目撃者 闇の中の瞳のレビュー・感想・評価
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寓話の裏切り――正直者は得をしない
ライターの西森路代さんがお薦めしていたこともあり観たが、これは本当に「人怖話」だ。事件の関係者はそれぞれ、欲望や強迫観念やしがらみに捕らえられ、嘘をつく。そして最後は、真実を踏みにじって「賢い選択」をした者が得をする。正義は勝たないことを見せつけられるのが怖い。
事件の関係者であるチウ内務大臣を告発しない見返りに、シャオチーは内務省広報官に取り立てられる。記者会見で、彼はあるホラーを披露する。「本屋でいちばん怖いという本を1000台湾ドルで買った男。店主から、最後のページは絶対見てはいけない、そこがいちばん怖い、と告げられる。好奇心に負け、最後のページを開いてしまう。そこにはこうあった。『定価15台湾ドル』」。これは単なる笑い話ではなく、この映画のテーマに関わっている。
つまり、愚直な正直者は損をする、という。「正直者の頭に神宿る」ということを納得させる寓話とは真逆の「真理」を示して、私たちを怯えさせるのだ。
凝った謎解きサスペンス、期待できる監督
関係者の証言や回想に少しずつ嘘がまじっていて、真実に一歩近づいたと観客に思わせて実はミスリードしていく。その手腕がなかなか鮮やかで、しかも後半にとんでもない残酷描写も飛び出して意外性も十分。
聞けばチェン・ウェイハオ監督、台湾では珍しくホラー映画で頭角を現した新鋭とか。恋愛映画や少年少女を主人公にしたほのぼの系の印象が強い台湾映画だが、別のジャンルだって面白い作品があることを証明してくれた。
香港や韓国のサスペンス映画にありそうな、驚愕の真実、あっと驚く展開が山盛りの、どちらかと言えばリアリティーよりも話の面白さ重視の作劇だが、脚本がよく練られていて再見したいと思わせる。このジャンルが好きな人にとっては、見逃したらもったいない力作だ。
最後のページは開くな!
みんな嘘つき。これだけ嘘つかれたらミスリードどころかつまらなくなってくる。さらに何度も過去に遡るため、え・・・どうなったの?と混乱してしまう場面も。しかし、最後にホラー映画好きにはたまらない映像が・・・オェ
ま、正義感の強い新聞記者なら9年も事故を放っておくはずがない。中古とはいえBMWに乗ってるんだから安月給ではあるまいという疑念から始まるのだ。登場する人物は怪しい者ばかりだし、政治家の不倫を暴こうと失敗してしまい解雇されても調査し続けるってのもねぇ~
最後まで諦めずに見ることができて良かった。色々映画賞を獲得している事実がなかったら、途中で諦めてたかも・・・
原題の「Who killed Cock Robin?」(誰がコマドリを殺したのか?)が気になって調べてみると、元々はマザーグースの一つであるクックロビンをミステリーに用いた小説が由来らしい。ややこしい話が多いのね・・・
偶然に偶然を重ね、ミスリードにミスリードをかぶせまくる姑息な間延び冗長劇
真実が明らかにされるほどに急加速!
新聞記者が9年前の死亡交通事故を再調査するといろいろなことが判明する。 登場人物がほとんど悪人。 この映画がサイコスリラーだということは終盤になって初めて判る。
動画配信で映画「目撃者 闇の中の瞳」を見た。
劇場公開日:2018年1月13日
2017年製作/117分/PG12/台湾
原題:目撃者之追凶/WHO KILLED COCK ROBIN
配給:フルモテルモ、コピアポア・フィルム
莊凱勛
許瑋甯
柯佳嬿
李淳
李銘順
湯志偉
言語はほとんど中国語普通語。
ときおり福建語(台湾語)が混じるのは台湾映画らしい。
莊凱勛が主人公。
新聞記者で9年前の死亡交通事故の目撃者である。
許瑋甯も新聞記者。
美人である。
柯佳嬿は9年前の死亡交通事故の生き残った被害者。
この人も美人。
新聞記者が9年前の死亡交通事故を再調査するといろいろなことが判明する。
登場人物がほとんど悪人。
この映画がサイコスリラーだということは終盤になって初めて判る。
警察官(李淳)が凶悪犯罪者ってありなのかな?
満足度は5点満点で2点☆☆です。
同じ穴のムジナ
出てくる人出てくる人みんな腐ってる。新聞記者、政治家、警察。身代金目的の誘拐犯3人組と何が違うのか。結局最後に笑うのは上手く立ち回った人間。
台湾のイヤミス。脚本が面白かった。実はマギーが運転していましたと言うところはちょっとクドい。今更どっちでも同じだよ!
ストーリーが分かりにくい部分があったのと、俳優陣の演技がわざとらしい部分が少し気になったが、全体を通して面白かった。
チョン・スー・ソー
面白い
よくできたシナリオ。
しっかりと分かりやすく細部まで回収される伏線。
そして、青い鳥。
青い鳥が予見するシーンには、、、
そして、この鳥は9年前にも一度だけ出てくる。
こういった遊び心は観る人を楽しくさせてくれる。
高度な伏線が予測不可能な秀逸な脚本
これは二度見したくなる、綿密に計算され尽くした脚本。高度な伏線が張り巡らされ、予測不可能な展開と斬新な結末を楽しめる、優良な台湾製サスペンススリラーである。全国12館と地味に上映されているが、観て損はない。
台湾アカデミー賞"第54回(2017)金馬奨"では、主演男優賞をはじめ5部門にノミネートされた。金馬奨はエンターテイメント性の高い作品を選ばれにくいので、受賞は逃したが、台湾で大ヒットを記録している。
主人公シャオチーが、中古で購入した愛車が、巧妙に修理された事故車とわかり、しかも、自分が9年前に偶然目撃した交通死亡事故に使われていた車だった・・・。
当時は見習いだったシャオチーは、今やスクープ事件を追いかけるバリバリの中堅新聞記者。この事件を調べはじめると、犯人は逃走して不明、瀕死の重傷を追った唯一の被害者も行方不明になっていた。そして単なる目撃者だったはずの自分も関わる新事実が次々と明らかになっていく。
事件に直接関わる人間は7人。一見、無関係に見える全員が、ひとつの交通事故を接点につながっている。そして犯罪者でもあり被害者でもある意外性。その真相は最後の最後まで分からず、どんどん引き込まれていく。
カーアクションなどのカメラワークも質が高く、VFXを効果的に使った事故シーンや関係者の回想が何度も繰り返されながら、映像編集によって、謎を解き明かしていくスマートさがいい。
原題サブタイトルの"Who Killed Cock Robin"は、マザーグースの有名な童謡。日本では北原白秋が「駒鳥(コマドリ)のお葬式」として訳詞紹介しているが、その内容が殺人をイメージさせるからか、推理作品にたびたびモチーフとして使われている。特に本作のような連鎖的なイメージにはピッタリ。
(2018/1/31 /シネマカリテ/シネスコ/最上麻衣子)
コリアンムービーか。
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