ヴィクトリア女王 最期の秘密のレビュー・感想・評価
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こういう話が観たかった!
この評価が映画として正しいかどうかよくわからないけど、私はこういう話が大好きだ
こういう話が好きでこういう話が観たくて
間違って「女王陛下のお気に入り」を借りてしまった後での感動は想像以上だった。(こういう話は最も嫌い
ヴィクトリア女王役の女優さんが超キュート!
まるで少女のような純心さが、息子や周りの貴族達の嫉妬にまみれた醜さと対比して際立っていた
アブゥドゥルが女王の靴にキスするシーンがとても好きだ
昔は、靴を舐めるとか足元に口づけるとか聞くのもおぞましいくらい嫌で、卑屈で侮蔑的だと思っていたのに
あんなに愛おしむキスをされたら女はみんな舞い上がるよね
私の大好きな小説家の永井路子さんが、女王の時代にイギリスは必ず繁栄したが、その中でヴィクトリア女王の時代の繁栄は他と異なると言った
ヴィクトリア女王だけは、女王である前によき妻であった。
補佐である夫の意見をよく聞いたという。
ヴィクトリア女王時代の繁栄は女王の器量というより当時のイギリスの国力が最大であったからだと。(産業革命期?)
その話を読んで私はヴィクトリア女王のファンになった(「歴史をさわがせた女たち外国編」
永井路子さんのこの話はアブゥドゥルの日記が発見される前に書かれている。
この映画の冒頭に書かれた「この映画はほぼ事実である」というのは信じて良いと思われる。
ヴィクトリア女王の哀しみと退屈を救った異邦人従僕との交流を優しい眼差しで描く
2019年は英国女王を主題にした映画が3作、日本でも上映され、どの作品も興味深く鑑賞した。
歴史の順で言えば、
1.「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」
シアーシャ・ローニャンとマーゴット・ロビー演じる二人の女王が16世紀のスコットランドとイングランドの複雑な関係に翻弄されつつ 自らの生き方を貫いた姿を描いた秀作。
2.「女王陛下のお気に入り」
18世紀初めに英国を支配していたアン女王を取り巻く人物たちを描いた物語。主演のオリヴィア・コールマンがアカデミー主演女優賞を獲得した鬼才ヨルゴス・アンティモスの秀作。
3.そしてこの作品。
内容は表題から類推できます。
<もし時間と英国王室に興味がある方であれば、この3作品を時系列で観ると(繋がりはありませんが)英国王室の姿が少しイメージできるのではないかなと思います。そして、豊かな時間も過ごせると思います>
<2019年1月26日 劇場にて鑑賞>
落ち着いた良い映画でした。
名女優ジュディデンチが見せる演技が素晴らしかった。アブドゥルとの関係も、宗教や人種という違いこそあれ、心が通いあう様子がとても印象的でした。最後に亡くなるシーンでは、個人的に、死んだ祖母を思い出しました。
ジュディ・デンチ
人生の最後の輝き
映画が始まってすぐにこのお話は「ほぼ」真実です
と言うテロップが入るので、初めて、ああ、そうだったのか〜
と知った次第。
そう思って見ると、すっごい話だな〜〜
前半はビクトリア女王を演じる流石のジュディ・デンチが
物語に引き込んでくれます。
80歳のおばあさんで寝起きこそ悪いけど、
食欲も旺盛、行動力もあり、そのパワフルさは
時に御付きの人々を置いてけぼりにしてしまうほど〜
そこはコミカルだけど、人を糾弾するときは流石の目力!怖〜
で、ビクトリア女王が心を開くインド人青年にアリ・ファザル!
