「観る人によって刺さるシーンや響き方が違う面白い作品」あの頃、君を追いかけた kin-chan🍎さんの映画レビュー(感想・評価)
観る人によって刺さるシーンや響き方が違う面白い作品
2回目に観た9月28日の試写会の後、この作品についての感想を語りながら食事をしていた時のこと。
先行上映等を経て、もう既に何度目かの鑑賞となるけど、いつも同じシーンで涙してしまう、と語る友人。
…素敵だなぁ、と心から思った。
相槌をうちながら、私はどうだったかな、と考える。
私は2回目の今回に至っても、終始、微笑んで観ていたように思う。
何しろ浩介が、真愛が、詩子が、陽平が、健人が、寿音が、一樹が、とっても愛しく思えて仕方がなかったから。
それと、正直にいうと、「あの頃」とか、「青春」とか、一言口にしてしまうと、そこからかなり遠くまで来てしまった事を、まざまさと思い知らされる気がして無意識に避けているというふしもあるかもしれない(笑)
「今」をずっと生きてさえいれば、何も変わらずに居られるから。
そんな私だけど、浩介と真愛のあの月の夜のような
微妙なフワフワとした距離感は「あの頃」
確かにあったかもなぁ、と
まるで引き出しの奥の方にクシャッとなってた埃だらけの写真をみつけてしまった時のような
急に引き戻される様な感覚を覚えた。
きっと観た人、それぞれの過ごした時間の中にある
それぞれの何かと響き合うものがある作品なのではと思う。
これから何度でも観る事が出来る作品だと思う。
そこに何度でも引き戻されて、鮮やかに蘇ってくる感覚に身を浸したいと思うから。