劇場公開日 2019年1月25日

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ヴィクトリア女王 最期の秘密のレビュー・感想・評価

全64件中、41~60件目を表示

4.0孤独な魂が救われる

2019年2月11日
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鑑賞方法:映画館

知的

 ヴィクトリア朝と言えば、イギリスがグレート・ブリテンとしてアジアやアフリカに帝国主義の侵略を展開した時期であり、世界史の授業を受けた限りでは、ヴィクトリア女王は冷血で鉄面皮の暴君という印象である。
 しかしこの作品の女王は、強大な権力を持つ世襲の君主であることを自覚しつつ、人間らしさも見せている。立憲君主制が進みつつある内政の一方、対外的には強力な軍事力を背景に植民地化を進めている中で、必ずしも征服した地域の文化や宗教を蹂躙することはなかった。それは文化に寛容で、人を差別しないヴィクトリアの人間力によるところが大きかったのかもしれない。
 夫の死からこれまで、王位の孤独にひとりで耐えてきたヴィクトリアは、5人の首相をはじめとする多くの政治家たち、自分に使える侍従たちや女官たち、子孫たちとその家族など、兎に角たくさんの人々と接してきたことで、人の本質を見抜く力を身に着けてきた。それは孤高の女王として生きていく上での最も重要な武器でもあった。周囲の人々はそんな女王を畏れ、敬遠しながらも、地位に恋々としている。それがまた女王の孤独をさらに募らせる。

 さて本作品のインド人アブドゥルは、そんなヴィクトリアの眼鏡に適った人間である。夫がなくなって以降、忘れていた人との触れ合いの喜びを取り戻す。この辺りはほのぼのとしてとてもいい。春に氷が溶けるように、長い冬に閉ざされていた女王の心が漸く溶けていく。アブドゥルはイスラム教徒であることを貫きつつ、英国国教会の首長である女王に対等に接する。アブドゥルの平静な精神力もすごいが、受け入れた女王の胆力は驚嘆すべきであった。
 イギリスの帝国主義には肯定する点はひとつもないが、ヴィクトリアが歴史的に重要な役割を果たし、そして最期は幸福な時を過ごしたことは、ひとつの救済であった。温かみのあるいい映画だった。

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耶馬英彦

3.0女王様の可愛らしさ

2019年2月10日
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笑える

女王様が可愛くておちゃめで、でも、強くて繊細な人でした。食事や起きるシーンには笑ってしまった。1番のお気に入りの人を側に置くのは、今の時代も変わらない乙女心だな。

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梅雨蜜柑

1.5物足りないどころか、やや反感を覚えた

2019年2月10日
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鑑賞方法:映画館

孝謙天皇と道鏡の関係を思い出しながら鑑賞。
たとえアブドゥルが人格者であっても、あそこまであからさまに重用すれば軋轢が起こるのは必定。しかも、英国王はイングランド国教会の長でもある。インドやイスラムの傾倒した思考や趣味を好むのはけして賢明ではない。例えば僕の場合、寺の子供たちがクリスマスにはしゃぐのには寛容になれても、天皇家の子女がICUに入学することに不快感があるわけで。
僕には、道鏡に溺れた孤独な孝謙天皇とダブって見えた。

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栗太郎

4.0全く異なる世界に生きてきた2人だからこそ心を開ける、人間愛が観る者を幸せにする

2019年2月10日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

本作は、ほぼ実話をベースにして作られた作品だそうだが、何だか作品を観ていると実際に有った事とは信じられないような数々のエピソードに思わず笑みがこぼれてしまった。

ジュデ・ディンチ演じるヴィクトリア女王がとてもキャラ的にチャーミングで、魅力的だ。
世界中に植民地支配を展開していた当時のイギリス女王なら、誰でもが気難し屋で、怖い権力思考の筈と本気で信じていただろう。
ましてや、インド人のアブドゥールから観たら、決して彼の個人的な天敵でなくても、自国を植民地化した国の女王様なのだから、その人が人間味溢れ、本当は気さくで、シンプル且つ偏見がない懐の大きな優しい方だったと誰が想像出来る?

身分・国籍・年齢そして習慣や言葉も異なる人間同士、共通点が何一つなさそうな人間関係に果たして友情は成立出来るのか?
本作は有る意味では、女王とその身分違いのムンシ(先生)との友情物語だから、インド人である使用人からみれば、逆玉の輿のような出世物語とも言える。
でもこの2人の関係が、嫌味な感じが全くなくて、むしろ観ていて楽しくなるような作風に仕上がっているのは、ジュディとアリの息の合った見事な芝居が巧く生きているからこそだと思う!

