「思いでをぶち壊された駄作」デジモンアドベンチャー tri. 第6章「ぼくらの未来」 チョつおさんの映画レビュー(感想・評価)
思いでをぶち壊された駄作
まず、4章あたりから駄作の臭いを嗅ぐわせていましたが案の定でした。
まず4章でリブートしたことによって記憶がなくなったはずのデジモンたちがまるで記憶がある前のパートナーデジモンのように振る舞う姿が気持ち悪く感じ。
兄である太一への依存が祟りオルディネモンを生み出す切っ掛けになったヒカリも、そのことに関しては02の時の「ダゴモンの海」でタケルに指摘されています。
それなのに絶望したヒカリにも失望しましたが、タケルのほうにも失望しました。
意気消沈してるヒカリを叱咤激励するでもなく心配するだけで、しかもパタモンの行動で一気にそれがイチャついているような場違いな状態に。
その後ゲンナイがヒカリを更に絶望させようと呼び出したデジモンは「デビモン」。デビモンはタケルの絶望の象徴であってヒカリは関わってすらいないデジモンです。しかもそのデビモンが他の成熟期デジモンもいましたがホーリーエンジェモンを圧倒。
ヒカリちゃんの絶望を誘うのなら「ヴァンデモン」「黒いダゴモン」もしくは感染した「ウィザーモン」を使ってほしかったです。
タイミングと挿入歌の演出が最高だからこそ輝く進化バンクもただの尺稼ぎ。
アグモン、ガブモンも加えて全員ワープ進化せずの究極進化までの3段階進化。
しかも究極体よりも成熟期で戦っていたほうがオルディネモンに善戦していると究極体とはなんなのかレベル。
軍隊が出て来て攻撃したりしましたが、完全体だけで核爆弾1個分あるはずのデジモンがよろめいたり、痛がったりと違和感しかないシーン。
そんななかでも、光子朗、ハックモンの行動だけは評価できます。
3章時からみんなが動かなくても自分だけでも調べつづけて答えを導き出す。子供のころの何でもかんでも知りたがる心を思い出した光子朗は、今回も地球のリブートやオルディネモンの侵攻に何とか対処出来ないか探しつづけます。
最終的にはヒカリか「全て光はメイクーモンの中に」という言葉で答えに辿り着きますが、それは今までの調べていた軌跡が為したことであり評価できます。
ハックモンは、ホメオスタシスの使者として人間を監視する役目を担っていました。
そんなハックモンだからこそホメオスタシスの決めた地球のリブートも自分の本意ではないと人の心を少しでも理解しているような描写があり、選ばれしこどもたちが可能性を見せてくれた結果、単騎でオルディネモンからテイルモンを救出し、地球のリブートすらも止めてくれました。
この最終章に出た新オメガモン。オメガモンマーシフルモードも、メイクーモンが内包し続けた全てのデジモンたちの記憶データを使うことで、初めてオメガモンが誕生したのとは逆、今度はデジモンたちの想いを受けて進化するのだと上映中は予想していました。シャウトモンX7スペリオルモードのようになるのだと、ですがその正体は究極体デジモン全員のデータを受け取って進化しただけというみすぼらしいもの。
そもそも究極体への進化自体4章からは適当でなんのありがたみも感じません。最後のホーリードラモンもヒカリの成長がなにも感じられずの進化なので余計です(エンジェウーモンからの究極進化は気持ち悪くそれも相まって最悪)
しかもこどもたちが成長したことで紋章の輝きは無印時代よりも鈍っています。
その輝きで進化されても……となり、しかもグレイソードの刃先は刀というカオスモンのバンチョーレオアームズのドス刀のパクリという最悪さ。
その力でメイクーモンを助けるのかと思えばそうではなく、一切の救済シーンもなく呆気なく殺されてしまいます。
02の映画1作目で敵になってしまったチョコモンへの葛藤が綺麗に描かれていたので二番煎じでしかありません。
デジモンという大切な宝物を泥で汚されるというより、空から隕石が降ってきて粉々に砕かれるようなそんな作品です。
見るのにかなりのストレスを抱えると思います。
アドベンチャーファン(他シリーズを知らない)が作った自己満足な続編。
新規プロジェクトも動いているそうですが、どうか製作スタッフは全員やめていただきたいです。