バトル・オブ・ザ・セクシーズのレビュー・感想・評価
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痛快なだけではない
ビリー・ジーン・キング夫人てそういえば「エースをねらえ!」に出てきたよね。どこかで聞いた名だと思った...。
というのはともかく、「闘う女」ビリー・ジーン・キングはただ格好いいというのではないのがいい。悩むし挫けるし色々気にするし。そういう時代背景もあろうが、ただただ強いヒロインじゃないところが素敵だった。
エマ・ストーンもだいぶ寄せてきてたけどスティーブ・カレルの寄せ方半端ないですね。彼は口は達者で神経を逆なでするけど、悪い奴には見えないところが見どころでした。道化に徹しきった人という感じ。ビリー・ジーン・キングが戦ったのはボビー・リッグスの背後に隠れていた大勢の男尊女卑概念だったんだろうなと。おちゃらけが過ぎる彼の成績も凄いものなわけで、あの試合というのがいかに重要なものだったのかが分かります。
ラリー・キング氏はいい奴ですねえ...。
エマ・ストーンの凄さ
映画としては、すごく面白かった(ドキドキ…興奮した!)けど、スポーツ好きとしては、やや違和感も。チャンピオンまで登りつめた選手ならもっと精神的に強いはずだと…もっともっとストイックなのではと。しかし、それにしてもエマ・ストーンの変身は凄かった。女優を超えてアスリートに…ひげも生えてきそうなほどに。
世界観と脚本の業
リトルミスサンシャイン監督作品
性差とは?人を愛するとは?
巧みな演出と素晴らしい脚本(始まって15分でキャラクターがハッキリする)と同監督らしい音楽の使い方。真っ直ぐに、前情報少なめで是非。来年のオスカーに乗ってきそうな予感。
最近ブームになったおっさんずラブといい、自由な愛が描かれていて嬉しい。個人的には好きな人にみせたくなった。最後のアランカミングの台詞も良かった。
主観で考えることも大事だけど、相手の事を理解して側に居ることが一番幸せなのかもしれない。セックスだけが愛の表現やゴールではなく、相手を心から受け止める事が愛だ。
作品自体もフェアな視点を貫いた傑作
まずキャスティングに注目したい。
主演の座は二転三転し、一時は「ルーム」や来年公開予定のマーベル最新作「キャプテン・マーベル」で主演を務めたブリー・ラーソンで企画が進んでいたが、製作側の猛プッシュで昨年ラ・ラ・ランドでアカデミー主演女優賞を受賞せたエマ・ストーンが最終的に主演の座を射止めた。
ハリウッドをはじめとする#metoo運動を象徴とするような運命を背負ってしまった本作。やはり今この映画のビリー・ジーン・キングを演じることができるのはエマ・ストーンしかいない。
しかし、本作は決して女性が男性を打ち負かして万歳ー!といった単純な思考回路ではないところがよい。対戦相手となるボビー・リッグスを演じたスティーブ・カレルの演技も素晴らしく、彼は女性の敵の象徴として試合に臨むが、彼は真剣に闘った。そして奥さんとの関係、子供との関係と、色んな角度から彼のダメさというのが描かれていくのだが、"悪"としては決して描いていない。(煽られてとんでもない性差別発言をしてしまうところは決して許されないが)
映画自体がどちらの味方をするわけでもなくフェアな視点を貫いているのことが、「ただ男性と対等に扱わることを望む」というビリーの思い、作品のテーマともバッチリ合っている。私は文句なしの傑作だと思う。
撮影監督はラ・ラ・ランドでエマ・ストーンを生き生きと映し出したリヌス・サンドグレン!監督はリトル・ミス・サンシャインのジョナサン・デイトンとバレリー・ファレス夫婦、製作は次回007での監督も決まっているダニー・ボイルときたら何かが起こりそうな気がしてならなかった。(笑)
劇中の女性達が述べていることは全部正しい、というかそれって普通だろ?!っていうレベルなのですが、こんな差別が本当にあり、未だにいたるところ(特にハリウッド)では根強く残っている。
ベネディクト・カンバーバッチが「私は女性俳優にも対等にギャラが支払われる作品にしか出ない」と明言し、顔だけでなく心までイケメンであることが証明されたのですが、暴漢に襲われていた男性を救ったというニュースがあり、映画の中だけでなく現実でもアベンジャーズ であることが証明されました。
