予兆 散歩する侵略者 劇場版のレビュー・感想・評価
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気が付いたら宇宙人が
宇宙人がいつのまにか入り込み、人間の概念とやらを奪っていく。
ところが一人だけ奪えない女(夏帆)がいた。
ホラーテイストで不気味なのは前半まで、後半は付け足しのような感じ。
本編よりこっち。
黒沢清な時空をより濃くする東出昌大を評す。
「寄生獣」「聖の青春」の羽生役など、心の空洞を覗きたくさせる怪人役で冴える。
だから本編よりこちらか。
ウルトラセブン的チープ滑稽切実なSFの塩梅が心地好い。
抜かれることを想像すると確かに人は概念で出来ている。
まじなのか笑うところなのか判らない
人の概念がどうなっているのか知らないが、ここでは家族、プライド、過去、未来、命、恐怖、異物などの言葉ごとに、分別管理されているようである。
「それもらいます」と言い、額に触れると、そのアーカイブから、ひとつの概念が抜き出される。
器用である。
「プライド」という概念を、他の概念に触れずに抜き出そうたって、人のプライドが形成されるには、いろいろな要素がからんでいると想像され、素人としては、概念一個抜き出したらジェンガのように瓦解するような気がする。
そもそも、この作業の絶望的なまどろっこしさは何なのか、かたわらを通っただけでバタバタと人が倒れるようなパワーがあるにもかかわらず、ガイドをつけて面倒なプロセスで概念を一個一個抜いていく非効率に、地球人といえども「真壁さんもっと手っ取り早くやりましょうや、曲がりなりにも宇宙人でしょ」と、言いたくなる。
それを言うなら山際さんだって、いわくありげに苦悩するばかりで主体性というか危機管理能力にとぼしい。
そこで東出昌大の異様な大きさと染谷将太の意外な小ささにローレル&ハーディ風のドタバタへの淡い期待をしてみるが映画は終始ぜんぜん大まじめ。完全に真剣だとわかると、次第に困ってくる。
真壁さんが概念を抜いた瞬間に「うわあこれがプライドかあ」とか「これが未来かあ、なるほど」とか言うのがけっこう困る。
演技力うんぬんではなく、リアリティと宇宙人的気配にことごとく欠けた東出昌大が「うわあこれがプライドかあ」と感嘆するわけで、それを巨匠たる監督の映画で見ると、笑えばいいのか、戸惑えばいいのか、あるいは侵略に恐怖を感じればいいのか、こっちはただ見ているだけなのに処し方がわからず、困る。
俳優業に羨ましさを感じたこともあるが、プライドという概念を奪って「うわあこれがプライドかあ」と感嘆する演技はやりたくない。改めてたいへんなご商売だと思った。
エツコさんのお友達のヨウコさんが、おもむろに真壁先生をたずねて「真壁さん、なにかすごい秘密をかくしてますよね、ワタシどうしてもそれが知りたいんです」と言うのだが、これが破壊的なまでの脈略のなさ。黒沢監督はTommy Wiseau の影響を受けたのかもしれない。
人を殺しましたと自白をする山際さんに、警官が「ええっと、じゃあね、わるいんだけどココに名前と住所と電話番号書いといてもらえる。あとで連絡するから」と答える。
監督は巨匠という肩書きの庇護下にいるのだが、このシーンは「I did not hit her. It's not true. It's bullshit. I did not hit her. I did not. Oh,hi Mark.」に匹敵する名場面だと思った。
ぜんたいとして「吸血鬼ゴケミドロ」か「美女と液体人間」のような、甚だしい唐突と省略が、観る者を翻弄してやまない。
これらすさまじい唐突と省略の連続にかかわらず、人間の愛や醜さを描き出そうとしている脚本のふてぶてしさ。むりやりの愁嘆場。
大胆なカリカチュアの監督で、それがSFにおいて裏目に出ている。ひたすら嘘くさい。嘘くさいのに、陰影や音や表情などホラー的雰囲気づくりが上手い。そのちぐはぐがさらなる妙。
漫画で吹き出しにセリフでなく、殴り書きのぐるぐるを書く心象表現がある。殴り書きのぐるぐるとは言ったが、うまく表現できない。くしゃくしゃとも言える、デタラメの円の集まりとも言える。
こんこんと諭しても、ぜんぜん理解してもらえない。玉虫色の回答が返ってくるような相手に、言葉が詰まるような場面で、この吹き出しが使われる。
強いあきれだが、怒りをともなわず、無力を感じ、諦めの境地にはいっている。
これを言葉であらわせたら、かなり使いでのある形容になる。The Roomやこの映画にピッタリの形容だと思う。
もし映画館で見ていたら、もう少しアグレッシヴになったかもしれない。巨匠と呼ばれて久しい監督だが、個人的にはその所以が、非常に解りづらい監督である。
侵略者は別の場所でも散歩していた…
身近な人が突然、おかしな言動の別人のように。
人の“概念”を奪って侵略する侵略者と、それに対峙する人々。
黒沢清監督の異色侵略SF『散歩する侵略者』の、アナザー・ストーリー。
元はWOWOWドラマ。
再編集され、劇場公開された。
いきなりズバリだが、本編の方が面白かった。
2組の侵略者とガイドのドラマを平行させ、不穏でミステリアスで、何処かヘンでシュールで可笑しく、クライマックスはSFパニックやスペクタクル的要素、そして主役夫婦の愛のドラマも。
難解ではあったが、話にも面白味あった。
こちらもある夫婦。侵略者のガイドになった夫と、そんな夫に違和感を感じる妻。
そこに、医師の身体を乗っ取った侵略者が絡む。
あちらは異色の作風だったのに対し、こちらはよりサスペンス色が濃い。
これはこれで一種の侵略SFスリラーだが、残念な事に一向に話の面白味が見えてこない。
もし、世界の終わりが来るとすれば…?
