「古いアニマトロニクス風な、ウサギ版「トムとジェリー」」ピーターラビット Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
古いアニマトロニクス風な、ウサギ版「トムとジェリー」
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もちろんイギリスの名作絵本を原作とする実写映画だが、可愛いだけの日本版予告編のイメージで観ると裏切られる。メルヘンではなく、ベタなドタバタコメディである(そういう意味では、米国版の予告編のほうが正しい)。
今どきの3DCGを駆使するものの、擬人化したコミカルな動きで、映像はマンガっぽい。「ベイブ」(1995)を彷彿とさせる、前時代的なアニマトロニクスを狙っているかのよう。そのわりに「ベイブ」ほどの感動的なエンディングは用意されていない。
ピーター(・ラビット)の悪ガキっぷり、喧嘩をする青年トーマスとのドタバタは、さしずめ「トムとジェリー」である。
好き嫌いは分かれそうだが、救いは尺が95分とコンパクトで見やすいこと。
また、ビアトリクス・ポターの原画を切り出したような構図が意図して使われている。原画イメージを大切にしているのが素晴らしい。"このシーン、絵で見たことある!"となる。
主人公の女性が画家の"ビア"というのは、まさしくポターと重ね合わせている。ビアトリクス・ポターの半生を知りたければ、レネー・ゼルウィガーがポターを演じた「ミス・ポター」(2007)を併せて観るのがよい。
(2018/5/20 /TOHOシネマズ日本橋/シネスコ/字幕:未表示)
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