最後は全く作品と関係なくなりましたが(笑)ハリウッドセクハラオヤジはカンバーバッチ君を見習って欲しい(笑)
憧れていたアメリカの実態
本年度見たかった1本。
1970年代にアメリカのテニス界に起きた差別に関する実話なのですが、アメリカって国は大変に不思議に感じる国で、1970年代と言えば、もっともアメリカが強く、豊かな頃で、日本人の誰もが憧れた国であるんだけど、例えば、黒人に対する差別、男女に対する差別、意外に寛大な国のようなイメージなんだけど、結構つまらない事にこだわるんだなと、本作品でも、当時、子供あり、やはりアメリカに憧れた私自身としては、少しショッキングな内容でした。
内容の方は、前半はテンポがよく、後半少しダレルかな・・・・
しかし、映画の中も1970年代そのもので、主演のエマ・ストーンも大変に当時の雰囲気をしっかり作っていて大変良かったかな、特にエマ・ストーンの演技は素晴らしかったな・・・・
本来、エマ・ストーン演じるビリー・ジーン・キングの男女差別に対するお話なのですが、他にも色々と当時の人達のそれぞれの事情に対する戦いや情緒を描いていて、ブラックユーモアも含めて要所要所面白く出来ています。
女心を立体的に描く傑作
エマ・ストーンは「教授のおかしな妄想殺人」で可愛い女子大生を違和感なく演じていて、「ラ・ラ・ランド」はその延長線上みたいな演技だったが、本作品ではうって変わって大人の女の複雑な心を余すところなく演じていて、非常に好感が持てた。
人間は多かれ少なかれ、プレッシャーを感じながら生きている。プレッシャーがそのままストレスとなって体を壊したり鬱になったりする人もいれば、プレッシャーを押し返して強く生きる人もいる。ただ、最初からプレッシャーに強い人はいない。習うより慣れろでプレッシャーに慣れていくのだ。
慣れていくためには怖じ気づいてはいけない。やるべきことをやるしか、プレッシャー克服の道はない。そして少しずつ様々なプレッシャーを克服していく中で、徐々に大きなプレッシャーにも耐えられるようになる。人間はそうやって成長していく。
とはいえ、大きなプレッシャーの中で無人の荒野をひとりで歩いて行けるほど、人間は強くない。誰かの後押しがなければただの一歩さえ踏み出せないだろう。
本作品は、第二次大戦後の目まぐるしく価値観が変動する時代に、前人未踏の道を歩んだ勇気ある女性の物語で、彼女が必ずしも鉄の意志の持ち主ではなく、苦しい道を泣きながら、笑いながら登っていった様子を、細かなシーンで女心の機微に触れながら描いていく。エマ・ストーンの女優魂が余すところなく発揮された傑作である。
別人!?
対戦相手のスティーブ-・カレル、この人ホントに色々やってくれるね。本人そっくり!
キング もこれまた別人になった
エマ・ストーン
試合も白熱して、本格的に特訓したのかしら。70年代って ウーマンリブの最中だったね。それと何故かテニス女子にゲイが
多かった、その背景で自らの主張を曲げず、女性を敬うことを叫び、戦った女性。清々しい。
ビリージーンキング
ふざけた態度で挑発するスティーヴ・カレルをエマ・ストーンがギタギタにする話かなと予告編で思ったのですが、そんな単純な話ではなかったです。期待以上に面白かった。
まさにテニスを持って時代を変えた女性の話。ラストシーンでは自分も立ち上がって叫び声を上げたくなった。
これは特に男性に曲げて解釈して欲しくないのですが、男vs女!!ではなく、「実力があるのに性別のみで不当な扱いを受けた人」が差別主義者の権力者に抗う話ですよ。
ただ…一つだけモヤッたのは、ビリージーンがっつり浮気してますよね。これはもう性別時代関係なく、どんな事情があっても私には受け入れられないかも。
アメリカの差別。
これ、70年代で、そんな昔ではないけど、
かなりの男女差別あったね。
現実、じっさいの現代のアメリカも、男女差別、人種差別もまだまだあるし、
それを解決しようとする動きもあるのも、事実。
ある意味日本の方が、平等な面も多いかも。
家の財布は、女性が握ってるなんて、アメリカでもあるのかな?
肝心の映画は、そこそこ良いかと。
ボビーと、奥さんの関係は、ある種の政略結婚だったのかな?どうして結婚したとか、有名な話なのかな?
