「脚本陣の誰か《パイナップルARMY》読んだ?」007 ノー・タイム・トゥ・ダイ Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
脚本陣の誰か《パイナップルARMY》読んだ?
《パイナップルARMY》っていう元傭兵が主人公のマンガがあるのね。このマンガ最終回で主人公は自ら仕掛けた爆弾の爆発に巻き込まれて、生死不明になって終わるの。
しかし、実は仕掛けがあって、時系列的には最終話の次に第一話が来るのね。だから「主人公は生きてました!」ってことなんだけど。そして、この第一話に「ウサちゃんの人形」が登場するの。戦いの最中に小さな女の子が大事なウサちゃん人形を落としちゃうの。それで「ウサちゃーん」って取り戻しに行こうとするんだけど、それを主人公は止めて、自分が銃弾をかいくぐって回収すんのね。そして、それを自分の服に詰め込むの。
007のこの作品にもウサちゃん人形でてくるのね。ボンドが拾って服に挟むシーンで、それを思い出したな。ラストシーンもミサイル着弾でボンドが生死不明で終わるよね。だから似てるなあって思って。はじめの能面から、やたら日本推しだし、誰か《パイナップルARMY》読んでんのかなと思ったの。それで、この流れでいくと、ちゃっかりボンドは生きてて、続編に出てくるんだろうね。
でも、007シリーズはもういいかなあって思った。
冒頭でレア・セドゥといちゃいちゃすんのもね、なんかオジさんのラブシーンはちょっと痛々しいね。それとレア・セドゥはちょっとボンド・ガールっぽくなくて、アナ・デ・アルマスが出てきて「そう、これ!」と思ったの。
でももう「美女にモテてウハウハ」みたいな映画はちょっとやりづらいよね。『ボンド・ガール』っていう名称が残る映画は、ちょっと厳しいかもと思ったな。
ストーリーの中に、ボンドの上司であるMの葛藤とか、国際政治の中での駆け引きとか入れてきて、実際の組織感を出してきてるけど、かったるいよね。「ボンドすげえ、やった!」くらいの話で良いと思うんだけど、なんか「MI6を運営してるのだって人間だ」みたいな深みを出したいんだろうな。でも007に深みはいらないかな。
そんなこんなで、これがシリーズ最終作でも全く悔いはないけど、また新作が公開されたら観に行くだろうな。