「後日譚としては○、一映画としては、、、」007 ノー・タイム・トゥ・ダイ ka4youさんの映画レビュー(感想・評価)
後日譚としては○、一映画としては、、、
ダニエルクレイグのこれまでのシリーズは
まさに「起承転結」の流れがあった。
カジノで始まり
スカイフォールでピークを迎え、
スペクターで締め括る。
スペクターの終わり方が好きだっただけに、
今回どうなるか期待半分、不安半分で
鑑賞。
結論から言うと、
「4作品の後日譚」としてエピローグ作品
(言うなればおまけ)的に捉えると○。
しかし、一映画としては、終盤の出来の悪さが目立ち、もったいない作品となってしまった感が否めない。
星2つ減らした点
◽️マドレーヌの過去(今回の話の基)の内容の無さがひどすぎる
◽️終盤に流れに無理がある点が多すぎる
◽️マドレーヌの過去
スペクターも遺恨の基(プロフェルドとボンドの過去)は、スカイフォールの二番煎じかつ劣化版となっていた。
が、今回の話の基になるマドレーヌの過去もそれもよりも内容がない。(そもそもマドレーヌは助けてもらっている)
ブロフェルドが、マドレーヌの過去について、途中とても煽るが、それ以降なにも膨らまない。最初のアバンに映っていた内容のみ。
結局それにより、メインの話に何も深みがでず、結局はボンドが2人のボンドウーマンを守るだけの話になる。
自分の子供という新しい「ボンドウーマン」とその命を守るために自分の命を差し出すという掟破りは新鮮で面白いのだけど、ストーリーのメインの遺恨のしょぼさが目立ってしまってもったいなかった。。。
◽️終盤の流れ
終盤残念という感想は他のレビューと同じく。
その中でも、
「なぜ子供をかえす?」が一番ひっかかった。
自身を重ね、子供に弱い(マドレーヌも助けた)という設定だとするのであれば、もっとそのキャラクターを丁寧に描いて欲しい。
「ここで時間短縮」とでもいわんばかりのマドレーヌのざっとしたバンドに対する説明だけじゃ深みがでない。
ボンドとの遺恨の内容は別にして、スペクターのブロフェルドのラスボス感はとても良かった。そのブロフェルドを超える(殺す)存在なのだから、もっと深みを出して欲しい。(ラスボス感は前作でスペクターという組織を出してしまったのでもう無理だが)
ブロフェルドは今回の登場の仕方も、ボンドの煽り方も今回は良かった。だけに、あそこまであっさりとやられてしまうのが残念だった。
ただ、良い点も多数ある。
・オープニングタイトルまでの流れは最高。 アクションも雰囲気も、オープニングタイトルへの入り方もクール。
・パロマがとてもいい味を出している。
・Qもいい。
・自分の娘という新たなボンドウーマンは新鮮。「マドレーヌと娘という2人のボンドウーマンを守るために自分の命を差し出す」という見方をすると、最後の掟破りもいい。
プロフェルド登場まではのめり込んでみていたが、マドレーヌの家からの逃走あたりからシラけてきた。
ラストの終わり方はダニエルクレイグシリーズのラストとして綺麗で良かっただけに、上記2点さえちゃんと脚本が練ってあれば文句なしで星5つだった。。。