほどのはまり役。
設定は悪くない
アブドゥルの気持ち
前半は、かなりユーモアに溢れていて、クスクスと笑いがこぼれる。
けれど、中盤からどんどん雰囲気が変わって来る。
ヴィクトリア女王のアブドゥルに対するお気に入りっぷりが凄くて、しかもインド人でイスラム教徒、周囲の人々はそりゃ面白くなくて当然。
なんとかアブドゥルを排しようと画策するも、うまくいかない。
周囲のそういった言葉に従わず、アブドゥルを重用し続けるヴィクトリア女王だったが、その状況をよく理解していたため、アブドゥルに帰るように告げる。自分がこの世を去れば、どうなるか分からない。その日は遠くない、と。
しかし、アブドゥルはひかない。
実話に基づくこの話、女王の死後、長く隠されて来たこの話が再び世に出たのは、映画によると、アブドゥルが残した手記によるとのこと。
それにもかかわらず、アブドゥルの気持ちが見えなかった。
祖国を離れ、敵ばかりと言っても過言ではないイギリスで、そこまでして女王のそばに居続けたアブドゥルの気持ち。
ヴィクトリア女王への友情や敬意、理由などない人との繋がり、それはよく分かるのだけれど、手記が残っているなら、アブドゥルの視点やアブドゥルの気持ちがもう少し知りたかった。
共にイギリスに行ったモハメドのことも、なぜ帰してやらなかったのか、あれほど帰りたがっていて、イギリスで暮らすことが合わなかった彼を。
寵愛を受けたアブドゥルなら、それを女王に言うことが出来たのでは?
ヴィクトリア女王が、身分や人種や宗教を超えた友情を育める度量は素晴らしいと思ったし、夫の死後、喪服を着続けたほど情が深く、孤独な人間らしい一面も見えた。
けれど、ジョン・ブラウンのエピソードといい、誰かを重用しつつ、周りが嫉妬したり、ヤキモキしないようにするのは、彼女ほどの人でも難しいし、いつの時代でも、どんな規模でも起きる問題なんだなとしみじみ。
前半はとても面白かったし、ジュディ・デンチはやはり流石だなと思わせてくれたけれど、なんかモヤモヤが残った。
10億の民を抱えていた女帝の孤独と最後の愛
1997年公開の「Queen Victoria 至上の恋」(原題:Mrs Brown)は、夫君アルバート公の没後、喪服時代の話。物語のプロットは、この「最後の秘密」と酷似しています。インド人侍従のアブドゥルが、「至上の恋」のジョン・ブラウンに取って代わっただけ。20年の時間を経てヴィクトリアを演じるのは再びジュディ・デンチ。ここまで来たら、デジャヴ懸念も有りましたが、全くの別物でした。
女王ヴィクトリアは政治にも積極的に介入していたイメージが有りましたが、劇中ではドゥールー排除(南ア)を知らないなど、隠居状態になっている事が示唆されています。
「世界中の人が私を憎んでいる」。当時の彼女の立場を象徴するセリフです。王室の中での孤独感からムスリムのインド人を寵愛するに至るまでの過程は、英国喜劇のタッチで描かれていて楽しかった。そこから少し中弛み。ラストはシンミリ泣かしてくれますし、ヴィクトリアの崩御後、王室を追い出される件は哀しい。
絢爛豪華な佳作ですが、ヴィクトリアがドイツ出自である事や、当時の大英帝国の植民地拡大の歴史などは知っていた方が良いです。夫君の死後のジョン・ブラウンの事は必須と思います。
ジュディ・デンチの魅力がぎっしり
19世紀末、インドのアーグラで刑務所に勤める記録係アブドゥルはヴィクトリア女王にコインを献上する任務を与えられ渡英する。女王と目を合わせてはいけないと厳重に注意されていたにも関わらず女王と目を合わせてしまったアブドゥルは厳しく叱責されるがそれがきっかけで女王に気に入られて急遽使用人となる。二人はやがて友情を感じるようになるが、異邦人であるアブドゥルが重用されることを側近や親族達は苦々しく思っておらず、様々な諍いが巻き起こる。
圧倒的にゴージャスな世界観の中でのドラマですが実はかなり軽快なコメディ。長きに渡る治世に疲れ果てた心情や前使用人のジョン・ブラウンへの思いを吐露するしおらしさを見せたかと思いきや、少女のような笑顔を見せる女王をジュディ・デンチがキュートに演じています。『あなたを抱きしめる日まで』の主人公、壮絶な人生を送ったにも拘らず茶目っ気たっぷりのお婆ちゃんフィロミナを彷彿とさせる演技でしたが、監督が同じスティーヴン・フリアーズと知って納得。終盤一転して訪れる静謐とした幕引きも深い余韻が残る美しい作品でした。
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