「ボンドは人として幸福であったのか」007 ノー・タイム・トゥ・ダイ ホラー好きさんの映画レビュー(感想・評価)
ボンドは人として幸福であったのか
ついにクレイグボンドの最終作。
頑張って前4作をおさらいしたのも、この時のため✨
観なくても話は分かるけど、観ておいた方が更に楽しめること請け合い✨
ああ、このシーンは✨懐かしい面々🥺✨1作目のカジノロワイヤルでは皆な若かったのに、深い皺に流れた月日を思う。
ここ最近のヒーローもの(ざっくり括るが)は超人ではない、ヒーローであるがゆえの苦しみを描く。
MI6の抜きん出て優秀なスパイであるボンド。
スパイとしては優秀だが、はたして人としては幸福なのだろうか。
子供の頃に親を失い、義兄弟には命を狙われる。唯一、愛した女は裏切って死んだ。
彼は幸せなのか、
スパイで良かったのか。
その全ての答えが今作である。
荒唐無稽なキャラやストーリーは変わらずだが、その中で深く“ボンド”を掘り下げて見せた素晴らしいシリーズだった。
⚠️以下、ネタバレ⚠️
冒頭から宿敵であるスペクターをあっさり滅ぼした敵、サフィン。
ただの暗殺者であった彼が、復讐のためにあそこまで力をつけたのは納得しがたいが、その複雑な役どころをラミマレックが演技で魅せる。
この静かな狂気。彼ならやる、そう思わせる役者。ナイトミュージアムで見た時に、彼がここまでの役者に育つとは、誰が想像しただろうか。
ボンドは死んだ。
でも、彼女の中で生き続ける。
そして、また次のボンドが現れる。
最終作に鮮やかな花を添えたパロマと女007。彼女達が次シリーズで、活躍する姿が見られるといい。