「不信感がもう当たり前の世界で。」ジュピターズ・ムーン ytoshikさんの映画レビュー(感想・評価)
不信感がもう当たり前の世界で。
全面的にキリスト教的教養もないと、何の話?で終わるのは日本では当然かも。
これSFなのか、科学的に楽しむ要素はほとんどないし。まさか題名からそうジャンル付けしてないよね。w
ハンガリーが、難民拒否の時代によく作ったなと思うけど、本編では金がある程度自由になるから、カンヌではあまり受けなかったのかも。
シリアで父親大工は分かりやす過ぎて、「あ、そうなのね、じゃ飛べるわけだ。復活したわけね。」と急に納得するわけだけど、靴ひももエピソードとしては、分かりやす過ぎて聖書的にちょっと安易に見えたのかもね。
メッセージとしては、経験のない事をただ怖がって逃げるだけの社会に幸福が訪れるのかという問いかけかな。
天使も復活も、経験として認知してないから、ありえない事で終わり。
空中浮遊も、できる人間がいる事を人類として認知してないだけなんだけど、絶対にないという世界。
そして、それを超えて来る奇跡は、却下されていく。ラストシーンは、立ち止まって空を見上げて、神の意志の表れを受け取るべし、というような安直な演出と受け取られちゃったのかなぁ。
登場人物にあまり魅力がないのと、キリストをもってきたわりに、医師の悔い改めも中途半端で、佳作といった所。リアリティ保ちたいのはわかるけれど、という。
でもメッセージは、とても重要な点をついているので、もっとそこを深堀したものを次回以降に期待。
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