人の概念とは…?
一応扱ってる題材は同じなのに、こちらは話的に今一つ不発。
監督は同じ黒沢清だが、脚本家の違いか。脚本は『リング』の高橋洋。
終盤、鉄板の下敷きになりながらも迫り来る侵略者など、サイコ・スリラーかホラーのよう。
それが本作の魅力である異色SFの作風を打ち消してしまっている。
本編と全くと言っていいくらい繋がりやリンクが無いのも残念。
“『散歩する侵略者』スピンオフ・プロジェクト”と銘打ってるが、スピンオフと言うより、アナザー・ストーリー。
あちらはあちら、こちらはこちらのもう一つの『散歩する侵略者』。
夏帆、染谷将太、東出昌大ら本編にも劣らない実力派キャスト。
特に、本編にも別役で出演している東出が印象に残った。
普通に演技すりゃ棒演技だが、本作のような何処かピントの外れた役をやれば、これがなかなか悪くない。
行く行くは、個性派・東出誕生…の予兆。
それにしても、染谷と東出の共演、染谷は右手に違和感を…あの映画を思い浮かべてしまったのは自分だけじゃない筈。
本編とのつながり
本編とはちょっとちがう、ガイドにスポットを当てて悩みや葛藤を描いていた。本編と比べると、合わない部分も多い。本編のカオスな病院のシーン、おそらく東出が起こしたものだろうが、ここではすれ違うだけでバタバタと倒れていた。家族という概念を吸い取られた同僚も、本編の主人公の妹だったら繋がったのになぁ
退屈でした
人の姿をした侵略者、彼らは人間のことを学ぶために概念を奪っていた。
その侵略者のガイドになった男性、その男性の妻である女性。その女性は、概念を奪われない特殊な人間だった。
夫を守るために妻は、侵略者に立ち向かっていくという内容だった。
話が長く、展開も遅いので、途中で飽きてしました。
侵略者や宇宙人の話って、まず学習することが多いですね。
まずは、やっぱり相手を知ることが大切なんだと思いました。
WOWOW版より映画版に期待です。
とってもホラーでした。。。
東出さん、高身長が宇宙人感を醸し出しててとっても不気味に見えました。ターミネーターばりの死に際がめちゃくちゃ怖かった〜。
染谷くん、色んな感情を複雑に持ち合わせる人間らしさを上手く表現されていました。恐怖と痛みと憎しみと愛と...ガイドとなってしまった恐怖を徐々に実感して苦しむ姿、本当に怖かった〜。
夏帆チャン、頼りがいのある奥様。カッコよかった〜♡
唯一の人類を救えるかもしれない特別な人なのに旦那様と一緒に居ることを優先してしまうなんて。
やっぱり「この世の終わり」になれば、自分の幸せが一番ですよね!
恐怖の概念
「散歩する侵略者」のスピンオフですが、こちらは日常に紛れ込んだ不気味な侵略者の恐怖を描いた、ホラー色の強い作品です。
「散歩する侵略者」は愛の概念がポイントになっていたのが、こちらは恐怖の概念がポイントになっている感じです。
個人的には、ホラーテイストのこちらの作品の方が好みです。
WOWOWのドラマ版も観ていましたが、やはり音響など劇場空間で観る方が不穏な迫力が伝わり良いです。
俳優陣の演技も良いと思います。
東出昌大の不気味な気持ち悪さが光っています。
面白かったWOWOW版より断然面白い!WOWOW版はどうにもぶつ切...
面白かったWOWOW版より断然面白い!WOWOW版はどうにもぶつ切り感が否めなかったけど劇場版を観て納得。こっちがオリジナルだ。音の演出も素晴らしく、これは将来ソフト化されたとき再現されるのか?例えされても家庭での再生環境に左右されるだろう。やはり今映画館で観るべき作品だ。
そして俳優陣が素晴らしい!東出くんが恐ろしく染谷くんが情けなく夏帆ちゃんがかっけーです!
演技は、緊張感あるけど、話がついていけない💦
監督も言ってたけど、この3人の演技が素晴らしい‼️そのひと言に尽きる‼️私としてはちゃっと怖くてドキドキ💦しちゃう感じでした。結局最後は、侵略が始まるんだぁ〰︎💦(笑)
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