聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアのレビュー・感想・評価
全97件中、41~60件目を表示
少年は身の毛がよだつ悲劇を射る
『女王陛下のお気に入り』を見たので、まだ見てなかったヨルゴス・ランティモス監督作品を。その2。
カンヌ国際映画祭脚本賞受賞の2017年の作品。
『女王陛下のお気に入り』も『ロブスター』もブラック・コメディ調の作品だったが、こちらは不穏なムード漂う不条理スリラー。
ミヒャエル・ハネケの『ファニーゲーム』を彷彿とさせた。
美しい妻、二人の子供、何不自由なく平穏に暮らす外科医のスティーヴン。
そんな彼が一人の少年マーティンを招き入れた事をきっかけに…。
マーティン役のバリー・コーガンが異様な存在感を放つ。
初見時から、虚ろな目、覇気や精気の無い表情に何とも怪訝を感じた。
しかしひと度口を開くと、お喋り好きで、礼儀もわきまえ、スッと懐に入ってくる。
好青年のように思えるが、でも何処か厚かましさも…。
彼と知り合ってから、奇妙な出来事が続発する。
子供たちが急に立てなくなり、食べれなくなり、目から出血を…。
マーティンは一体何者か…? スティーヴンに近付いた目的は…?
やがてスティーヴンも、究極の選択を強いられる…。
不穏なムード漂うスリラーと言うより、もはやホラーと言っていい。
不協和音のような音楽も耳に響く。
目を背けたくなるようなシーンから始まり、終始身の毛がよだつ。
マーティンの目的も徐々に明かされ、ムードも話も一級のスリラーかと思いきや、
やはりランティモス作品。難解。
ギリシャ悲劇をベースにしており、話の筋は追えても、本当の意味はなかなか分かり難いものがあるだろう。
この不気味さだけでも感じれれば…。
コリン・ファレルは円熟の演技。
ニコール・キッドマンは相変わらずお美しい。ベッドの上で悩殺ポーズあり。
長女役の女の子が、『トゥモローランド』のアンドロイド少女だと知ってびっくり! 大きくなった~。
バリー・コーガン聖なる演技
個人評価:4.1
素晴らしく恐ろしいストーリー。
鬼才の他作品と同様に、キューブリック作品の様な、異様な恐怖の中にも美しさが混在している。
罪と命の等価交換や、家族の命の選別など、惹きつけられる内容とテーマ。
またマーティン役のバリー・コーガンの演技が素晴らしい。狂気を帯びた少年が語る言葉は、どれも適切で説得力があり、選び抜かれた台詞と感じる。それは16歳の少年が口にすれば違和感しかない言葉のはずだが、見事に自身の言葉として台詞を操っている。ニコール・キッドマンや、コリン・ファレルなどの名優を完全にくっている圧巻の演技だ。
鹿を殺すように◯◯を殺す
少年がかけた呪い?によって起きていく現象に怯える両親。
眼から血が出たら、明らかに精神疾患ではないので病院行けば良いのに。
と思ったけど行っても科学的には原因がつかめないともうわかっているから最悪の決断をしたわけですね。
追い込まれてどんどん視野が狭くなる、って普通にあることです。
それを物凄く、ある意味大袈裟に物語って見せた。
そこが凄いと思いました。
その奇妙さが、心に残りました。
エンタメ作品
プロットがしっかりしていて、ストーリーも分かり易くかなりスッと入ってきます。難解ではないと思います。
科学的な存在である医師の家族が、身の回りに起こる超自然現象に振り回され、最後は神または預言者であるマーティンに屈服するという、乱暴に言えばそんな内容です。ラストがいいです。
家族が破綻(平穏?)を迎えるまで、リズムがとーってもいいので、飽きないです。音楽の使い方も分かりやすくてうまい。
深く考えずエンタメ作品として見るのがいいかと。
難解…
正義と対等、支配権の奪い合い、作品のメタファーが深い。
オペ中に父を殺した(助けられなかった)医者を、医者だからしょうがない、という観点では見ずに、家族を殺した人間、として目には目をの精神で医者の家族を一人、医者の手によって殺させる話。
最後の目隠ししてロシアンルーレットで殺す家族を決めるシーンが怖かった…。
ギリシャ神話が元になっているようで、勉強したらもっと理解が深まるはず。
でも難解…。
バリー・コーガンの魅力全開
バリー君の怪演が光る。所作、目線ひとつとっても彼の存在が本当に怖かった。
終始不穏な空気でビクビクしながらの鑑賞。
映像はスタイリッシュだった。
父が犯した罪を家族に贖わせるという残酷さ。
因果応報なんだけど不条理な感じもあった。
それぞれが犠牲になりたくない、と必死になる家族たちの様が滑稽にすら見えて本当に意地の悪い監督だなあと。
鹿は出てこない❗
星🌟🌟🌟 一応レビューを見て行ったのですがすごく難しい作品でした😵子供たちが足が立たなくなるのも少年が催眠術か超能力でそうしてるのか?呪いをかけたのか?もうちょっと解るようにして欲しかったです❗見終わったあとなんだかモヤモヤした気分でした😵コリンファレルとニコール・キッドマンはいい演技してたので星🌟🌟🌟付けたのですが…
素朴なふりして意外と性悪
元ネタがあるようだが、『ロブスター』よりはヘンテコ度合いは低め。といってもとにかく話がどう転がっていくのかわからなくて、何でもないところでビクついたり、夫婦の寝室でのごっことはいえ「全身麻酔」フェチには困惑したりと翻弄されっぱなしだった。
不条理かつ絶対的な力に屈する家族
スリラーかと思いきや、少年の持つあがなえない力に屈するコリン・ファレルとニコール・キッドマンの夫婦、そしてその子供たちの物語。
この不条理かつ絶対的な力は好きになれない。
全97件中、41~60件目を表示