ボビーも、日本人でどれくらいすごい選手かとか、
まあ、優勝するぐらいのレベルだっぐらいの知識。
ビリージーンと、旦那の関係も、なんなの?
元トレーナーだったの?
テニスのシーンは、ほんとのプロのようで良かった。
カバンにラケットケースがついてるヤツ、
昔はカッコよく見えたのに、今見るとなんか変だね。
最後の試合は、ボビーはなんで練習しなかったの?
サプリメントの宣伝だって、フェイクで出来たのに、
それほど、ビリージーンを馬鹿にしてたという描写かな?
男女差別ではなく、男女の区別を正しくして、
両性が、幸福に暮らせる社会を望む。
とか、まとめておきます。
強い女性?
1970年代初頭、ウーマンリブの運動が台頭し始めた時代。テニスの女王ビリー・ジーン・キング(エマ・ストーン)は、男子とのツアー賞金があまりに違うことに異議を唱えて、女子だけのツアーを立ち上げる。
勝気で真っ向から男性上位の風潮と闘い、紆余曲折を経てシニアプロのボビー・リッグス(スティーブ・カレル)と試合をすることになる。ボビーは、ビリーを破ってツアー優勝したマーガレット・コートを破って、男尊女卑の発言をテレビで公言する、軽薄なオヤジだ。さて、その戦いの行方はいかに…。
といったストーリーだが、女性蔑視やLGBTなど、人種差別とまた違った差別と、テニスという世界を通して戦うビリージーンの活躍が楽しい。
エマ・ストーンは、「ラ・ラ・ランド」とは全く違う、戦う女性の役をしっかり演じてみせた。不平等を許せず闘うが、決してとても強いわけではなく、精神的なもろさを持ち、悩んだり怯えたりしている普通の人間である。弱さを歯を食いしばってしのぐ微妙な役どころを、上手く表現していたと思う。
対して敵役のボビーを演じたスティーブ・カレル。先日公開の「30年目の同窓会」で、弱ったおとなしいオヤジキャラだったが、全く逆の大言壮語で軽薄な小憎たらしいジジイを、見事にやり切った。こちらも、口では脳天気な事を言いながら、家庭に問題を抱えて、弱ったりさみしいところを垣間見せる、人間味のある役どころ。
ビリー対ボビーの、男性対女性の世紀の対決を軸に見せながら、差別者と被差別者という陰な構図ではなく、彼らを取り巻く状況やエピソードを前向きに、コメディタッチで描いた好感の持てる作品だ?
ララランドのイメージが...
スポーツ界の賞金金額や待遇などの男女差別。
今でもありますよね。
なかなか難しい案件を取り上げた問題提議的な作品!
ほぼ50年前にこんな矛盾に立ち上がった女性達の姿が素晴らしいと思いました。
ってか、エマ・ストーンさん。
ララランドのイメージとかけ離れていてビックリ。
演技が凄い!
(メモ:ウィンブルドン2018 錦織圭vsジョコビッチを観ながら書き込み中)
価値観は変えられる!
MeToo運動や、セクハラ発言が注目となっている2018年に観るべき映画だと思います。
ジリー・ビーン・キングは、現代より露骨に性差別が行われる40年以上前に、リスクを覚悟して、自らの信念で既得権益に挑み、挑戦する姿に心動かされました。
演じるエマストーンのLalalandとは、全く違うスポーツ選手の面構え!演技の幅に脱帽!
スティーヴ・カレルの演じる嫌味だけど、嫌いになりきれないボビー・リッグスに、ニンマリして、最高のキャスティングでした!
公開館数が少し少ないですが、秀作です。
人生をかけた試合
全体を通して結果としては良い作品でした。
私の想像していた展開とは若干違いがありましたので途中、中弛み感はありましたが、後半は盛り上がれました!
