アバター ウェイ・オブ・ウォーター : 特集
【Vol.1:世界の盛り上がりは?】公開直前SP!
“観たい映画No.1”――変わるのは歴史か、人生か?
日本、アメリカ、中国、フランスの“社会現象”大調査
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2022年最後にして最大級の超大作である、ジェームズ・キャメロン監督の最新作「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」。ついに12月16日から日本公開される。
この“人類待望の一作”の封切りに向け、私たち映画.comのボルテージは上がりっぱなしだ。その映像と物語を目撃すれば、今までの価値観が一変してしまう、そんな確信めいた予感がある。早く観たい、何がなんでも体感したい――。
渇望感が限界に達してもう待ちきれないので、映画公開2週間前から特集記事を展開することを決めた。題して「【全人類待望「アバター WOW」】総力特集!」。今作の究極とも言える映像体験の魅力に迫っていく。
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本記事では海外の映画ジャーナリストに特別な協力を仰ぎ、日本をふくむ世界中でどのような“社会現象”が起きているかを調査した。
各国の異常なまでのアバター・ムーブメントを見れば、隕石が降り注ごうが絶対に観に行かなければならないことが、言葉ではなく心で理解できるだろう!
【「アバター WOW」そもそもの注目度は?】
日本の映画ファンが“観たい映画No.1”!
アメリカでも…“若者が期待する映画No.1”!
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本題の前に、今作の注目・期待度の高さがよくわかるデータをサクッとご紹介しよう!
●日本の映画ファンにアンケート…観たい映画第1位=「アバター WOW」!
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映画.comのTwitterアカウント(フォロワー数約78万人)では、「2022年の秋冬(9~12月)に観たい映画」を調査した。すると「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」が得票数1位を獲得!
この時期は各社の最大級の自信作が公開されるだけに、競合作品の数と質は強烈そのもの。そんななか、映画ファンが選ぶ[この秋冬に最も観たい映画No.1]に輝いたという事実は、今作の魅力をなによりも雄弁に物語っている。
●アメリカのZ世代が期待している映画第1位も「アバター WOW」!
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日本の映画ファンだけでなく、アメリカの若者世代も今作に大きな期待を寄せている模様だ。
アメリカの映画チケット販売会社「Fandango」が、若年層であるZ世代(18歳~24歳)を対象に、“最も期待する、映画館で必ず観るべきホリデー映画”を調査。すると、ここでも「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」が第1位を獲得したのだ。
前作公開時は幼かったはずのZ世代が、これだけ「観たい」と考えていることからも、世代を超えた強力な作品であることがよくわかる。
●特報映像の再生回数も記録的! 24時間で1.4億回を突破
2022年5月に特報映像が映画館で公開されるや、SNSを中心に話題沸騰! 世界4000万人以上の鑑賞者から「やはり別格」「映像すごすぎて泣きそう」「鳥肌」などの声があがった。
さらに映像のネット配信後の反響はすさまじかった。24時間で1億4860万回再生を記録! この数字は「ブラック・ウィドウ」(1億1680万回)、「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」(1億1240万回)など錚々たる作品を凌駕する結果となった。
……では、もう少し具体的に“世界中でどのように注目されているのか?”を明らかにしていこう。アメリカ、フランス、中国の現象を追った。
【アメリカの盛り上がりは?】
テンション最高潮! アカデミー賞作品賞も視野に!?
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まずは、アメリカはロサンゼルス、ハリウッド! いわば“映画の本場”のムーブメントから見ていこう!(情報提供:映画ジャーナリスト・猿渡由紀@yukisaruwatari)
●ファンが大熱狂! D23で初映像が公開され8000人が拍手喝采
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2022年9月に開催されたディズニーファンのイベント「D23」。最高のハイライトは、なんといっても「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」のフッテージ上映だった。
会場には約8000人が押し寄せ、とてつもないスピードで全員に3Dメガネが配られ、ファンはその映像の美しさに熱狂した。上映が終わると、場内は嵐のような拍手喝采に包まれていた。
●リマスター版の公開で、続編への期待が加速!
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D23の2週間後には、第一作のリマスター版(「アバター ジェームズ・キャメロン 3Dリマスター」)が公開された。
週末の北米興行収入は1000万ドルと、ブルーレイや配信でも観られる作品にしては立派な数字を記録。第一作が公開された時は、幼すぎて劇場では見ていない若い世代が、このリマスター版を見て大感激したという話もあちこちから聞こえる。
●アカデミー賞候補もあり得る!? アワード関係者は早くも予想!
