「時代が終わりました」007 ノー・タイム・トゥ・ダイ オカピさんの映画レビュー(感想・評価)
時代が終わりました
他の方のレビューでは、ダニエル・クレイグありがとう(泣)の好意的な派と、期待はずれの辛口派に、わかれていましたので、正直なところ、あまり期待しないで見に行きました。
カジノロワイヤルを観た時、マッチョなボンドが新しい時代を切り開いてくれるのか、とワクワクしたのですが、スカイフォール、スペクターは、なんだかスカッとしなくて…。
007シリーズって、世界征服を目論む悪のアジトに、超人的な活躍で潜入し、一見オモチャのような秘密兵器を駆使し、絶体絶命の危機を乗り越えて、男のお楽しみも忘れず、ロンドンに帰ってからは紳士のフリをするエージェントの話しでしたよね。
長い間、何代かのボンドが、60年代を引きずるスパイ映画を、いつのまにか、ダニエル・クレイグが骨太な何かにしちゃったのかもしれません。でも、彼の最後のボンドは見たい、ボンドとしてのダニエル・クレイグを見納めておきたい、その一心で、2時間45分、観て参りました。
いや、ほんとは、それだけじゃないです。ラミ・マレックがとても好きです。悪役のラミも見たい。もっと出番多いかと思ってた。お面でなくて、演技が見たかった。
冒頭、車のシーンは、父と娘かと思わせるし、怒りっぽいし、人のこと信用しないし、走るの重たいし、やっぱり歳はとるよね、人間だものと、思ったけど、全体的には良かったです。ボンドとして、素敵、存在感たっぷりです。
最後に一言、007の副題は、『非情のライセンス』情事はあっても、それは愛とは違う、だってスパイだもの。
それが、007のスタンスだったはず。
でも、しっかりと、愛の人として、人生を全うしたダニエル・ボンドは、新しい時代のスパイだったんですね。ここを受け入れられるか、どうかで、評価分かれるのではないか、と思いました。
私は、観て良かったです。