「【エンドロールのその先】」007 ノー・タイム・トゥ・ダイ ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【エンドロールのその先】
ダニエル・クレイグ・ジェームズ・ボンドのシリーズで一貫して描かれたのは、”因縁”だと思う。
今作も同様だ。
そして、この「No Time To Die」は、その締めくくりにふさわしい作品になっていると思う。
もし、可能であれば、Amazon Primeで配信されているので、「カジノ・ロワイヤル」から復習して臨むと、多くの因縁が分かりやすいし、この作品が締めくくりにふさわしいことも理解してもらいやすいと思うのだ。
(以下ネタバレ)
ジェームズ・ボンドとヴェスパー
ヴェスパーと恋人
フィリックスが沈んでいく場面は、ヴェスパーが沈んでいく場面を想起させる。
恐らく、「慰めの報酬」から、”因縁”を中心に据えるべく、「スカイフォール」は構築されたのだと思うし、それは、今作を観ても成功している感じる。
ジェームズ・ボンドの生い立ち
ジェームズ・ボンドの過去
Mの過去
シルヴァの過去
Mの死
Mの遺言
ホワイトとの邂逅
マドレーヌとの邂逅
ジェームズ・ボンドの養父の死の真相
フランツとの再会と対峙
そして、「No Time To Die」
マドレーヌとの別れ
マドレーヌとサフィンの関係
フェリックスの死
マドレーヌとの再会
マチルダとの邂逅
これらが因縁として、時には緩やかに、時にはディープに関連して、物語を複雑に、そして深化させていくのだ。
アクションは、当然、見応えはあるし、終盤の円形の通路で、こちらに向かって銃を放つ場面は、最後のサービスカットだなと思ったりした。
日本とロシアが領有権を争っているちっぽけな島とは歯舞色丹のどこかっぽいところとか、サフィンのアジトの和風なところも、日本人の心を揺さぶるかもしれない。
世界的な諜報機関の再編など、諜報活動の意義などがテーマの一部となる作品もあったが、今回は、テロ組織と、政府の思惑などを絡めた、ダブルオーの活動の正当性が復権したような感じも、”ある意味”、ノスタルジックで良かった。
「存在するより、生きる」
これは、多くの人に響く言葉ではないか。
エンドロールのその先にあった言葉は、
「ジェームズ・ボンドは帰ってくる」
まあ、数年後だと思うが、今から楽しみだ。
ワンコさん、おはようございます。
サービスカットはしびれましたね~
毎回シャッターの向こうから銃を放ち、血が流れるロゴがありますけど、今回は血が流れなかったのです。あれ?と思っていたら、そのサービスカットがあるためだったのかな・・・
それとも逆に・・・