「前半は良かった」007 ノー・タイム・トゥ・ダイ SZEさんの映画レビュー(感想・評価)
前半は良かった
ダニエル版ボンドの幕引きとなる作品であったが、終わり方にイマイチ納得がいかないのが本音である。
前作の終わりでは颯爽と去っていたボンド、今作もそのようにジェームズ・ボンドらしくクールに去っていくものと期待していたが、実際は愛した女とその女との間にできた娘(!)を想いながら死んでいくというなんとも人間臭いものに...。
もちろん、このボンドの変化に感動した人もいることと思うが、私はやはりボンドには情や情けを超越したところにいて欲しいという願望があるので少し残念...。
新たな女007が登場したりするのも驚き。
新ボンド・ガールかと思われた美人新米エージェントも「えっ、もう?」というくらいアッサリ退場。伏線かと思いきや特に何もなし。
また、監督が日系の方ということもあるのか、海外作品でよくある日本と中国などアジアの文化がビミョーに折り混ざったやたらオリエンタルな設定なのも(、、、?)という感じ。日本人からしたらむず痒いと思う。土下座と座礼は違うよ!と言いたい。
前半は今までの作品同様、それ以上に派手なアクションシーンが盛り込まれていて見応えがある。歳をとったダニエル・クレイグだが男前ぶりは健在。安心して観られる。この作品の撮影後のダニエルに密着した『ジェームズ・ボンドとして』も視聴したが、この超有名連作に出演するに際しての苦労や努力がわかるのでこれもファン必見である。
したがって、人間味を持たせた新たなボンドを打ち出そうとする今シリーズのテーマは理解はしているのだが、「カッコイイボンド」を求めていた身としては今作の終わり方は非常に残念......。