彼がインド系にしては割とマイルドなイケメンでなかなか良いですね。
正直、行き着く先は想像がつく作品でその通りなんだけど
最後に「女王陛下、良かったですね〜〜」と言う思いが湧いて来て
なんだかジワ〜〜ときました。
中高年には響くでしょうね〜
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
今ちょうど「女王」映画が渋滞してて
この映画はちょっと割りを食ってしまってるけど
大筋の話としては「女王陛下のお気に入り」と
そんなに変わらない話なんです。
「女王陛下のお気に入り」のアン女王はひたすら愚かな女王で
実在はしてるけどお話は完全にフィクション。
「ヴィクトリア女王 最期の秘密」のヴィクトリア女王は
大英帝国を率いた偉大な女王で、このお話はほぼ実話
どちらも権力者の孤独と
それを取り巻く周囲の人々を描いてますが
「女王陛下のお気に入り」は作り話だから、
ひたすらゲスに面白おかしく描いているのに対し
「ヴィクトリア女王 最期の秘密」は実話だけに
ちょっと感動的に描いてます。
でも、インド青年は100%善人という訳でもなく
それなりに女王に嘘も付いてますが、
賢明な女王だけにヴィクトリア女王の孤独の闇は
アン女王よりもずっと深かったのな〜〜
だから、最後の最後、映画としての、
もしかしら脚色かもしれませんが
ジワ〜〜と目頭が熱くなりました。
インドの港に停泊する数多くの帆船のCGがなかなか見事です。
大英帝国の往時を感じさせる宮廷シーンも見事。
@もう一度観るなら?
「ネット配信とかでじっくり観たいですね。」
教養ってどうやって培われるんだろうか?
孤独な老女王の求めた人間らしい愛情
君主である事に倦み疲れ果てた老女王ヴィクトリアと、人懐こく好奇心と機知に富んだインド人青年アブドゥルの出会い。
始まりは恐らく、背が高くハンサムな異国人への女王の気まぐれな好意であろうが、未知の異国の知識をもたらしてくれる彼への憧憬、異性に示すような親愛の仕草へのときめき等、次第に情を深め重用していく。
親しく寄り添ってインドの言葉を教えてくれる彼に見せる少女のような笑顔、孤独を打ち明けこぼす迷子のような涙が、哀れで愛しい。
アブドゥルの妻の容姿や生殖能力への懸念を見ても、恋愛に似た女性心理が全くないとは思えないが、彼を師と呼び、時に愛しい息子と呼ぶ心情は、恋愛、友情、信頼と、簡単にカテゴライズできない複雑さを呈している。
これはアブドゥルも同じだ。人懐こく話し掛け、女王をダンスに誘い、特別な女性と告げ、女王の寂しさに寄り添い慰める。恋か、同情か、敬愛か。列車の豪華さにはしゃぎ、華美な衣装を自慢げに纏い、人生は冒険だと嘯く彼に、出世欲や打算が全くない訳でもなかろうが、「私が死んだらどうなるか解らない。そろそろ国へお帰り」と告げる女王に、「ここが私の国です、一生お仕えします」と返し、死を看とるまで側に残った彼の本意は、それだけとは思えない。
しかし、二人の無邪気な愛情は、立場からすれば酷く愚かだ。人種問題、植民地問題、国家宗教問題。多くの課題を解決に導くでもなく、性急にアブドゥルに心酔する女王の姿勢は、当然周囲の危惧と反発を招く。
アブドゥルの同行者モハメドのスタンスが、いっそうそれを浮き彫りにする。自らの身の安全を憂い、はやく故郷に帰りたい、周りは敵ばかりだとぼやく小男に見えるが、報酬をちらつかせてアブドゥルの弱みを問う皇太子らに、彼は貴方達と何も変わらない、出世したかっただけだと切り捨てる言葉は、ある意味最も現実的で聡明だ。
事前の印象では、もっと人種的な問題を扱った作品かと思っていたが、差別、蹂躙、傲慢を示す表現はあれど、主題はそこでは無いように感じた。
一人の女性の、生きる事の辛さ、ままならない苦しみ、孤独、老いと死。それに寄り添おうとする広義の【愛】。
81歳の年老いた体に、毎日休む間もない公務や式典、為政者としての重圧を背負い、権力と欲望に囲まれ、助けとなるパートナーもなく、孤独と疲労に蝕まれ…。
太り、たるみ、病み、背の曲がった小さな体躯に、大きく重い王冠を載せられ、無気力な表情で一人王座に寄り掛かる姿が胸を打つ。
死の床で、怯えるようにアブドゥルを呼び、恐いと訴える弱々しい姿には、自分の身内を重ね合わせて、涙が止まらなくなってしまった。
彼女は弱り老いていく中、肉親のように、恋人のように、ただ側にいて手を握る程の、温かく人間らしい愛情を求めたのではなかったろうか。
きらびやかで豪勢な宮廷の裏を返した滑稽さ、女王の気まぐれに振り回される宮廷の人々には、度々笑いを誘われる。
重くなり過ぎないバランスが良い。
老いらくの恋⁉
孤独が伝わってくる
なぜか「日の名残り」を思い浮かべて涙。
永遠の宴へ
