妻よ薔薇のように 家族はつらいよIIIのレビュー・感想・評価
全10件を表示
掃除はね、家具をちゃんと動かしてするものなの
映画「妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII」(山田洋次監督)から。
シリーズ第三弾も「家族の不協和音」が鳴り響き、(笑)
父母の熟年離婚ばかりか、息子夫婦の熟年離婚も話題の中心に。
今は、専業主婦が少ないばかりか、共働きが当然の時代なので、
仕事と家事の両立をしている妻を見下す男性は少ないが、
「家事」という仕事を、しっかりと評価し、感謝しないと、
物語のように、プチ家出とはいえ、いざ妻がいなくなると、
掃除、洗濯、朝昼晩の食事の準備などしたことがない男性陣は、
大慌てとなる。
それを象徴した朝食の様子が、ご飯もたかず、おかずもなく、
テーブルの上には、黄色いバナナだけ。(笑)
遅く起きてきた祖父に、バナナを差し出して孫が声を掛ける。
「おじいちゃん食べる?」
その様子を見て、祖父は朝から怒りながら、
「俺は動物園の猿じゃない」と言い返すシーン。
なんだかんだ言っても、普段何もしなければ、
調理することは考えず、そのまま食べられる果物で済ます、
あっ、もしかしたら自分も・・と、メモをした。(汗)
掃除も、掃除機で見えるところだけ動かす程度かもしれず、
「掃除はね、家具をちゃんと動かしてするものなの」と
アドバイスされたシーンさえ、メモしてしまった。
それなのに「労働の後のビールは最高だなあ」と、
すぐアルコールに手が伸びるシーンも、苦笑いだった。
だから「お嫁さんのありがたみわかったでしょ」は、
ただただ頷くばかりだった。
さて・・シリーズ第4弾は、何がテーマかな。(笑)
良い意味で安定感、悪い意味でザ昭和。
渡鬼がときどき2時間スペシャルドラマやっているかのような、2時間ドラマのような予定調和。
このセリフが劇的な変化をもたらすとかはないので、ネットサーフィン・スマホ触りながらも見れるくらいです。
嫁の家出を発端に専業主婦の大変さと、ザ昭和な夫が露わになり、それをきっかけに兄弟が集まり、修復に協力していく。
昭和の夫が稼いで、妻は家庭のことをやるのが当然で、何かにつけて稼いでやっているのに・・・と上から目線。今どきとは思えないセリフが時代を感じる。
逆のことを言うと、鑑賞する世代対象がはっきりしているとも。
DVDでちょうどよいかも。
主婦の皆様、感謝の念に堪えません!
"家族はつらいよ" シリーズ第3作。
レンタルDVDで鑑賞。
ノベライズは未読です。
これほどまでの安定感と安心感。昨今のシリーズ物には無かったように感じました。平田家の騒動に大いに笑い、そして大いに考えさせられる。良質なシリーズだなぁ…
本作のテーマは主婦について。毎日の料理に洗濯、掃除にお買い物、家計のやりくりに四苦八苦。まさに家庭の全てを把握した存在。やってくれることが当たり前だと知らず知らずの内に思い込んでやしないか?―思わずハッとさせられ、身に摘まされる事柄が多く、考えさせられました。
私に妻はおりませんが、実家暮らし故に母のお世話になっています。仕事が終わって家に帰れば晩御飯は出て来るし、昼の弁当だってつくってもらっているし、毎日の洗濯もしかり。恥ずかしい話ではありますが、それが心のどこかで「当たり前」と思っている自分を発見し、反省させられました。
もしも母に家出されたらめちゃくちゃ困ります。平田家のように何もかも上手く運ばなくなるだろうし、火事にはなりかけるは家庭崩壊しかけるは、と云う事態は他人事ではない。主婦とはなんて偉大な存在なのかと実感させられました。
給料の一部を家に入れていますが、その給料を貰えるのは毎日仕事が出来ているから。仕事が出来ると云うことは健康的な生活を送れているから。それは突き詰めれば母のお陰、もとい主婦の存在があるからこそではないかな、と…
毎日感謝しながら、自分で出来ることは自分でして、少しでも母の負担を減らさないといけないと心の底から思いました。
[余談]
鰻重を頼むと何かが勃発していた平田家ですが、本作では頼んだ時点で問題は解決していて、無事に家族で食べることが出来ました。これまでとは違った展開とラストの出来事に、「もしや本作で終わりかしら?」と云う心配が脳裏を過りました。
