「笑える戦いが石頭を懐柔させました・・・」バトル・オブ・ザ・セクシーズ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
笑える戦いが石頭を懐柔させました・・・
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テニス界で有名なキング夫人のウーマンリブ運動の映画、当時、優勝賞金が男子の12.5%しか与えられない保守的な全米テニス協会に反旗をかかげ女子テニス協会を設立、白が基本のウェアをカラフル、ファッショナブルに一変、独自にスポンサー集めにも奔走した点ではプロスポーツ界の改革の旗手と言った方が良いかもしれない。
後に自身でもカミングアウトしているが劇中でも美容師との同性愛に悩む一面が描写されている、製作陣は男女平等ばかりでなくLGBTにも間口を拡げたかったのだろうが雑味に思えた。
肝心のテニスの方はおまけのような描き方、元チャンピオンとは言えボビー・リッグスは55才、前後左右に揺さぶられては体が持たなかった。キング夫人とリッグスは心底敵対している訳でもなくプロスポーツのショーアップと言う点では両者ともに抜きんでた才能を発揮したと言えよう。
試合に負けたリッグスだが愛想尽かしされた妻と復縁、それに反してキング夫人は離婚してレスビアンの道を歩むのだから振り回された旦那が不憫に思えてきた。
むしろ男女差別との闘いなら「ビリーブ 未来への大逆転」、「RBG 最強の85才」のルース・ベイダー・ギンズバーグさんの方がシリアス、彼女は男性社会に向け、「女性を敬って欲しいのではなく、踏んでいる足をどけて欲しいだけです・・」と名言を放っています。
ただ、このテニスマッチの偉大な功績は北風と太陽の寓話のようにイデオロギー対決をユーモアで処理したことで頭の固いお偉いさんたちを懐柔させたところなのでしょう。
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