このところ英王室モノを題材とした作品が続いているのは恣意的なのかどうかはさておき、今作は比較的現在に近い第二次世界大戦前の頃のビクトリア女王の話である。
今日の、ブレグジットや移民排斥等、何かと問題が噴出しているイギリスへの自己振り返りを狙ったのか、それとも外国への自国の懐の深さみたいなものを宣伝したいのかのきな臭さが鼻につくのは、かなり穿った観方なのだろうと少々反省w
まぁイギリス一番のセレブレティに気に入られるにはどれだけのきっかけと運を引寄せる力があるのだろうと思って観ていたら、その核心はあまり語られない。たまたま長身、そしてインド人特有の彫りの深さの甘いマスク、好奇心旺盛さと人なつっこさといったことが女王に響いたということ、そして女王も又、老いと衰弱、政治的激務での疲労がベースにあっての『お戯れ』といったタイミングなのであろう。運だか縁だか、巡り合わせの中でこういう関係性が出来るのもドラマティックで題材にし易いのであろう。
“淋病”の原因をもっと深く聞き出したい欲求はあったが、ストーリー上、敵対する宗教等の免れきれないネガティヴ事情、いわゆる“ファクト”であっても、恋は盲目ということで退ける女王の権力への執着は、やはり今も昔も変わらない人間の業という他はない浅ましさである。凄く美談で括られようとしているのだが、何故だか安っぽさしか感じられない中で、やはり自分が一番共有し心情を汲めたのは、一緒にイギリスに来たモハメド。多分、この人の考えが一番一般人に近い思考であり、しかも相当頭の回転が速い人だろうと感じる。あれだけ宗主国であるイギリス人に“野蛮”だと吐き捨てられるのは却って清々しい位である。そう、いつでも権力者は野蛮であり無慈悲だ。相手のことなど微塵も感じないし、共感などしない。阿ったり、忖度したり、その人間の浅ましさをセットの豪華絢爛さのオブラートに包みつつシーンに織込んでいる所はこの作品の素晴らしさであると思う。本当に『権力者は全員死ねばいいのに!』と、改めて強く願う作品である。
It's very nice!
世界一女王様が似合うデンチ様
ウェルメイドで見やすい。
イギリス人にはヒンズーヒンズーと連呼されてたけどアブドゥルは最初のインドでの登場シーンからムスリムであるとはっきりわかるように描かれている(お祈りしてたしターバンはヒンズー教徒はしないと思う、同行者のモハメドって名前はイスラム系の名前だし)。
ヴィクトリアが自分でベッドから起きることもせず、式典での食事マナーもひどくって、でも女王に意見できないので列席者は戸惑うってところ面白すぎるし、ヴィクトリアの強烈キャラがパッとわかって面白い。
など、ぼーっと見てても、あぁそゆことねと得心が行くことが多く、疲れたからだにも見やすくできてました。
スープをじゅるるーっとすすって、誰とも会話もせず、すごい速さで一皿をからにするから、列席者のスープはまだまだ残ってるのにさげられて困惑、でも側近は知ってるからヴィクトリアに合わせてとっとと食う、そして口からはみ出すインゲン、手づかみで肉、デザート前にはいびき付きでお昼寝、デザートも口からクリームはみ出す…
エレガントとか気配りとか全く無視したそのやりようが可笑しくって、ヴィクトリア強いなーって思いました。
大英帝国的にはスープはすすっちゃダメだし、会話をしながらでないとダメなんでしょ?(主にダウントンアビー情報)なのにそれってww
大いにウケましたわたしは。
ヴィクトリアについては海外ドラマのやつを数年前にNHKでやってたのを見て(途中まで)、見ながらWikiでちょろっと読んだりしたくらいですが、そのくらいの知識があれば十分楽しめます。
夫を亡くして40年喪服を着続け、夫を亡くした後に愛した従僕も亡くし(たぶんこれが20年前にジュディディンチがヴィクトリアを演じた時らへんのお話)、更に孤独を深めていた老女が、全くの遠い国の若いハンサムくんを愛でた、ってのはわからなくないです。
ヴィクトリアが最後の方で、息子とヘンリーとリード医師に凄むシーン、かっこよかったです。
癇癪持ちだし、きむずかしいし、歩けないし、肥満だし、耳も片方聞こえないし、脱子宮だけど精神異常では断じてないってゆうようなことをいうところ。
よくご自分を見ておられると思いました。
史実として言ったことかはわかりませんが、このシーンでヴィクトリアの聡明さを感じました。
アブドゥルがなんでそんなにヴィクトリアを愛せたのかは分からなかったけど、彼はあまりイギリスに恨みがなかったのかもしれません。なので無垢な感じで高貴な方を慕ったのかなーと思いました。
あるいは奥さんもふくよかさんだったのでふくよか系がおすきなのかもしれません。
多分ジュディディンチに肉襦袢を貼り付けて撮影したと思われますが、見事なたるみにのうで、迫力がありました。
嫌う前に、まずは相手を知ることから
素敵な映画だった!
