劇場公開日 2018年7月6日

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「やっぱファリス&デイトンは素晴らしい!」バトル・オブ・ザ・セクシーズ foxheadsさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0やっぱファリス&デイトンは素晴らしい!

2018年7月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

知的

ミュージック・ビデオ界出身で、映画としては「リトル・ミス・サンシャイン」「ルビー・スパークス」を手掛けたバレリー・ファリスジョナサン・デイトンの監督作品でFOXサーチライト配給、という事で、決してオーヴァーグラウンドな映画では無いと思わせて、主演がエマ・ストーンとスティーヴ・カレルって?それには訳があった。タイトル通り、男女の性別を賭けた闘いではあった。テニスの現役トップ・プレイヤーの女性ビリー・ジーン・キングと、かつて世界王者だったオッサンプレイヤーであり、徹底した男尊女卑主義者で人を舐めまくった行動がセンセーショナルなボビー・リッグスによる、お互いの立場と意地とプライドを賭けた試合を、そこまでに至る過程における各々の心情描写を経て、実際の試合の模様をクライマックスに、比較的事実に忠実に再現した作品。この内容を現代の社会に向けて作り上げる意義と言うのは、ここで語れないが、当初持っていた映画のイメージとはかなり違っていたのは確か。単純な男×女のバトルでは無いのであった...。

特筆すべきは、やはりファリス&デイトンが作り上げるポップでカラフルでフザケてて、しかしながらリアリティも同居する独自の世界でしょう!特にボビー・リッグスの徹底したオフザケの描き方は、実際にそうだったかはさておき、監督の並々ならぬ執念を感じるし、それが変な笑いに昇華されており、意図として成功していたのではと思う。もちろん、人間の陽の部分と、陰の部分の描き方の対比もお見事だった。単純に1970年代の雰囲気を忠実に描いた...と言えば簡単だが、それを超えたヴィジュアル世界が素晴らしい作品でした。それでいて、映像テク偏重の作品に終わらない、社会的なメッセージと意外な裏メッセージも孕んだ巧みな傑作でした。

foxheads