「「初」だらけダニエル版007の集大成」007 ノー・タイム・トゥ・ダイ こじろうさんの映画レビュー(感想・評価)
「初」だらけダニエル版007の集大成
シリーズ25作目、ダニエル・クレイグ版007がこれにて完結。
00エージェントから退いたボンドは恋人マドレーヌが抱える「ある秘密」によって生まれた危機に再び立ち向かうというストーリー。
作品に欠かせないアクション、ボンドカー、ガジェット、個性的な取り巻きの面々、ヴィラン、そしてボンドガール。
見事なまでにバランス良く取り入れ、007というブランドをより輝かせることに成功した作品といえる。
本来なら2020年の4月日本公開を予定していたが、コロナ禍による2度にわたる公開延期。
皮肉にも、細菌感染によるテロというあらすじだったため、早々に延期を決断した理由がこういった形で分かるとはさすがに予想出来なかった。
また詳細は後述するが今までにない結末だった為、全部ひっくるめてそう来たか。と思ったのは私だけではないはず。
・ブロンドヘアー、ブルーアイズボンド
・ガンバレルシークエンスから始まらない(Casino Royale)(Quantum of Solace)
・今作を含めた5作品が一話完結ではなく続いている
・ナオミ・ハリスが黒人女性初のマネーペニー
・テーマソングがデュエット(Quantum of Solace)
・肝心のガジェットがボンドカーを除き一切出てこない
・上映時間の最短と最長を記録(Quantum of Solace:109分) (No time to die:164分)
もし、これを読んでいただいた方が差し支えなければ教えていただきたいが、今私が思いつく限りダニエル版ボンドはなにかと「初」といった形で一線を画すことをしてくれるものでもあった。挑戦的でもあり、それでいて伝統を守るという新たな風を吹かせてくれた。
そして今作でも例外に漏れず、あるテーマを初めて作品に織り交ぜた。
「家族」
この言葉が浮かんだ。60年以上続くシリーズで初めてではないだろうか。
天涯孤独と言われたボンドに出来た家族。
それを守るために選んだ究極の選択。
まさに集大成といったところ。
作品自体のマイナスは全くといってないが強いて挙げるなら、パロマ役のアナ・デ・アルマスをもっと見たかった。
15年間戦い続けてくれたダニエル・クレイグならびに制作陣に感謝を込めて。
レプリカントさん
コメントありがとうございます!おっしゃる通りですね。歴代ボンドにない人間らしさを表現出来たのは彼だけではないでしょうか。
アナ・デ・アルマスも観た方が挙ってもっと観たかった!という風に言っているので共感して頂いてよかったです笑
NOBUさん
コメントありがとうございます!レビュー後、改めてクレイグ版ボンドを見返して要所要所に家族というテーマを散りばめているなという風に感じました。
そういった意味で今作を振り返るとまた違った見方が出来て面白いですね!
今晩は。
レビュー拝読しました。
”「家族」
この言葉が浮かんだ。天涯孤独と言われたボンドに出来た家族。
それを守るために選んだ究極の選択。”
全く同感です。
このテーマが根幹にあってこその、グレイグ・ボンドシリーズの奥深さがあると思っていますので。そして、今作のあのラストシーン。
素晴らしきレビューを有難うございました。では。