人間って逆に違い過ぎる2人の間だからこそ、敢えて本音で付き合えると言う事が有るのかも知れない。
本作を観ていると人間の善い部分に光が当てられているようで、人間として生きる事に自信と希望光を見出せるような作品だった。

まあそんな2人の関係を面白く思わないヴィクトリア女王の周囲の人物も多数描かれてはいるものの、それはそれとしてサラリと流せて観られてしまいました。

そしてもう一つこの作品の素晴らしさは、ゴージャスなロケ地の数々!
宮殿や庭園、そして別荘に至る迄ゴージャスで見事!映画として充分に楽しめる作品だったので、そこまでしなくても良いかな?とか思いましたけど、みなさんはどう思いました?

今、我が国でも、皇室のご成婚問題で色々有りますが、我々庶民の様に好きだ、嫌いだだけで婚姻が出来るお話では無い問題だけに、余計にこの映画が、映画の世界に留まらず、身近なリアルな物語として興味深く、面白く観られた気がしました。
「ドライビング・ミスデージー」同様本作も人間愛に溢れる映画で観ていて気持ちが穏やかになれる作品でお気に入りの作品となりました!

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ryuu topiann

3.5ほぼ実話

2019年2月9日
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32.女王からの視点に絞り込み、ジュディ・デンチにフォーカスした脚本と展開は見事。この潔さが最大のポイント

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movie

4.0脚本・演出・演技、どれも好し

2019年2月7日
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りゃんひさ

4.0素敵でした

2019年2月5日
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公開前からタイトルやポスターを観てすごく気になっていて…

あたりでした!

感動も笑いもしっかりあって、映像もとてもリアルで全く飽きるところはありませんでした!
私も涙を流してしまいました(笑)

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runaiktm1

4.5心地よい笑いと心地よい切なさ。とてもキュートな歴史映画。

2019年2月5日
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天秤座ルネッサンス

3.5人種の壁を超えた女王とインド人の深い繋がり

2019年2月3日
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原題: Victoria and Abdul

ジュディ・デンチ!

晩年のヴィクトリア女王とインド人のアブドゥルの友情の物語。

冒頭の食事会のシーンが秀逸で、老いた女王は生気を失い何物にも興味を失ったようで、ただ食べることに没頭していた。そんな彼女がアブドゥルとの交流を通じて生気を蘇らせていく。

そして、やっぱりか〜という感じの辛口なエンディングが今作をギュギュと引き締めた。

デンチは現在84才ですか。女優人生も終焉に近づいたこの時期に、代表作と呼べる作品をドロップしたことが嬉しくて仕方がない。

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エロくそチキン

3.5面白い切り口の映画

2019年2月3日
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鑑賞方法:映画館

ほぼ、実話に基づく映画との紹介が、良い
前半から中盤はなかなか面白いが、淡々と進むところもあって後半はダレル
王室の内情や歴史的な出来事としても面白い映画でした
(No.6)

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シネパラ

4.0イギリス映画は老人力!

2019年2月3日
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日本で言ったら樹木希林さん?!
ジュディディンチとかマギースミスが主役をはれるイギリス映画界って素晴らしい!
この映画ではジュディの演技で胸がいっぱいに。
インド人の俳優さんの魅力的な笑顔!!
演技者を魅力的に映す監督も素晴らしい。

マギーはダウントンアビーで感動させてもらったばかり。
日本映画で樹木希林さん主役のラブストーリーも作っておくべきだった!

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moviesmusicmyl1

3.0勉強になりました

2019年1月30日
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鑑賞方法:映画館

導入から前半の作りは見事なもの。主人公の宗教や職業を限りなく少ないシーンの映像だけで説明しきり、そしてどんな理由で英国に行くことになったか、何があって女王に寵愛されるようになったか、というところまでのテンポの良さは、監督の才能がほとばしっている。

主人公がどんな考えでいるのかは、全く描くことなく、女王の側からにフォーカスを集中するという割り切り。主人公の考えは、観客が想像してくれなのかな。しかし俺には、ちっともわからなかった。女王を使ってイスラム文化をメジャーにしたかったのか、それとも慕う女王に一生懸命伝える話は、自分が知っているイスラムの話だけだったのか。映画では、後者の純粋な気持ちという立場で描いているような気がしたが、どうなのだろうか。