19世紀後半、イギリスのヴィクトリア女王と、インドからやってきたアブドゥルとの間に芽生えた絆を描いた作品
彼らが出会ったきっかけは、ヴィクトリア女王の在位50周年の式典だった
アブドゥルは、インドで発行された記念コインを女王に献上するために「背が高くてイギリス人に負けず見栄えがするから」という理由で選ばれ、式典に出席する
その式典で女王はアブドゥルを一目見ただけで好意を持ち、彼を側に置くようになり、そこから絆が生まれていく
私は、その時の女王の気持ちが分かる気がした
アブドゥルのピュアな笑顔を見た瞬間に夢中になったヴィクトリア女王は、
韓国の俳優やアイドルに夢中になってしまう私たちと同じだと思ったからだ
日頃、仕事や家庭の忙しさに気分が滅入っている時、休み時間にネットを見ては、アイドルの笑顔に癒される…
ヴィクトリア女王もまた、王室の人間関係からくるストレスフルな日々も、アブドゥルの笑顔で癒されるようになる
アイドルや俳優の笑顔に癒され、そこからはまった私たちは、彼らの国を知りたいと思い、言葉を学び、韓国料理を食べ、文化を知りたいと思うようになる
ヴィクトリア女王もまた、アブドゥルの話す言葉を学び、インドの食べ物や文化に興味をもつようになるのだ
そして、すっかりアイドル沼にはまった私たちが、周りから白い目で見られるように、
女王もまた、周囲から白い目で見られるようになり、孤立無援になってしまう
そんな女王の孤独を理解してくれるのが、アブドゥルだけだからこそ、女王はますますアブドゥルとの絆を深めていく…
そして、韓国好きたちの行動に対抗するように、嫌韓の人たちがヘイトスピーチを浴びせかけるように
ヴィクトリア女王のアブドゥル贔屓は、政治を巻き込む論争へと発展していく
そこに、この映画が「今」描かれる意義がある
アブドゥルは、キリスト教徒が対立し続けてきたイスラム教徒だったからだ
ヴィクトリア女王が、ただインドから来た人と仲良くしていたから問題なのではなかった
イギリス国教会の首長である女王が、イスラム教徒と親密な関係にあるから、問題になってしまったのだ
しかし、それから100年以上経った現在、未だに、イギリスがかつて植民地にしていたインドやパキスタンから移民を受け入れるかどうかで論争が起きている
そんな今だからこそ、ヴィクトリア女王の「相手の国を知ろうとする姿勢」に学ぶべきことがあるのではと感じるのだ
日本のおばさんたちが、韓国のアイドルや俳優に夢中になるのと、
イギリスの女王がイスラム教徒に夢中になるのでは次元が違うと思うかもしれない
しかし、国民の長である女王だからこそ、模範となるべき姿を見せるべきなのではと思う
相手に自分のことを知って欲しいと思うなら、まずは、自分から相手のことを知るべきで、
お互いに知り合ってこそ、真の信頼関係が築けるのではと思う
現在の移民排斥の風潮をヴィクトリア女王が見たら、なんと思うだろうか
きっと悲しくて涙を流すに違いないと思う
多くの人に彼らの友情を知って欲しいし、そこから、たくさんのことを学んで欲しいと思った
本当に素敵な映画なので、興味のある方はぜひ
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