「ウェルメイドで見やすい。」ヴィクトリア女王 最期の秘密 だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
ウェルメイドで見やすい。
イギリス人にはヒンズーヒンズーと連呼されてたけどアブドゥルは最初のインドでの登場シーンからムスリムであるとはっきりわかるように描かれている(お祈りしてたしターバンはヒンズー教徒はしないと思う、同行者のモハメドって名前はイスラム系の名前だし)。
ヴィクトリアが自分でベッドから起きることもせず、式典での食事マナーもひどくって、でも女王に意見できないので列席者は戸惑うってところ面白すぎるし、ヴィクトリアの強烈キャラがパッとわかって面白い。
など、ぼーっと見てても、あぁそゆことねと得心が行くことが多く、疲れたからだにも見やすくできてました。
スープをじゅるるーっとすすって、誰とも会話もせず、すごい速さで一皿をからにするから、列席者のスープはまだまだ残ってるのにさげられて困惑、でも側近は知ってるからヴィクトリアに合わせてとっとと食う、そして口からはみ出すインゲン、手づかみで肉、デザート前にはいびき付きでお昼寝、デザートも口からクリームはみ出す…
エレガントとか気配りとか全く無視したそのやりようが可笑しくって、ヴィクトリア強いなーって思いました。
大英帝国的にはスープはすすっちゃダメだし、会話をしながらでないとダメなんでしょ?(主にダウントンアビー情報)なのにそれってww
大いにウケましたわたしは。
ヴィクトリアについては海外ドラマのやつを数年前にNHKでやってたのを見て(途中まで)、見ながらWikiでちょろっと読んだりしたくらいですが、そのくらいの知識があれば十分楽しめます。
夫を亡くして40年喪服を着続け、夫を亡くした後に愛した従僕も亡くし(たぶんこれが20年前にジュディディンチがヴィクトリアを演じた時らへんのお話)、更に孤独を深めていた老女が、全くの遠い国の若いハンサムくんを愛でた、ってのはわからなくないです。
ヴィクトリアが最後の方で、息子とヘンリーとリード医師に凄むシーン、かっこよかったです。
癇癪持ちだし、きむずかしいし、歩けないし、肥満だし、耳も片方聞こえないし、脱子宮だけど精神異常では断じてないってゆうようなことをいうところ。
よくご自分を見ておられると思いました。
史実として言ったことかはわかりませんが、このシーンでヴィクトリアの聡明さを感じました。
アブドゥルがなんでそんなにヴィクトリアを愛せたのかは分からなかったけど、彼はあまりイギリスに恨みがなかったのかもしれません。なので無垢な感じで高貴な方を慕ったのかなーと思いました。
あるいは奥さんもふくよかさんだったのでふくよか系がおすきなのかもしれません。
多分ジュディディンチに肉襦袢を貼り付けて撮影したと思われますが、見事なたるみにのうで、迫力がありました。