自分としては、それなりに楽しめた作品でした。

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CB

3.0良い映画

2019年1月30日
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鑑賞方法:映画館

特別悪くもなければ、取り立てて良いというほどでも無い…そんな映画(笑)

予告編は面白そうだったんですけどねぇ…。
意外に淡々としたストーリーでした…あんまりドキドキしないというか…。

アブドゥルの友人とか、女王の御付きとか、3枚目の面白そうなキャラが揃ってたのに…なんか惜しい。

演出のせいでしょうね…まあ、仕方がないですけど(笑)

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stoneage

4.0ジュディ・デンチ…

2019年1月30日
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鑑賞方法:映画館

ジュディ・デンチの表現力が素晴らしい。
女王の孤独と、そこから抜け出す際のときめきなどをきちんと感じさせる。彼女がアブドゥルに惹かれるのはとても説得力がある。
しかし逆はどうだろう…?その点についての説得力は正直感じなかった…

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ぱんちょ

4.5憧れます!

2019年1月30日
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本当にあった話だけに、女王様の懐の深さに感動!いつの時代もこんな話あるよね、身分とか年の差、国籍。あんな風に歳取りたいわ。

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ミヤミヤミヤ

4.5僭越ながら、

2019年1月30日
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鑑賞方法:映画館

幸せ

萌える

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どんすけ

4.0美しい愛情物語に

2019年1月28日
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マッターホルン2

4.5さすがジュディ・デンチ

2019年1月27日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

まずこの作品は原題の方がグッとくると思います。この話が明らかになったのが後の事なので最期の秘密なんでしょうか?
今さらジュディさんの演技力の素晴らしさは言うまでもありませんがこのバイタリティには脱帽です!
さらに英国とインドの関係を再認識させていただきました。
是非映画館で🎦

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タイガー力石

5.0孤独な晩年にもたらされた輝きの日々

2019年1月27日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

初っ端は唯のお戯れの
おつもりだったのかもしれない。
長身のエキゾチックなハンサムへの
ほんの細やかな興味心は
日々の生活に欠くことのできない
極めて密な存在に膨らんでいく。

本作での女王とムンシの間には
愛情>友情のニュアンスが
あちこちに散りばめられている。
手を取り「わが息子」と声をかける姿には
素顔を迂闊に見せられぬ女王の孤独が
如何ほどのものだったのかが窺われる。

帝国主義における被支配国は
決して被搾取一辺倒ではない
新たな技術や文化が持ち込まれ
地域の発展を後押しする側面も。
アブドゥルが生まれたインドには
既に英国の息がかかっており
彼にとって彼の地はきっと
恵みの国だったかもしれない。

在位六十年記念式典の
女王の佇まいに衝撃。
説得力あるメイクアップが
ワンカットでいきなり
十数年の時を飛ばす。

……………………………………………………………………………
2019.1.27 MOVIX亀有にて1回目
冒頭からため息が漏れる。
タージ・マハルの壮麗さ
港にひしめく大型帆船
記念式典の華々しさ
その裏方たちの慌ただしさ
一気に物語に引き込まれていく。

いきなり女王の靴に接吻する
物怖じしないアブドゥルに
女王はどんな魅力を感じたのか?
出世欲や保身にまみれた
忠臣たちには見せることのない
プライベートな表情を
アブドゥルには見せていく。
重責と孤独に苛まれていた女王が
みるみるチャーミングになっていく。

女王の威厳や重厚感
かと思えば軽やかなユーモア
加えて老女独特の可愛らしさ
この役はジュディ・デンチの他に
考えられないほどのはまり役。

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しげぴい

2.5設定は悪くない

2019年1月27日
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ヴィクトリア女王にインド人従者という設定は悪くない。
が、あまりにも作中の女王やその臣下、つまり王侯貴族たちが無知蒙昧に描かれ過ぎている。
演出でしょうがあれだとせっかくの設定が台無しです。

また序盤こそスタートダッシュでそれなりに面白みを見せますが、中盤からは燃料不足で息切れが酷い。
最初がピークであとはグダグダ、残念ながら前売り券まで買って見る価値はなかった…。

口直しにケイト・ブランシェットの『エリザベス』を見よう。

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角煮とまと