※修正(2023/04/19)
さすがの安定感
山田洋次と山田組の作る作品はなんだかんだと言われても、映画を観た気にさせてくれる。
絶対にテレビの二時間ドラマよりクオリティ高い。
様々な案を取り入れているのか?タイトル文字も変化にとんでいる。妻よ薔薇のようにの“のように”がドットで打ち出された文字だったり、冒頭の家の絵に合わせて、出演者の名前がクレジットされるのだが、それにも家族の関係性が出ていたり、細かいところまで飽きさせない工夫をしている。
今作の主役は夏川結衣
ある意味、一家の中心である妻ふみえが、泥棒にヘソクリを盗まれた所から、家族内の不満が爆発する。
妻の家出から端を発した展開で、偉そうな口を利いていた其々の夫が支えを失い、ガタガタと崩れていく(笑)
世の中の高齢男性にありがちな態度で、他人の集まりである家族に対して発言がその奥にある甘えを含んだ思いもあるが、素直さを出せないあまりに意思の疎通が出来ない…それ故のトラブル(笑)
そして夫よりもはるかに強かな妻の姿が垣間見えて、観客はどこかで見掛けたシーンに軽く笑ってしまう。
死後のお墓に夫の先祖と入りたくない…と友達とお墓を作って入る宣言をする吉行和子が腰痛になると場面は一転。
いい歳をして、家事も出来ないオッサンたちに笑ってしまうし、風吹ジュンの家政婦さんがオッサンたちに家事の大変さを伝えてくれる。
じっと我慢の妻が家庭を放棄することで家族の方向や意識、現代における価値観の変化などがさらりと出てきて、社会が変わっている事を実感する。
これらを二時間ちょいに込めて作った山田洋次はやはり凄い監督だ。
雨降って地固まる
自然に思い浮かびましたよ。
スナック「史枝」あったら常連に
なりますよー。
おばあちゃん(吉行和子)瀬戸内でのシーン
お墓を別にしたいのセリフに驚いた。
なんか…おばあちゃん したたかやなぁー
(女性の本質なんかなぁ?)
家族あるある 楽しく 笑い
面白く観ました。
信頼感抜群の映画ですね。
嫁さんに思いやり…大事ですね。
ケーキでも買ってくるかぁ!
『男はつらいよ』楽しみです!
いま 幸せかい?
笑えて、ほんのりジーンとして。
現在70代の両親を持つ私には、あまりにもリアルなこのシリーズ。
世代かねー、今作同様、とにかく母に対する父の態度がデカいんだよね。
今回は長男夫婦に訪れた泥棒被害と夫婦喧嘩、更にボヤの騒動。
ウチの夫なら、在宅時に泥棒に入られたと聞いたら、まず私のことを心配するだろうし、私はきっとあんな風に謝らないだろうなぁ。
その辺があの頑固親父のせいなのか、今時の夫婦じゃないみたいでやや違和感。
でも、いるんだよねああいう夫はたくさん。
ヘソクリ如きで妻の身を案じるよりお金の文句。
やれやれ。
家族ならではの感情のぶつけ合いで、時に泣いたり怒って言い過ぎたり、まさに家族はつらいよ。
でもそんな周りの熱い説得や心に訴えかける色々で、頑固親父真っしぐらのパパも素直に。
エンディングで、ボヤの後にずっと焦げ付いたままになっていたキッチンのコンロ奥の壁が、スッカリ綺麗になっているのがとても良かった。
ああやって頑張っているのだよ、主婦と呼ばれる人達は。
次男の妻の妊娠で、また次回作に期待。
はー、楽しかったわ。
モーフィング
橋爪功のキャラがどんどん濃くなって、なんだか寅さん的進化だなと思っていたら、寅さん小ネタが続き、とうとうシーンごと寅さん化。
モーフィング(死語ですかね?)のようで面白かったです。
フラメンコとか墓問題とか、個々の事柄については淡々と観ましたが、むしろ後年観た時に意味があると感じます。
さて、今回は間(ま)を楽しみながら観ました。
ギャグの後の切り方とか、家族間での色々なタイミング。
特にミルクティを持ってくるタイミングは完璧で、心の中で声を上げました。
山田監督はもう評価どうこうではなく、作品を撮り続けて欲しいと思うのみです。
そんな気持ちですが、やっぱり面白かった。
親子断絶している身としては、帰省代わりのいい映画です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハネケ監督の『ハッピーエンド』と続けて観たおかげで、いっそう居心地の良い家族映画として見ることができました。
全10件を表示