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賞レースの予想も始まっており、関係者からも期待の声が。ハリウッドでは、「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」のアカデミー賞作品賞の候補入りを予想するエキスパートも少なくない(画像A参照)。
第一作「アバター」のアカデミー賞は、接戦の末、「ハート・ロッカー」に作品賞を譲った。13年後、続編はリベンジを果たすことになるのか? まだ誰も完成品を観ていないのでなんとも言えないが、期待がかかることは事実と言える。
【フランスの盛り上がりは?】
辛口&こだわり強い批評家や観客も熱視線!
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アメリカから海を渡り、確固たる文化を確立するフランスへ! こだわりが強いイメージの同国でも、多くの人々が超大作SF「アバター」続編には特別な眼差しを注いでいるようだ。(情報提供:映画ジャーナリスト・佐藤久理子@KurikoSato)
●ここでも「アバター」リマスター版がヒット! ダントツ1位に
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9月21日に「アバター」リマスター特別版が劇場公開。フランスではコロナ禍以降、映画館に人が戻らないと言われているなか、1週間で33万5359人を動員し、ダントツでNo.1に。
この数字はほかのヨーロッパの国、例えばイギリス(初出3位どまり)などと比べても高く、フランスでの期待の高さを如実に物語っている。
●通な映画誌で80ページの大特集! キャメロンはフランスでも“稀代の巨匠”
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同国の伝説的映画誌「カイエ・デュ・シネマ」の、オルタナティブともいえる通な映画誌「LA SEPTIÈME OBSESSION」。ここでは、80ページにわたる特集記事を展開した。
過去にラース・フォン・トリアーらを特集しているが、これほどの大ボリュームは稀だ。つまり、うるさいフランスの批評家たちも、続編を期待していることの証。
ちなみに、ジェームズ・キャメロンは、ブロックバスター娯楽作を代表する監督でありながら、稀代の巨匠でもあるというのがフランスにおける立ち位置。
【中国の盛り上がりは?】
12年前から注目度爆裂!? “見たい”が異常値を記録!
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欧米の次は、世界最大の市場となりつつある中国へ! ネットを中心に、爆発的な盛り上がりとなっているようだ。(情報提供:映画ジャーナリスト・徐昊辰@xxhhcc)
●続編製作はほぼ白紙なのに…12年前にもう“作品一覧”に登場!
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中国最大級のソーシャル・カルチャー・サイト「Douban(豆瓣)」(例えるなら中国の映画.com)に、今作の作品ページが作られたのは、なんと前作「アバター」の公開直後の2010年。つまり12年前!
思いが先走ってしまうほど、ファンが公開を待ち望んでいる“歴史的シリーズ”なのだ。
●各サイトの“見たい”が異例の数値! “あの超大作”を大幅に上回る
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Doubanにおいて「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」を“見たい”とチェックしているユーザーは、約23万人。この数字は、「DUNE デューン 砂の惑星」の続編「デューン パート2(原題)」(約4万3000人)、トム・クルーズ主演「ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE」(約4万6000人)、のおよそ5倍となっている!
中国最大の映画チケット販売アプリ「猫眼電影」に視点を移そう。「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」を“見たい”と感じているユーザーは、驚異の54万超! 8500の「デューン パート2(原題)」、6500の「ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE」を大幅にリードしている。
●そもそも「政府の検閲で上映されない」との噂も…反発の声が続出!
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中国映画市場における海外作品の公開日は、封切りの1カ月前から2週間前に発表されるケースがほとんど。ゆえに長らく「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」の公開は発表されていなかった(11月24日についに発表! 12月16日に中国公開決定)。
ゆえに「政府の検閲の影響で上映されないのかも」という噂が出回り、「そんなの納得できない!」と“反発の声”が広がった。
絶大な人気を誇る映画系インフルエンサー、ウー・ジーショウは「政治的な立場で、映画の上映を中止するのは好ましくない」という趣旨の投稿を行った。この意見に賛同する声は多く、リツイートはなんと1万以上!
●予告編の再生数は「ジュラシック・ワールド」の10倍!
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上映が未定だった11月2日、Weibo(中国最大のSNS)に、中国語字幕付きの公式予告編がアップ。これにファンが沸きに沸いた!
再生回数は2週間で865万を突破! この記録は、2022年に同国内で公開された海外作品興収1位を記録している「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」の10倍となっている。
これほどまでのファンの熱量……封切りの12月16日以降、中国の映画館はいったいどうなってしまうのか――?
【まとめ】全世界=人類待望の「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」…ついに12月16日に公開!!
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以上、世界の「アバター」ムーブメントはいかがだっただろうか?
おさらいすると、日本では観たい映画No.1となり、アメリカではアカデミー賞作品賞にも手が届くとされている。そしてフランスの辛口&こだわりの強い批評家もファンも期待を寄せ、中国ではネットを中心に規格外なくらい盛り上がっている……。
まさに世界が、全人類が待望するといっても過言ではない「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」。この事件的な一作は、なにがなんでも公開初日に“体感”するべきだ。
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