男女平等や保守的な考え方に対する個々の価値観の市民権も、この様な人たちの戦いがあって今は得られてきているのだなぁとつくづく感じました。
このテニスの対戦がこれほどまでに盛り上がれるのも〝さすがアメリカ!〟と感じます。
でも、ビリー・ジーンとボビーにとっては自分の人生を賭けた大切な試合だったのですね。
エマ・ストーン 変身
エマ・ストーンの演技力の幅を感じさせる秀作。雰囲気がとてもよく似ていたと思う。実話のヒロインを演じるのは大変だけど楽しめる作品でした。
この時代のテニスが好きだったのでクリス・エバートが登場したのがとても懐かしく思えました。
ハリウッドギャラ問題
ひと昔前に描かれたステレオ・タイプなフェミニストは、ブスでヒステリックで不幸になるというオチだったと記憶していますが、この作品で描かれたビリー・ジーン・キングは、カッコよくて、頭が良くて、美しい女性でした。もしや監督は女性?と思ったら、「ルビー・スパークス」のジョナサン・デイトン&バレリー・ファリスではありませんか。流石ですね。
劇中でビリー・ジーン・キングが問題にしているテニス界の賞金の男女格差。これ、昨今ハリウッドで取り上げられた男優と女優のギャラ格差と同じことを言ってますよね?もしやこの作品、ハリウッドのギャラ男女格差を想像させる作りになっているのでしょうか。
我が国日本でも男女の賃金格差はいまだに大きいですし、40年近くたっても根本はあまり変わっていないのだと思います。だけどここ数年、アメリカ映画界は、若くて綺麗な女性がメインキャストの作品ばかりではなくなってきています。また、昔はレズビアンを描いた映画は、ほとんどありませんでした。今は、Me tooに賛同する男性がアメリカには沢山います。ああ、アメリカが羨ましい。
アメリカのMe tooの大きな波がこの作品と共に日本にも到来しますように。
主張
男尊女卑が罷り通っていた1970年代のアメリカで、全米テニス協会の姿勢に反目し女子テニス協会を立ち上げたビリー・ジーン・キングが元世界王者でシニアのボビー・リッグスとエキジビションマッチを行う話。
女子テニス協会の立ち上げからキングのプライベートな事案やボビーの思惑を絡めつつ対戦に至るストーリー。
現在に至るまで差別意識の蔓延るアメリカに於いて、それに立ち向かった姿勢とスポ根物語で非常に面白かった。
ただ、事実だし昨今の流れだし関連が無い訳ではないけれどLGBTQの話は別じゃないか?このストーリーだからこそ、クローズアップして載せている感じが気になった。
余談ながら、エマ・ストーン7㎏増量でその体型!?とかテニスの力量とか、プロフェッショナルな俳優の凄さも素晴らしい。
おしゃれなウーマンリブ
女の敵が女だったり、スポーツとスポンサーの闇だったり、テーマはうんざりするような古臭いもので目新しさを感じない。普遍的と言えばそうかもしれないけど。
70年代のテニスウエアやファッションがお洒落なのと、テニスの試合のシーンがドキュメントタッチで誇張され過ぎてないところが良かった。
社会問題に一石を投じる映画
性差別、男女格差、近年ハリウッドでも常に話題に上がる問題。
スティーヴカリル演じる男性至上主義の元テニス選手、エマストーン演じる男性格差を無くそうと運動する現役女王。
2人の演技が見事でした。
容姿も実物とそっくりでビックリ。
見た後爽快感がある内容でした。
あったかい映画だった
テニスをやってる自分からすれば、そのテニスプレイは?
ということが気にはなっていたのだが、いまのパワープレイとは
違ってはいたが、その面白さも十分伝わってくるものだった。
エマ・ストーンは未経験だったというから、サーブにしてもフットワーク
にしても頑張ったと思った。特にサーブはスライスしてたからね。
この映画はいろんな意味を持っていた。
①女性対男性というバトルという意味
ビリージーンはやっぱり男には勝てないんじゃないか?
という意見に対して
「勝ち負けじゃない。お互いに敬意を表しているか。ということが大切なのだ。女は台所にいればいいんだという意識を変えたい」と言っていた。
②女に敵?夫に対する敬意も表していた
女性の恋人の存在を知っても、夫のラリーはビリージーンにとって最も適切な対応をしていた。離婚はしてけれど、お互いに対する敬意を持っていたんだなと感じた。
③同性を愛するということ
「私には夫がいて、彼は素晴らしい人」それでも「あなたを求めてしまう。
自分がわからなくなる」というビリージーン。自分の意識が解放されて行くのがよくわかるのだ。それは混乱・混迷・混濁の中から生まれるものということも。
最後にエマ・ストーンが言いたかったことは、いまの#meetooもあるだろうが、互いに尊敬し合うことの大切さということではないか。
そういう意味で、とても愛のある映画だったと思う。
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