「変化と共に失われるコミュニケーション」妻の愛、娘の時 とえさんの映画レビュー(感想・評価)
変化と共に失われるコミュニケーション
一家のおばあちゃんが亡くなったので、お墓に埋葬しようとするが、実は先に亡くなっているおじいちゃんには先妻がいて
おばあちゃんは愛人扱いで、おじいちゃんと一緒に埋葬できない
シルヴィア・チャン演じる娘は、亡くなったおばあちゃんこそ本妻であることを証明するために奔走する
「誰の墓に入れるか」という、とても極東アジアらしい話題について、祖母、母、娘という3世代の女性たちの視点を通して描く
経済の自由化に伴い、急激に変化し続ける中国では、家族が同じ部屋にいても、それぞれがスマホを覗き込み、コミュニケーションが失われていく
日々の忙しさに追われ、目上の人を敬う気持ちや、思いやりすらも無くしていく
熱心に時間をかけて話し合えばいいことも、いがみ合いになってしまう
これは中国だけで起きている問題というより、日本でも起き得る話で、
家族の問題だからこそ、ついいがみ合ってしまうんだろうなと思った
しかし、彼らもいがみ合いをしているうちに、相手への思いやりを持つようになる
なぜなら、彼らは家族だから
女性たちの心理の移り変わりを楽しめた作品だった
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