「殺し合いの妙」ピーターラビット コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
殺し合いの妙
あの絵本やフィギュアの可愛い世界をイメージしたら大間違い。
全面バイオレンスに満ちた、マフィアや暴力団並みの土地奪い合い抗争映画であると同時に、ブラックユーモアに満ちたモンティパイソンに近い不条理と嫌味の世界であった。
イギリス・オーストラリア・アメリカ合衆国合作らしいが、テイストは完全にイギリスのそれ。
原作どおりだが、まずしっかりピーターのお父さんがミートパイになる冒頭。
お父さんを殺したマクレガー爺は、いたずらするピーターの捕獲で激昂して、心臓マヒで死ぬ。
俺がマクレガーを殺した!と家族や森の仲間に吹聴するピーター。
しかし、マクレガーの甥が家を相続し、新たなピーターとマクレガー家との闘いが始まる。
いたずらが嫌がらせ、喧嘩、そして殺し合いに発展していくエスカレートぶりはすさまじい。
出てくるキャラは、ほぼ全員サイコパス。喧嘩してなくても日常生活すらどこかおかしい。
私は腹を抱えて笑ったけど、イジメの助長や暴力の肯定、利益のためなら殺しも許容される世界ゆえ、大人の嗜み的な位置にあるかと。
個人的にはR12はマストな気がします。
タイトルに騙されて、お母さんが未就学の子連れで来たらちょっと問題。
あと、単純にこれを「面白い」と言っちゃう中高生の女の子たちを見かけたんだけど、あの子たちの将来が心配。
そんなわけで、成人したブラックユーモアに理解ある方々にはオススメ。
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